僕の義理兄弟

丞のお目付け役達

「丞様ーっ」
「坊っちゃんーっ」
「坊っちゃまーっ」

バタバタと丞を囲むように和服姿の人々がぞろぞろと現れる。
丞はそんな様子に苦笑いを浮かべながら、僕の肩を掴み。

「只今、所で莉音の家に迷惑を掛けていないよね」

丞の言葉におろおろとする人々に丞は深いため息をし。

「莉音悪いけど、家の中に入れさせて」
「あー」

人々が集まっている場所は一応道路にあたる高い塀のお陰でこの場所からでは屋敷を囲うようにある木々も見えないし、大きな噴水と池に滝なんて確認出来ないくらいには高い塀なのだから、仕方ないだろう。
多分ここに居る人々は家の中に入れなかった人達なのだろう僕はインターホンを鳴らす、インターホンからは慣れ親しんだ声ではなく聞き覚えがない人だ。

「すみません、莉音です丞も一緒にいます開けてください」

ざわざわと騒がしい声と怒鳴り声が遠くで聞こえる。
僕達が自力で戻って来たことが信じられないのだろう。

「莉音様ーっご無事ですか」