魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

文字の大きさ
65 / 103
始まりの勇者編

23 一心同体

しおりを挟む
 反撃の準備をし、待ちの体制で向かえる。

 ワールドオーダーは50メートルの間を一瞬で詰めると悟に向かって剣で攻撃をしてきた。

「あぶない悟!?」

 ハイネがそう叫ぶと同時に敵の腕を斬ろうと剣を上から振り下ろすとその攻撃は弾かれた、

「何っ!?」

 ハイネの攻撃を受けたワールドオーダーは一瞬悟への攻撃の速度を落とすとハイネの方を向き背面の触手で攻撃してきた、

「どっちを見ている!」

 悟は緩めた隙をつきワールドオーダーの腹部に剣を突き立てた。

その時に剣先に魔力を込めワールドオーダーを吹き飛ばした、

「吹き飛ばすのがやっとだな……」

 ワールドオーダーの体は傷一つついていなかった。

「悟、もう一度やるぞ!」

「わかりました!」

 ハイネは悟の背後につき先程と同じように魔力を流し込んだ。

 悟の剣は炎を纏いもう一度向かい打つためにカウンターができる体制を整えた、

「やはりあいつには私の攻撃は効かないらしいな」

「そういえば、魔王の因子の源でしたね」

 そんなことを交わしていると、ワールドオーダーはこちらに向かって突っ込んできた。

「来るぞ悟!!」 「はいっ!!」

 ワールドオーダーが間合いに入った瞬間、悟は剣を横に振った、

「何っ!?」

 ワールドオーダーは自分の触手を壁にし、剣をガードすると突っ込んだ勢いを使って飛んでいた。

 シュッ! 

 ワールドオーダーは風を斬るように触手をハイネの肩を貫くとハイネは「あ゛あ゛」と言う声が響くと一瞬で地に伏した、

「ハイネさん!?」

 ワールドオーダーは狙ってやったのか曲芸染みたことをやると一人になった悟を無数の触手で攻撃し始めた、

『致命傷になるところは防がないと死ぬ!?』

 確信した悟は心臓と頭、それに剣の持ち手を重点的に防いだ、

「くっ、速い……」

 ワールドオーダーはじりじりと悟を追い詰めていた。

 悟の体は生傷が増えていく辛うじて致命傷以外の攻撃だけを見切っているだけだった。

「ここまでか……」

 その状況で何か反撃のチャンスは何か無いかと考えていたその瞬間『ビュンッ』と風を切るような音と目の前に何かが通過した。

「矢!?」

 一瞬だけワールドオーダーが止まったその瞬間、来た方向に顔を向けるとそこにいたのはトウカだった、

「今だ悟!!」

 その言葉を聞いて今動きが止まっているワールドオーダーに渾身の一撃を与えるため全力で叩ききるように剣を振り落とした、

ぶんっ!

 しかし、その攻撃は空を斬った、

「当たってないどこにいった!?」

 ワールドオーダーは目の前に居なかった。

「きゃあ!!」

 美希の悲鳴が聞こえそっちの方を見た。

「何!?」

 ワールドオーダーは回復をしていた美希を押し退けヤマトを取り込もうとしていた、

「何故そっちに……」

 悟は今起きてることが頭に入ってこなかった。
 悟は呆然としてるのを見たトウカは「助けにいくぞ!」と言われ我に返りすぐに戻った。

─────

「氷槍!!」

 押し退けられた美希は急いでヤマトを救出するためにヤマトを中心とし氷魔法でワールドオーダーを串刺しにした。

「離れない……」

 攻撃をしても今目の前にいる人間を補食か吸収するのに夢中になっていた。

「美希君離れてくれ……」

 掠れる声でヤマトは美希にそう促した、

「マジックレイ」

 ヤマトは魔法を唱えた。

 その瞬間光線がワールドオーダーを貫いた。これにはたまらずワールドオーダーは離れた。

「はぁはぁ多少は動けるけど戦えるか微妙だなはは」

「ヤマトさん!!」 「ヤマト!!」

 この間に悟とトウカが来た。

 二人は急いでヤマト達の前に出て構えた。

「ヤマトさん立てそうですか?」

「ちょっと難しいかな……」

 ヤマトはそう応えると否や、

「美希回復を」 「いや待ってくれ」

 ヤマトは悟の言葉遮った、

「正直言ってこの状況は全滅に近い、二人は倒れ僕は立てない逃げることも不可能と見た」

「だからってここで死ぬつもりかヤマト!」

「いや方法がある、悟君合体するぞ」 

 ヤマトはそんな突拍子も無いことを言うと悟は「はっ?」と頭の上に浮かんだ、

「説明してる時間は無いから今やるよ!」

 と言うと、ヤマトは一瞬で気絶した、

「ヤマトさん話のとちゅ」

 すると、ヤマトの体から光の玉が出てきた、

「ヤマトさんの中から何か出てきたこれってまさか魂?」

 美希はそんなことを言うと、

「さしずめそんなところだよ美希君」

 その光からヤマトの声が聞こえた、

「何を今からやるんだヤマト!」

 トウカはそう言うと、

「まぁまぁ、この状態は魂であり僕の魔力を溜めるため核と言うべきものそれを今から悟の魔力と同化する」

 ふわふわとした球体でそんなことを言うと、

「わかりました」

 「いや、悟さすがに物分かりが良すぎるぞ」

 トウカはそう言うと「わからないけど、何となくやれそうな気がするんです」悟はそう言った。
 
「よし、入るぞ!」

 そう言うと、ヤマトの魂は悟の中に入った。

「うっ!?」

 呻き声を上げた瞬間、悟の周囲が光始めた。
 光は悟の体に引っ付きと下から上へと移動している間に、生傷は剥がれるように消え去り発光も終わった。

 悟は自分の体や手、足を見て全身を動かした。

「ヤマトさんと悟が合体してヤマトサトルになっちゃった……私はどうすれば」

「いや、戻れるからねまた二人に」

 それはヤマトか悟かどっちが言ったのかは分からないがヤマトサトルが発言した、

「も、戻れるのか、にしても姿は悟のまま何だな……」

「体を動かすのは悟君だからね僕は魔力の方を操作するのさ」

「まぁ、いいさそれで倒せるのか」

「はいっ、おそらく倒せるかと」

 ヤマトサトルはワールドオーダーの方を向いた。

 ワールドオーダーはウニウニと液状なのか固体なのかわからない状態から徐々に元の姿、つまりコピーヤマトに戻っていった。

「さっきより完成度高くなってませんか、ほら何て言うか顔つきと体つきが」

『そうだね悟君』

 ヤマトサトルは『一人言?』をすると、

「二人は僕の体を持って下がってて」

「あ、あぁ」 「わかりました……」

 トウカと美希は入り口付近でじっと見つめ始めた。

「よし、行くか……」

 ヤマトサトルが一瞬で消えたと思ったら、その時既にワールドオーダーは天井に打ち上げられていた、

「今までよくもいたぶってくれたな!」


 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...