僕の義理兄弟

雪の有希乃

「ふー」

タオルで汗を拭う、この抜群の吸水拡散性を持つマイクファイバーを使用した高機能タオルは本当に吸収力がいい。
それにふわふわの高級タオル。

「あれっ、誰かいる…………おはようございます」

ペコリッと頭を下げる小さな影に僕はハッとして慌てて頭を下げて挨拶をする。

「あっ、おはようございます…すみません今出ていきま」
「あっ……いいんですーっ、ここ共同レッスン室だし、こんなに広いし」

確かに……広いし後２０数人いても全然余りそうだ。
僕はいつも個人室でレッスンするから、こんな広い場所は初めてなんだよね。
それに、今はレッスンしかないからね。
僕が一番レッスンしないとならないんだし。



「……………えっと、新人さんですか」
「あーはい」

ジロリと僕をみる少年に首をかしげる。
少年は笑顔で僕に背中を押してと頼んでくる。

「ありがとうございます、僕はふわ雪の有希乃っていいます、１5歳です…僕は赤ちゃんモデルからこの道を歩んでます……15年目ですっ、でも君を見たことがありません、君は誰ですか」
「唯稀ーっ、まだレッスンしてるかーっ悪いがこの後収録あるからな」

林田さんがにっこりと呼びに来る、収録があるとは聞いていないんですけど、林田さん。

「………はーい」

にっこりと笑うが内心苛ついている、林田さんはスケジュールをギリギリにいうからっ。

「えっ……林田さんーっ、嘘っなんで林田さん」

唖然としながら呟く少年を無視しながら、荷物を鞄に詰めて、廊下に出る。