ゴミ袋は私の住処…？

解説

まず、大通りというのは一般的に言われる｢普通｣を表し、｢大通りを歩む人｣は｢普通に生きる人｣または｢普通を上手く演じている人｣を表しています。そして、主人公は大通りを通らない。つまり、｢普通に生きる｣ことを避けて生きようとします。途中にでてきた｢男性に見えるのですが、イヤリングをつけているようにも見えました。｣この文で伝えたかったのは、男性は女性になりたいということです。次に出てきたのが、｢ゴミ山｣というワードですね。その「ゴミ山｣の中、｢大通り｣に通じる道に落ちていたイヤリング。そのイヤリングは、すれ違った男性らしき人物が身につけていたという事を｢青色のイヤリング｣で伝えたかったです。また、｢大通り｣に繋がる道は｢普通を知るチャンス｣や｢普通になるチャンス｣がわかる瞬間です。イヤリングを付けた男性らしき人物は果たして、｢普通｣になれたのでしょうか…
そして、主人公はこのことに気づきます。ですが、気付きたくもないという気持ちが勝ってしまいます。ですが、主人公の心は折れかかってしまい違うもので補おうとします。
ゴミ山が先程より多く置いてある所がありましたよね。主人公が通ってきた道は必ず大通りに繋がっています。その場所に多くのゴミ山が置いてあったということです。必ず大通りに繋がっているという表現を少し簡単にすると、｢就職｣や｢周りの人とのコミュニュケーション｣など人によりますが必ずと言っていいほど周りの人との関係は大切です。人間、1人では生きていけませんからね。
主人公は、｢普通｣や｢コミュニュケーションのとり方｣も分からず大通りに出ます。そう、まさに｢未完成｣です。ですが、｢繋ぎ合わせた心と体｣と｢ふつうを知らず普通を演じる｣のにも限界があり、主人公はついに自殺をしてしまいました。最後に主人公はゴミ山に入っていきました。ここまで来ればわかりますね。｢ゴミ山｣が意味していたのは｢死｣です。主人公以外にもあの道を歩んだ人もいましたが、多くの人が大通り(普通)に耐えきれなくなって自ら死を選んだという事でした。
このお話は、｢社会の狭さ｣を1番に伝えたかったのです。昔に比べ、受け入れる人も多くなったと思いますがまだまだ、受け入れられずに頭を抱えている人もいるのが現状です。