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ぎゅうぎゅう
しおりを挟む「~ある日~花咲く」
「がおーっ」
熊ってがおーっだったっけ、まぁいいかぁ。
柚那ちゃんと一緒に歌いながら、初等部へ行く。
「………がおーがいて~~あっそろせろ初等部だね、お姉さんとお兄さんがいるよ」
「けーちーりーち」
タッタタッと車から柚那ちゃんが出ていく、そんな柚那ちゃんに真緋琉が慌てて出ていく。
僕は車の中でじーっとしている。
バレたら不味いしなぁ。
「うわっ、莉那ちゃんーっ」
バーッと莉那ちゃんが駆け寄って来て僕に飛び込んでくる。
賢那ちゃんもうずうずしている様子が分かる、何かしたっけなぁ。
「莉音ちゃんーっ莉音ちゃんーっ」
「………ど、どうしたのっ」
莉那ちゃんがぎゅっぎゅっと抱き付いてきて離してくれない。
「………莉那ちゃんも賢那ちゃんも柚那ちゃんもどうしたの」
「「「…………」」」
「淋しかった……んじゃねーっ」
真緋琉が呟く、莉那ちゃんも賢那ちゃんも頷く。
「ごめんね、淋しかったんだね」
「うんーっ、けんた兄さまやゆうた兄さまはいつもいないから、淋しいのがまんするのっ……でもりおちゃんは、りおちゃんは遊んでくれるからっ」
「……りおにーっ一週間遊んで」
にっこりと賢那ちゃんがいる、どうしょうか……賢那ちゃんの約束は微妙に叶えられないかもしれないんだよね。
佑美と丞と遊びに行く三日間で4日しか家には居ないだろうし。
夏休みが終わる前に、原稿を上げなければならない、上にピアノをやらなければならないし。
「………出来る限り遊ぼうね」
「三日間護衛なし………だと、分かってるのか」
「大丈夫だよ、丞と佑美の二人の護衛は着いてくるみたいだし」
「………遠目から護衛をする」
諦めた様に真緋琉がため息をつく、僕はカキカキと翻訳の仕事を進める。
「……でお前にしては時間かかってるなぁ」
「……そう……小説一本書くよりは時間掛かっていないよ、ただ今回は色々きんちょうする」
動揺して緊張がきんちょうになってしまったが、まぁいいよね。
「緊張……お前が」
「あー、真緋琉に言われたくない、緊張とは無縁でしょう」
「まぁなぁ、俺にできない事は無いからなぁ」
フフフフフッと腰に手を当てて威張る。
「……それから分かっていると思うが収録は明日だぞ」
「大丈夫、今日か明日には返事をする事に成っているから」
可愛い
「電話だ」
ゴソリッと携帯を探して、廊下に出ていく。
「もしもし……あっ、真緋琉……えっ……」
教室のドアを開けて鞄を急いで取る。
まさか、迎えが来ているなんて、思わなかった。
「…………どうしたの」
「ごめんーっ……ちょっと塾いかないと」
「はぁーっ、これから天下の休みなのに」
バタドタッと廊下を走り、急いで裏門に向かう。
そこには、抑え気味だがベンツが鎮座している。
「ーっっ真緋琉ーっ、あれほど……」
「りーちーん」
ダッと柚那ちゃんが抱きついてくる、なにか会ったのだろうか。
「どうかしたの、柚那ちゃん」
「どーもしてないぜ、ただ寂しくなったらしい」
柚那ちゃんを抱き上げて、トントントンッと背中を叩く、そして落ち着かせるようにしながら車に乗り込む。
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