運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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野菜栽培

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「うわっ、すごいすごいですーっ本当に太陽の下にしても赤くならないしタダレないし、息が苦しくないっ」

ポロポロッと涙を流すしてしまう。
僕が普通の身体だったら、普通に外に出れたら、太陽の下を歩けたら、普通に元気に太陽の下を走り回れたら。
普通の身体だったら、僕を一みたく愛してくれた。
一みたいな身体だったら、僕は。僕は。

「僕が普通なら」
「奏太が普通なら、あの時間に私達は出会わなかった、奏太には悪いが私は奏太が病気で良かったと思う」
「クリス様、そうですね、クリス様達に会えましたから、僕は嬉しいです」

僕が太陽アレルギーだったから、あんな深夜に出歩けていた、あの日にあの時間帯に閉め出されたからクリス様に出会えた。
クリス様に出会えて、しっかりしたリルク君に可愛いリアム君とルナくんにライムさんやソルさんにも巡り会えたんだ。
この広い世界で、出会えた事は奇跡なんだ。

「クスッ、そうですねクリス様の白虎姿なんて架空の生物を撫でたり撫でたり撫でたり、撫で回せるんですから最高にお得ですね」
「奏太様、少々違うかと」
「私もそう思いますよ、奏太様クリス様の番な上に愛し子ってこの世界の支配者で唯一無二の
存在ですし、何より世界一の金持ちですよ」

そう、吸血鬼はこの世の管理者でもあり、吸血鬼と言う事を隠して表の世界ではかなり手広く企業している。

「世界一の金持ち」

首を傾ける僕に、ソルさんとリルク君が呆れる様な顔をしクリス様を見る。

「知らせていないのですか」
「あー必要無いかなぁと」

リルク君が冷たい冷気を周囲に振り撒く。
太陽がさんさんと降り注ぐガーデンに似合わない震える程の寒さに、ブルッと身体を震わせる。

「ーっ、まだ早いかと」
「はぁーっ、クリス様は毎回毎回口が足りないですね」

リルク君がぷりぷりと怒るが、僕が怒られていないので、クリス様から僕は離れる様にくー様に僻み付く。

「いこ」
「うん」

くー様の背中に乗っていたルナくんとリアム君と一瞬でクリス様達が見えなくなる。

「へっ、あれ」
「てんいまほうです」

リアム君の言葉に僕は辺りを見渡す、確かにローズガーデンだと分かる、薔薇の香りが凄い室内より香りが強い気がする。

「香りが凄い」
「とうきょドーム10コ分です、しつ内は人口がドーム5コ、自然が5コです」

リアム君の頭を撫でる、そういえばリアム君はトマト派だったとリルク君が言ってたなぁ。

「野菜栽培ってあるの」
「ありますよ、トマトがたくさんあります、おいしいです」

ふわふわと風が僕達を運ぶリアム君がストーンッと降り立つ。

「奏太しゃまここもローズガーデンと同じシステムで通年栽培しているんですよ」
「うわっ、凄いーっ」
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