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第8章 うちのメイド長はヘビースモーカー
13話
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ある日のメイド喫茶の一日。
私はお遊戯会(ダンス発表)が私中心に流れた。
何度うたった曲、何百回踊ったか分からないダンス。
完全に体の中の一部として動き出していて、無意識にテーブルを確認する。
ことねのイメージカラーは、落ち着きのあるブルー。
私のファンは私が踊る時に必ず青いペンライトを持っていく。
この時は、ここにいる全員が青を掲げていた。
踊りに激しさが増し、血脈が更に強さを増す。
フィニッシュの時に、私を中心にポーズが象られ歓喜の声が響き渡った。
「ことねちゃーん!君だけが推しだー!」
「お前が1番!お前が1番!」
ああ……こうして見ると私の普段の頑張りは無駄では無いと安堵してしまう。
しかし、私には大切な発表がもうひとつあった。
「みんなー!今日はお遊戯会に参加してくれてありがとうー!」
すると、ぱちぱちと拍手が拡がる。
今日も私は完璧だった。
完璧にメイド喫茶のメイドを演じていた。
私は……言わねばならない。
ポーカーフェイスの中に大きく心臓が握られるような感覚があり、胃酸が逆流しそうだった。
「突然ですが、大切なお知らせがあります。」
ザワザワ……
私は、盛り上がりがすごいのでちゃんと通るように少し無言になる……周りの焦燥から傾聴に変わるタイミングがある。
1...2...3...4...5...ここだ!
すこし、ざわつきが収まるタイミングで声を振り絞った。
「私、メイド長ことねは……今月いっぱいで、メイドを卒業します!!」
「「「えええええええーーーーー!?」」」
辺りが驚愕の一色だった。
さっきまで私のダンスに喜んでいた人達が絶望に近い表情だった。
「なんでだよーーー!」
「やめないでー!!ことねー!」
私の辞めるのをショックで騒ぐ人、ポカンとする人、恐らくXを打ってる人がいる。
私は、本当は辞めるべきではないのかもしれない。
ここは本当に居心地がいい。
しかし、その居心地に依存して私は変わるのを怠っていた。
決断とは、決めるのも大事だけど断るという気持ちも大事だ。
「10年……お勤めさせて頂きました。このような場に来てくれるご主人様、お嬢様が大好きでした。
可愛い料理も好きだったし、何よりこの空間がすきでした。私の力だけではありません、皆さんが居たからこその結果です。」
まだ、その発言の時もざわつきがある。
一度、スピーチを止める。
こういった発表やスピーチは間が大事である。
「私は、新たな挑戦をします。とても重い決断でしたけど、わたしは新たな一歩をふむために卒業させていただきます。最後の1ヶ月……最後まで来ていただく方を全員笑顔にしていきますので、よろしくお願いします!」
きっと、無責任な発言に怒号が走るのかもしれない。
私はここに来る理由だという人もいたり、希望という人もいた。
裏切ったとさえ思われるのかもしれない。
しかし、結果は思ったものと相反する反応だった。
ぱちぱちぱちぱち……
「ことね!10年間ありがとう~!」
「次の目標まで頑張ってね!応援してる!」
「ことねちゃんの頑張ってるところ、みんな見てるからね!」
「みんな~部屋を青く染めろ~!」
改めて、私のファンがペンライトを青く掲げ、辺りが真っ青になる。
それは……祝福の青だった。
わたしは、何故か気が動転して青がボヤけて見えてしまった。
「う……うわああ……!」
声を荒らげるように……泣いていたのだ。
私は、泣けるんだとその場で驚くのだが、言葉が詰まってしまう。でも、これだけは伝えなくては行けない。
「本当に……本当に幸せでした!!辛いこともありました、大変なことだってありました!こんな私がメイド続けてもいいのかさえ思いました!でも、みんながそうやって支えてくれたから、今日まで頑張って来れました。幸せです。…………うああああん!」
スピーチが……自分語りの号泣会見になってしまった。
そんな私を祝福するように盛大な拍手を頂いた。
本当に……私にとって天職だったんだな。
私は、「メイド人間」。
歪な思考と生い立ちを持ち、メイド喫茶のメイドでいることしか自我を保てないそんな……哀しき動物。
しかし、その実態はただの人間だった。
人並みに頑張って、好きなことをたくさんの人に支えてもらえる、そんな普通の人間だった。
これにて、お遊戯会と私の卒業発表は終焉を迎えた。
さっきまでの熱意が嘘だったかのようにいつもの見なれた景色に戻る。
少し、取り乱したので私は控え室で休んでいると、舞衣ちゃんが私の元に来た。
「舞衣ちゃん……みっともない姿見せちゃったわね。」
「いえ、とっても立派で見とれてしまいました。」
「ありがとう。」
私と舞衣ちゃんは抱擁を交わす。
暖かく、落ち着く感覚だ。
それが私の心拍数を少しずつトクントクン……と下げていくのを感じた。
私はここ数日で人に心を許す体験をしたり、喜怒哀楽を感じたりと灰色に見えた人生が少しずつ彩られていくようだった。
彩られた先に道がある。
残された日数は出勤日でいうと15日だけだった。
その先にも道はあるのだけれど、私は最後までこのメイド人間として喜んでもらうとしよう。
私は、間違いなくプロなのだから。
私はお遊戯会(ダンス発表)が私中心に流れた。
何度うたった曲、何百回踊ったか分からないダンス。
完全に体の中の一部として動き出していて、無意識にテーブルを確認する。
ことねのイメージカラーは、落ち着きのあるブルー。
私のファンは私が踊る時に必ず青いペンライトを持っていく。
この時は、ここにいる全員が青を掲げていた。
踊りに激しさが増し、血脈が更に強さを増す。
フィニッシュの時に、私を中心にポーズが象られ歓喜の声が響き渡った。
「ことねちゃーん!君だけが推しだー!」
「お前が1番!お前が1番!」
ああ……こうして見ると私の普段の頑張りは無駄では無いと安堵してしまう。
しかし、私には大切な発表がもうひとつあった。
「みんなー!今日はお遊戯会に参加してくれてありがとうー!」
すると、ぱちぱちと拍手が拡がる。
今日も私は完璧だった。
完璧にメイド喫茶のメイドを演じていた。
私は……言わねばならない。
ポーカーフェイスの中に大きく心臓が握られるような感覚があり、胃酸が逆流しそうだった。
「突然ですが、大切なお知らせがあります。」
ザワザワ……
私は、盛り上がりがすごいのでちゃんと通るように少し無言になる……周りの焦燥から傾聴に変わるタイミングがある。
1...2...3...4...5...ここだ!
すこし、ざわつきが収まるタイミングで声を振り絞った。
「私、メイド長ことねは……今月いっぱいで、メイドを卒業します!!」
「「「えええええええーーーーー!?」」」
辺りが驚愕の一色だった。
さっきまで私のダンスに喜んでいた人達が絶望に近い表情だった。
「なんでだよーーー!」
「やめないでー!!ことねー!」
私の辞めるのをショックで騒ぐ人、ポカンとする人、恐らくXを打ってる人がいる。
私は、本当は辞めるべきではないのかもしれない。
ここは本当に居心地がいい。
しかし、その居心地に依存して私は変わるのを怠っていた。
決断とは、決めるのも大事だけど断るという気持ちも大事だ。
「10年……お勤めさせて頂きました。このような場に来てくれるご主人様、お嬢様が大好きでした。
可愛い料理も好きだったし、何よりこの空間がすきでした。私の力だけではありません、皆さんが居たからこその結果です。」
まだ、その発言の時もざわつきがある。
一度、スピーチを止める。
こういった発表やスピーチは間が大事である。
「私は、新たな挑戦をします。とても重い決断でしたけど、わたしは新たな一歩をふむために卒業させていただきます。最後の1ヶ月……最後まで来ていただく方を全員笑顔にしていきますので、よろしくお願いします!」
きっと、無責任な発言に怒号が走るのかもしれない。
私はここに来る理由だという人もいたり、希望という人もいた。
裏切ったとさえ思われるのかもしれない。
しかし、結果は思ったものと相反する反応だった。
ぱちぱちぱちぱち……
「ことね!10年間ありがとう~!」
「次の目標まで頑張ってね!応援してる!」
「ことねちゃんの頑張ってるところ、みんな見てるからね!」
「みんな~部屋を青く染めろ~!」
改めて、私のファンがペンライトを青く掲げ、辺りが真っ青になる。
それは……祝福の青だった。
わたしは、何故か気が動転して青がボヤけて見えてしまった。
「う……うわああ……!」
声を荒らげるように……泣いていたのだ。
私は、泣けるんだとその場で驚くのだが、言葉が詰まってしまう。でも、これだけは伝えなくては行けない。
「本当に……本当に幸せでした!!辛いこともありました、大変なことだってありました!こんな私がメイド続けてもいいのかさえ思いました!でも、みんながそうやって支えてくれたから、今日まで頑張って来れました。幸せです。…………うああああん!」
スピーチが……自分語りの号泣会見になってしまった。
そんな私を祝福するように盛大な拍手を頂いた。
本当に……私にとって天職だったんだな。
私は、「メイド人間」。
歪な思考と生い立ちを持ち、メイド喫茶のメイドでいることしか自我を保てないそんな……哀しき動物。
しかし、その実態はただの人間だった。
人並みに頑張って、好きなことをたくさんの人に支えてもらえる、そんな普通の人間だった。
これにて、お遊戯会と私の卒業発表は終焉を迎えた。
さっきまでの熱意が嘘だったかのようにいつもの見なれた景色に戻る。
少し、取り乱したので私は控え室で休んでいると、舞衣ちゃんが私の元に来た。
「舞衣ちゃん……みっともない姿見せちゃったわね。」
「いえ、とっても立派で見とれてしまいました。」
「ありがとう。」
私と舞衣ちゃんは抱擁を交わす。
暖かく、落ち着く感覚だ。
それが私の心拍数を少しずつトクントクン……と下げていくのを感じた。
私はここ数日で人に心を許す体験をしたり、喜怒哀楽を感じたりと灰色に見えた人生が少しずつ彩られていくようだった。
彩られた先に道がある。
残された日数は出勤日でいうと15日だけだった。
その先にも道はあるのだけれど、私は最後までこのメイド人間として喜んでもらうとしよう。
私は、間違いなくプロなのだから。
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