運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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シン、クオン

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「あの時の本は今もあるのか」
「あの時」

クオンの問いかけにクリスは首を傾ける。

「あぁ、日本に初めて行った時のだ」
「ーっ、勿論保存してあるに決まっている、恐ろしい事を思い出させるな」

ぶるりっと身体を抱き締める、クリスにクオンは苦笑いを浮かべる。

「シンさんに何をされたのか未だに教えてくれないな」
「シンだと、その名前を出すな、あのーっ」

噂をすれば影とは良くいうが、気配を感じるクリスは咄嗟に自室に移転する。

「失礼します、おや、坊ちゃまは」
「シンさん今クリスは手が放せないので、要件を私が聞きます」

トントンとドアをノックして中に入って来るシンにクオンは苦笑いを浮かべながら、礼を取る。

「はぁ逃げましたね」
「アハハ分かっているなら、本邸に居てくださいよ」
「嫌ですよ、前王はからかっても面白く有りませんしね」

シンの相変わらずな言葉に頭を押さえるクオン。

「始祖様はお元気ですか」
「クスクス、アレに何かある筈がないだろう」

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