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青く輝くあなたはこっちに来ないで。
しおりを挟む私は大通りが好きではありません。
人はいっぱいいて聞きたくもない声が耳に入ってくるからです。
私は彼らのように大通りでいることが楽しいと思えません。
だから、私は大通りが嫌いなのです。
でも、私は必ずその方向にある道を歩まなければ行けません。なので私は、大通りから少し外れた細い道をゆっくり歩むのです。
その道には、ほとんど人がいませんでした。
前にも後ろにも人の気配はありません。
でも、少しすると後ろから1人だけ歩いてきました。その人は男性に見えたのですが、イヤリングをしているようにも見えました。私は道端にあるものをしゃがみこむ様に、じっくり見ていたため後ろにいた人が私を追い越していきました。その際に、耳に着いたイヤリングが青く輝いてとても綺麗だなと思いました。いつの間にかイヤリングは遠く見えなくなっていました。その人以外は誰もいません。
私はこんなに素敵な場所があるのにほとんどの人が知らないという事実に少しながら胸を痛めていました。そう思いながらも歩き続けると、今度はゴミ山がありました。
ゴミ袋が6つほど。その周りには異臭が漂っており私は鼻をおさえました。
ゴミ山がある所には大通りと繋がっている道がありました。その道には青色のイヤリングが落ちていました。そして、ゴミ山の中にも同じ青いイヤリングが入っていました。
私はイヤリングをじっと眺めていました。
すると、大通りの人が私を見つけたのです。
彼らはまるでゴミを見るかのようにこちらを見てきます。私は気づきました。彼らは私を見ているのではなく私の近くに置いてあるゴミ山を見ているのだと。でも、彼らの目はとても私に刺さりました。私の体に大きな穴が開きました。
ゴミ山があそこに積んであった意味が少し分かりました。そして、大通りへと繋がる道にイヤリングが落ちていた理由も何となく分かりました。
いえ、全て分かりました。
それでも、知りたくなかったから分からないふりをしました。私は、道端に落ちてるものでなんとか体の穴を塞ぎました。私は細い道を歩き続けました。ある時、その細い道は大通りへと繋がっていまし た。そこにもゴミ山が、あの時よりも多く置いてありました。私は、道端に置いてあるもので埋めた体で大通りに出ました。
でも、そこには私が穴を埋めていることに気づく人が少しばかりいましたが、誰も助けてはくれませんでした。そろそろ、私の体は壊れそうでした。
それでも、誰も助けてはくれませんでした。助けてくれるどころか、穴を開けてこようとしてくる人もいました。私は崩れ始めた体を両手に抱えて自らゴミ袋に入っていきました。
私の崩れた体はもう、涙さえも流せてはくれなかった。
ゴミ袋の中はとても、意心地が良かったです。
私は、自らゴミ袋に入って良かったなとそう思いました。
一つ、青く輝くイヤリングの持ち主はこっちに来ないで欲しいと薄れ消える意識のなか思いました。
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