僕の義理兄弟

夜ト

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ブラック企業ならぬ、ブラック学園

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「…………どうしちゃったの」
「何でもないよ、勉強に嫌気がたっているだけ…………」

僕は机にうつ伏せる、あれから一週間経っているが全く進まない、大先生の翻訳。
書く方は難しい。
原作を壊さないようにしなければならないのだし。

「……なんか、死んでる」
「んーっ、大丈夫……かなぁ、多分」
「ダメだろう、なぁ気分転換に三人で遊びにいかねーか明日からは本当の夏休みだし」

そう佑美がいう様に明日から本当の夏休みなんだよね、一週間しかないけど。

「……それーっいいねーっ、三日間泊まりに行こーよ」
「泊まり掛けかよ…………家大丈夫なのか」

佑美の声に丞が背伸びをして身体を解しながら答える。

「一週間くらい遊ばせて貰うよ、まだ此方とら学生だもん」
「外の学校知らないけど、どうな感じなんだ」

初等部からずっと長期休みはこの課題授業でつぶれていたらしい。
賢那ちゃんも莉那ちゃんもへとへとだったしなぁ。
流石に土、日は休みなんだけれどね。

「……んーっ、普通に夏休みの課題授業なんて無かったよ、夏休みは夏休みで一日だけの登校日があるだけだよ」
「「「「「……………………嘘ーっ」」」」」

帰る準備や明日からの休みを楽しんでいるクラスの人達は聞き耳をたてていたのか、残っていた数人が信じられないという声と顔をする。

「………嘘じゃないよ、普通にここのブラック学校が信じられないよ」



「「「「「「「…………………」」」」」」
「「「「…………羨ましいーっ」」」」

全員の声がはもる、うわっ一体感した。

「あっ、上川お前確か中等部からだよなぁ」
「あー…うん…結城くんが言っている通りだよ、僕も小学生の時は私立だったけど…だけど、夏休みは夏休みだし冬休みは冬休みで秋休みも春休み…GWもちゃんとあるし、そういう日に登校日はないよ、この学園は半日登校だけど」

信じられないと嘆くクラスの人達は、僕と上川にすがる。

「もっと教えてよ、外のこと」
「面白そうーっ」
「…………くだらな……俺達は世界を支える立場だぞ、庶民の生活なんて知ってどうするんだよ、所詮俺達と知り合いになりたいから学園に入っただけだろう」

ガタッと椅子を音を立てながら、憤慨して出ていく。



「「本当にアイツ外面だけはいいよなぁ」」

全員の声がはもる、余り話したことがないが、このクラスは学年で優秀な人やお金持ちを集めているから、問題が起こらないように偏見がない人のみのクラスなのだが、教師には偽りを見せているみたいだ。

「…あっ、集まれるクラスみんなでキャンプしにいかない、青菜グループの経営しているキャンプ場のチケット貰っちゃったんだけど団体様なんだよな」
「僕いくーっ」
「いく」
「名前書いて」

黒板にルーズリーフを張り付ける。

「莉音はどうする」
「んーっ」

何かあったら嫌だからなぁ青菜グループ関連には行きたくないんだよね。

「パスかなぁ…………あっ」

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