僕の義理兄弟

試着

「丞は淡い色が似合うから、コレとか」
「どうかなぁ」
「うんっ、格好いいよ」

丞を試着室に押し込み、三日分の服を探す。
予備の服も身立てる。

「んーっ、んんっ」

丞がコレを着たら楽しそうだ。
丞の誕生日は知らないがきっと似合うだろう、ついでに佑美のも買う。

「すみません、これお願いします、内緒で」
「プレゼントですね、二着で１０万５千円になります」
「はい」

鞄からガサリッと漁り財布を出す。
今月の給料からいくらか持ってきていてよかった、まだ余裕がある。
自分用の通帳も一応あるし、賢輔さんからブラックカードを貰っているが使っていない。

「ありがとうございます………」

鞄にプレゼントを押し込む、近場にあった良さそうな服を選んで丞が入っている試着室に声をかける。



「丞いい感じだなぁ」
「これ、買うので値札を全部取ってください」
「はい、承ります……少々お時間を下さい、その間に休憩でもしていてください」

ソファーに腰を下ろし、出された飲み物と軽いクッキーを食べる。

「……うん、おいしい」
「サービスはどこも同じだなぁ」
「そう……レモネード紅茶は余りなくない」

コクリと頷く、確かにないよね。
美味しいからいいんだけど。



「ありがとう」
「ありがとうございました、又のお越しをお待ちしております」

カチャと運転手の人が開けてくれる、キンキンに冷えた車は気持ちがいい、後少しで夏休みが終わる８月の終わりなのにまだまだ暑い。

「で、飲み物何が一番好き」
「俺は、カシスオレンジリキュールとチョコバナナミルク」

佑美はお酒の事をいうが、未成年は飲んではいけません、いい子は飲んではいけません。

「……僕は、タピオカミルクティーかタピオカココナッッティー、莉音は」
「レモン水……水に飽きたら最高だよ、レモンがあれば、秋刀魚や唐揚げに大根おろしにケーキにも色々と入れられるからね」

ふふふと笑うと、苦笑いが返ってくる。

「貧乏症だなぁ」
「なっ、失礼な倹約家といってよ……あっでも結構レモンって高いよ」
「一個いくらくらい」

佑美が言うがんんっと首を捻る。
最近はスーパーに行かないからなぁ、最近はメイドさんか料理人さん達がやっていしなぁ。