魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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始まりの勇者編

24 決着そして……

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 天井にいる、ワールドオーダーをじっくり見ているとパラパラと土が落ちてきた、

ドンっ

「やっと戻ってきたか」

 ワールドオーダーは天井から返ってくると否や感情があるのか体を震わしていた、

「どうしたんだ体が震えてるぞ」

 ヤマトサトルはワールドオーダーの肩に手をおいてそう告げた。

 ワールドオーダーは驚くとすぐに距離を離した。 

 遥かに強い敵を目の前にした世界の頂点に立つ生命体自分の命の危機を感じていた、

「おいおい逃げるなよっ!」

 一瞬でワールドオーダーは地に伏した。

「ぐぎゃ!?」

「もう一発!」

 かかと落としで攻撃しようとした瞬間、ワールドオーダーはすぐに体を反転させてかかとを右手で止めた、

「もう反応できるのか……」

 ワールドオーダーはそのままヤマトサトルを押し退け後退した、

「逃げるなよ向かってこい!」

 ヤマトサトルがそう煽りをいれるとワールドオーダーは剣を出し向かっていった。

 剣を振り上げヤマトサトルの頭に目掛けて攻撃をしかけた、

「遅い」

 頭との距離が数ミリの所まで来た瞬間にヤマトサトルは体を低くし左足を大きく広げワールドオーダーの首に引っかけそのまま頭を叩きつけた、

「もう、終わりだ……」

 ヤマトサトルは右手に剣を出してトドメを刺そうとした瞬間、ワールドオーダーは背中から無数の触手で串刺しにしようとした、

キーン

 ヤマトサトルの目の前に壁が張られているのか金属音がそこから響いた、

「何回も見たよ、もうちょっと考えて攻撃を──」

 ガンっ!

 いつの間にかヤマトサトルの足は鉄の足場についていた、

「そんなこともできたのか……」

 ワールドオーダーは無数の棘になりつつヤマトサトルの後ろの方でその棘を集めて移動した。

「ぐきゃあぁす!!」

 ワールドオーダーは剣に魔力を込めてこちらに向かって剣を突き出した、

「俺の細胞か何かを取り込んでできるようになってるんだな……自分の技だ弱点はわかってる」

 ヤマトサトルはそう呟いた瞬間、ワールドオーダーの剣からレーザーが発射され光に飲み込まれていった。

 レーザーの照射しきり目映い光が止んだ。

「俺の能力を使ってこの程度か?」

 ヤマトサトルは傷一つつかずその場から一歩も動いていなかった、

「次はこちらからいくぞ!」

 そう言うと、ヤマトサトルは剣を突き出し「ソーラーレーザー」と唱えると先程と同じように目の前が光に包まれて言った。

 そして、目映い光は止みワールドオーダーの体がほとんど無く頭だけが残っていた、

「そこか!」

 ヤマトサトルはワールドオーダーとの間を詰めて剣で斬った。
 ワールドオーダーは斬られると静かになりそのまま塵となり消え去っていった、


「ようやく倒したな……」

───

「悟!」 「ヤマト!」

 ワールドオーダーが消滅すると同時に美希が近づいてきた、

「倒したの?」 「倒したのか?」

「倒したよ」

 優しく返すと、二人の女性を抱きよせると、

「一彩とハイネさんを回復させないと」

 ヤマトサトルはそう言い、一彩とハイネに近づき片手を指揮者のような仕草をすると二人はみるみる回復し始めた、

「うっ、うぅ」

 すると、一彩が意識を取り戻したのか呻き声を上げた、

「はっ、奴は!」

 そして、起き上がった一彩は自分の剣を手に持ち構えた、

「倒したよ一彩」

 一彩はポカンとしてヤマトサトルの姿を見た、

「悟か? すこし雰囲気が違うきがするが……」

 一彩がそう言うと、

「ヤマトと悟が合体してるからね」

「合体?」

 一彩はポカンとするて、もう一人の倒れた人間が起きた、

「はっ、奴は!」

 先程と同じように聞いた台詞を言ったハイネはすぐにヤマトサトルの姿を見た、

「さ、悟か? いや、ヤマトの魔力も感じるぞなぜだ」

 と、頭を悩ませて考えると何かを思い出した、

「まさか、魔力合体をしてるのか?」

 ハイネはそう訪ねると、ヤマトサトルはその言葉に頷いた、

「器用だな本当に」

 ハイネは聞こえない程度にぶつぶつ呟いた。

────

 一向は一時休みながら話していると美希がハイネの異変に気づいた、

「ハイネさん何か薄くなってません?」

 ハイネの体が薄くなってると言われ自分の体を見たら体が薄くなっていた。 自分の異変にあたふたしていると、

「美希も薄くなってるぞ!」

 ハイネは美希も薄くなっているのに気づいた、

「ハイネさんなに言ってるんですか」

 と、一彩がそう言うと、

「一彩も薄くなってるぞ!!」

 隣に居た悟に言われ、一彩は自分の体を見た、

「お、俺も薄く!?」

 一彩は自分の体が薄くなりどうなるのかわからず少しパニックになりかけ「悟!!」と言うと

ぼんっ!

 悟はそんな音を立てると中にいた、ヤマトが分離したヤマトの魂が近くに置いてあった元の体にふわふわと戻った。

 ヤマトは自分の体に戻ると直ぐに立った、

「おそらく歴史が変わったから君達が来た理由が無くなったんだろうな」

 ヤマトが言うと四人はここが過去で今魔王の源と言われるべき存在を討伐し歴史が変わったのに気づいた、

「ここまでか、美希、一彩」

「トウカさん、ありがとうございました」

「ありがとうございました」
 
 二人はこの世界に来て助けて貰った彼女にお礼を告げた、

「悟君、ハイネ君、君達は忘れちゃうかもしれないが俺は忘れないから君達のお陰で奴を倒せた」

「あぁ、それは私達の悲願だったからな、覚えてないかもしれないが必ず平和の世界で幸せに暮らすよ」

「ヤマトさん合体して、黒幕を倒してまさかこんなすぐにお別れが来るとは思いませんでしたけど……いや、何かわからないけど懐かしい感じがしましたまた何処かで!」

 各々、別れの言葉を告げると四人は星の魔力に乗り消えていった、

「言ったなトウカさん」

「あぁ、まさか倒して直ぐに帰ってしまうなんて思ってなかったよ」

 帰っていくのを見届けた二人はそのまま思い更けるように立っていると、

「ヤマトはこれからどうするんだ?」

「わからないな、帰れる手段があるのか無いのか無ければそうだな、せめて皆を連れてあの国から亡命しようかな」

 ヤマトはそう言うとトウカは「そうだな」と笑いながら言った。
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