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コソコソ
しおりを挟む顔を見合わせて、注文する。
冒険は時には必要だよね、何事もチャレンジだ。
「おじさん、タピオカモンブランサツマイモケーキ一つ下さい」
「おじさん、タピオカ爽やかレモンチーズケーキ1つ下さい」
丞はちょっと挑戦したよね、モンブランサツマイモって季節は10月とかだよね。
僕はレモンとチーズが合うのか分からない、それに二人ともケーキの飲み物……。
「ねっ、佑美のはどうする」
「そんなの、決まってるよ」
二人同時に指差す。
クスッと笑ってしまう、二人共に同じのを選んだから。
あっ、そういえばー、護衛さん達は毒味したんだよね。
「この店で一番不味いのはなんですか」
近くにいた護衛さんにお店の人には聞かせられないから耳元でコソコソと話す。
敬語の人がこっそりと教えてくれる。
「その……それを名嘉山様に渡すのは……ちょっと」
顔色が悪い、ってものじゃない物凄くお腹を擦り真っ青というより真っ白に成っている。
「うわっ、やめない」
「……そうして、頂けると有りがたいです、そんなゲタモノ名嘉山家のご子息の佑美様ではお腹を下すだけでは御座いません、卒倒致しますーっ」
内緒話で話していたのに、丞が護衛の言葉を遮る。
「大丈夫だよ、そこまでのモノ売ってないでしょう」
「まぁ、確かに……人害が出る食べ物はないよね……飲み物か」
んーっと考えだし、それから眼を合わせて。
「飲んでみる」
「うん」
コクリッと一口飲む、飲むと二人して悶える。
うげっ、甘い甘いーっ、甘いんだけど最初の一口が甘くって美味しいが、その後に続く味が……なんとも言えない。
甘さの続ぎにほろ苦さと酸味そしてチーズのまろやかなコクにレモンが後味をスッキリさせ………ないよぉぉぉ。
「…ウゲッ」
「うっ」
二人共に真っ青になり、口元を押さえる。
慌てて護衛の一人が紙袋を二つ差し出してくれる。
「なんだよ……二人して何コレうまそー」
丞の手から極不味い飲み物を、かき混ぜてドロドロでヘドロみたいな色に成っているソレをゴクゴク喉を鳴らし飲み干す、佑美に。
丞の護衛が真っ青になり気絶しそうだ、佑美を追い掛けてきた、佑美を向かえに行った 護衛達が真っ青になってオロオロしている。
「だ、大丈夫……なの佑美」
「うわっ、吐く吐くのっ」
丞くん……ちょっと店からは少しだけ離れているけれど発言がヤバイです。
それに、佑美はケロッとしていて……護衛達は信じられない様な顔をして固まっている。
「うーん、何がメッチャクチャ美味しいぜ」
「「佑美って味覚音痴」」
ズザーッと佑美から離れてコソコソと話し出す。
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