僕の義理兄弟

義理の父賢輔さん

「よしっ」

今日は仕事部屋で仕事と言いながら屋敷を出ていく。
本当は父のお墓参り、なんだけど義理の父には言えないから一人でこっそりと行く。

「暑いなぁ」

最近はもっぱら送迎車付きの生活だったから、この炎天間を歩くのがキツい。
仕事部屋のマンションから最寄り駅までをネットで探して、てくてくと歩く。

「………」

駅に付き、Suicaで改札を通る。
Suicaを使ったのも久しぶりだし、電車なんて乗るのも久しぶりだ。

「……」

電車でコトコトッ揺られて一時間乗り換えて一時間、線を変える為に10分歩き、又二時間。

「ついたーっ」

改札を出て辺りは人道りは微かにあるが、山々でかなり涼しく感じる。
田舎っていいよね、うん。



「あのっ……母は」
「あー…………美和子は…莉音君は子供好きだよね、賢那達が莉音君の事ばかり話すし」

コクリッと頷き、ハッとするまさかね。
でも嬉しそうな顔をしているんだよね、賢輔さん。

「……まさか」
「うん、おめでただって……４ヶ月」

賢輔さんの言葉に、頭をふる回転する。
ずっと一人っ子だったから、分からないけど確か……１０ヶ月だったっけ赤ちゃんって……。
後6ヶ月で生まれてくるのか、にっこりと笑う。

「うわっ、おめでとうございます」
「うん、ありがとう…美和子にも言ってあげてね…………莉音君と片親だけれど血が繋がった兄弟が出来るんだよ」

あっとする、そうか…母が母親になるんだから、片親だけれど母の子である僕の血が繋がっているんだ。

「ーっ、賢輔さん母を支えてくださいね」
「勿論だよ」