僕のお母さんは△▽女優

kyonkyon

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雪と温泉とウィンタースポーツ

10話

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「おつかれー!」
「か……母ちゃん。これから運転だけど大丈夫なん?」
「大丈夫だよ!ほら……板貰うね!」

俺たちは滑り終えて駐車場へとたどり着いた。
体は火照っていてそんなに寒くは無いがやはり慣れないスキーブーツや激しい運動で俺は体がボロボロだった。

ちなみに母ちゃん以外の女性陣はみんな控え室で着替えていた。
吹雪は止んで夕焼けで雪景色が赤く染め上げて絶景の一言だった。

「直輝くん!お待たせー!」
「舞衣、忘れ物はないか~?」
「大丈夫!」
「よし……全員揃ったみたいだしそろそろ行くか!」

母ちゃんはサイドブレーキを外しハイエースを動かす。
少し車が滑って怖かったけど、何とか俺たちは戻ることができたのだった。

しばらくすると、レトロで和風なかんじの宿に到着する。
宿に入ると畳張りの部屋へと到着した。

「ふーっ、なんかめっちゃ疲れたな。」
「だな、なおっちママずっとぶっ通しで滑ってたよな。」
「それでさ…龍疲れてるとこ悪いんだけど。」
「あ?なんだよ。」

俺はスキーで頭がスッキリしたけどどうにも気分は落ち着いてなかった。

「勉強……教えてくれないか?」

正直疲れてるのはわかる。
でも、俺がゆっくりしてるこの時間の間にもライバルの受験生は勉強しているのだ。
むしろ、脳の緊張がほぐれた今だからこそ良い勉強ができる気がしたのだ。

「ったく……。いいぜ、今日の俺は厳しいぞ。」
「サンキュー!」

俺たちはちゃぶ台に座り苦手な数学と英語だけに絞って勉強を教わっていた。
そんなに教材は持ってないので復習だけでもやろうと思ったのだ。

「んじゃあ!ビシバシやるか!着いてこいよ、なおっち!」
「おう!」

こうして男性陣は少しの時間を勉強に励むのだった。

☆☆

一方こちらは女性陣。

私こと天野遥香はみんなで温泉に入ることにした。
湯気が立ち込み小さいながら少し硫黄を感じる泉質で私は完全に蕩けきっていた。

「はぁ~ほんと極楽~。」
「ですね……。」




彩奈ちゃんも湯船に浸かって冷えたからだをじっくりと温めていた。

「うむむ……。」

すると、瑞希ちゃんが私の身体をじっくりと見て眉間に皺を寄せていた。
あれ、なんかあったのかしら?

「どうしたの?」
「な…なな、なんでもないです!」
「瑞希……めっちゃ遥香さんの胸見てたわね。」
「何を言うんだよ、彩奈!見てないし!羨ましいとか思ってる訳じゃないから!」
「……墓穴掘ってるわよ。」

どうやら、自身のスタイルにコンプレックスを感じてるようだった。
私の胸を見ては自分の胸と比べてため息を着いている。
まあ、思春期だし気になるよね。

「……私もAV女優になればスタイル良くなるのかな。」
「瑞希ちゃーん?それは関係ないと思うんだけど。」

どうやら少し思考が極端な傾向にあるようだった。
こちらも大人だし、明確に違かったら流石に突っ込もう。

「だって!みんな胸デカイのに私だけ小さいんですよ!なにこれ公開処刑!?」
「瑞希~、もうちょいトーン落とそうか。」
「そうよ、胸がでかくてもいいこと少ないのよ。運動すると痛いし、肩凝るし……あと、大きいと可愛いデザインのブラがつけれないときあるんだよね。」

そういうと、瑞希ちゃんは魂を抜かれたかのように脱力した。

「なんて贅沢な……悩みを。」
「大丈夫よ!瑞希、人それぞれ悩みだってあるんだから。」
「……そういえば舞衣も体重が増えたって言ってたね。」
「ちょっと!?それは言わないで!」

み……醜い。
思春期の女子たちのコンプレックスのぶつかり合いってこんな感じだったっけ。
舞衣ちゃんは赤面しながら「ちょ…ちょっとだけだし。」と呟いてるけど、私から見たらみんなスタイル良いのにと思うんだけどね。

「まあでも!みんな違ってみんないいってことでそれで良くないかな?私から見たらみんなスタイル抜群よ!」
「「「いや……遥香さんが1番スタイルいいんですけど。」」」

どうやら、フォローがフォローになってなかったらしくみんなにジト目で見られてしまった。
わ…私だって代謝と落ちてるんだけど。

「ってあれ、遥香さんお腹に傷が。」

すると、瑞希ちゃんが私のお腹を指さす。
そういえば例の件いってなかったっけ。

「あ、この前手術したんだよね。」
「え、大丈夫なんですか?」
「うん!ちょっと子宮がんが出来ちゃって摘出したの。」

そういうと、3人とも心配そうな顔をしていた。
恐る恐る彩奈ちゃんが話しかける。

「え、いつですか?」
「んー、12月頭だから……ちょうど修学旅行の日あたりね。」
「直輝くんは…知ってるんですか?」
「知ってるよ。でも修学旅行行かしてあげた。あの子小中学校では行かなかったから人生で1回は行って欲しかったし。」

特に舞衣ちゃんが口を手で押えてショックそうだった。まあ、彼女だから尚更ダメージでかいのかもしれない。

「だから……あの時弱々しかったんだ。」
「まあ、そんなとこ!でも終わったことだし!」
「直輝くん…あの日行きも弱ってたけど、途中で行方不明になっちゃって、半日後に見つかって放心状態だったんですよね。」
「行方不明?」

初めて聞いた。
家ではする子だけど、友人に無言で息を潜めるとは考えられなかった。

「私……いまでも直輝くんにどう接すれば良いかわかんないんです。急に勉強頑張りたいってなったし……。」
「んー。」

確かに、何故直輝が医者をやりたくなったのかは聞いたことはなかった。私の故郷で一体何を見たのかは想像もしなかった。でも、きっと直輝なりに何か答えが出たのは間違いなかった。

「んー、舞衣ちゃん。無理に全てを知る必要は無いと思うかな?確かに知らないって私だって怖い。でもね……それでも程よい距離感で尊重し合えれば全てを知らなくてもそれって一つの信頼として成立してると思うの。私も……直輝からはあんまり何か相談されることは少なくなったけど、便りのないのは良い便りって言葉があるように、今は直輝はちゃんとやれてるって考えるようにしたから!」

そういうと……彩奈ちゃんが小さく拍手した。

「すごい!そういうどっしりとしたとこほんとかっこいいです!」
「そ……そうかな?」
「なんか……納得しちゃいました。そうですよね、もう少し彼を信じるとします。」
「舞衣ちゃん!そうね……そろそろお腹すいたし出る?のぼせてきちゃった!」

なんだかんだ話し込んであたりはすっかり暗くなっていた。
湯気の立ち込める温泉を出ると、少しだけ肩と背中が冷える感じがする。
でも、のぼせきった体にこの冷たさが妙に心地よく感じた。

裸の付き合いというのもたまには良いものである。
私はまた彼女らの知らない面を見るとことができた。
そうやって、また繋がりは深くなっていく。
それだけでもとても幸せだった。
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