魔王討伐のために何度も勇者を召喚した世界ついにその付けを払うときが来ました 【戦女神の救世】

クラットス

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始まりの勇者編

25 帰還

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「ここは?」

 悟は目を覚ました、そこは先程いた場所の手前の部屋らしき場所にいたそこは先程と違い所々壁が剥がされすぐ目の前に大きな机があった。

 悟は周囲をさらに見回した、

「一彩、美希、ハイネさん!!」

 目の前には三人が横たわっていたので揺らして見ると、

「うっうぅ」

 と、美希は意識を取り戻したのかゆっくりと目を開け始めた、

「悟? ここは?」

 目を覚まし目の前にいた悟を見てそう問うた、

「多分、飛ばされる前に居たとこだと思う……」

 悟は飛ばされた時は意識がなかったので曖昧に応えると、

「えっ!?」

 美希が体を起こして周囲を見回した、

「確かにここは飛ばされる前のあの部屋だ……」

 「やっぱりここが飛ばされる前の部屋なんだね」

 そんなことを話していると他の二人が意識を取り戻した、

「うっうぅ、ここは一体どこだ」

「ここは……あぁ、あの時の部屋っ……うん?」

 ハイネは何か疑問に感じた、

「どうして三人とも居るんだ?」

「「「えっ?」」」

 三人は同時にそう言われてさっきまでやってきたことを思い出した、

「あっ、そうか、過去で魔王を倒したのに僕達がここにいるのがおかしいということですか?」

「あぁ、そうだ……」

「でも、考えてみてください僕たちがいなければあいつを倒せてない、僕たちがこの世界に来てなかったらあいつはどうなるんですかね……」

 悟は冷静に考えを巡らせてゆっくりとこう言うことだろうと話すと、

「あっあぁ、うん、そうなるのかな?」

 ハイネは頭を片手で抱えると考えた、

「じゃあ、悟、私達は何故この世界に召喚されたの?」

 美希がそう言うと、

「そ、それは……」

 と、悟までもが頭を抱えると、

「そんなことはここを出てから考えようぜ」

「そうね、一彩の言うとおりここをでましょうか悟、ハイネさん」

 これからの行動を決めた四人はこの洞窟から出た。

────

 「すぅーはぁー」

 一彩は外に出て深呼吸をした、

「何だか久しぶりな感じがしますね……」

「そうだな、早くお父様に会いたくなってしまったよ」

 美希とハイネが会話をしていると、「ホケナ村に戻りましょうか」と悟が言うと三人は頷いた。

 彼らは洞窟から離れて森を抜けた先に湯気が立ち昇るのが見えた、

「やっと帰ってこれましたね」

「ゆっくり温泉に入りたいわね」

「戦い続きだったから休みたいです僕は」

「宿に戻って俺もゆっくりしたいな」

 各々そう述べ宿屋の扉を開け受付の女性に顔を会わせ、

「今帰りました鍵をお願いします」

 悟がそう言うと、

「お客様のお名前は」

 と、聞かれ、

「早川 悟です」

 と応えると、

「ハヤカワサトル様はい、うん、サトル?」

 受付の女性は名前を繰り返すと突然、

「もしかして、サトル様とミキ様、ヒイロ様にハイネ様ですか?」

 そう問われると、

「えぇ、そうですけどそれがどうしたんですか?」

 ハイネが後ろから応えると受付嬢が、

「ひと月もどこに言ってたんですか!?」

「「「「ひと月!?」」」」


 四人はその言葉に驚いた。
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