運命の番はイケメン美形様です

夜ト

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日本

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「ここかなぁ」
「あーはい多分」

クオンは地図を広げてバツ印を付ける、精霊に気配を探して貰った結果この店には居ないみたいだ。
次の店は隣だが、先ほどより小さな店な為に歩いて探す。

「普通に買えばいいだろう、わざわざ日本に来なくっても」
「本の街として有名ですからね、ここは」

街全体が本屋で賑わっている、クオンは少し目を輝かせるが、根っからの軍人の三人は眉を寄せている。

「俺も拷問とか尋問とかの専用書籍があれば是非欲しいものです」

シンの言葉にソルとシイカは真っ青に顔色を変える。
吸血鬼は基本的に死なない為に拷問もえげつない、痛いものは痛いが、死なないのだから徹底的に殺る(ヤル)のだ。

「シンさんまさか、クリスに殺る(ヤル)気じゃないですよね」
「クスクスツ、殺りますよ王の許可は取りました規律は規律ですからね、それも王族が守らないなんてあり得ませんよ」

シンの言葉にぶるりっと背中が震える、軍人の中でもシンは暗部隊長でもあるのだ。

「引っ捕らえたら拷問部屋に一週間の許可を承りましたクスクス楽しみですね」
「ーっおっ、お手柔らかにしてくださいね、シンさん」

クオンは引きつりながらシンに懇願するが、王の許可は降りているのだから無意味だろう。

「クリス見つからない方がいいか」

ボソッとクオンは言う、ソルもこっそりと呟く。

「遅くなれば成る程危険だろうが」
「逃げ回ると追い掛けたくなるって言うのがドSだろう」

ソルとクオンの前を歩いていたシンが急に立ち止まり振り向く。

「クスクスツ二人共何かおっしゃいましたか」

ふるふるとクオンとソルは慌てて首を振るう。

「そうですか、残念です」
「「何がですか」」

ソルとクオンの二人の声が重なるが、もう先を歩いているシンには聞こえていない事にほっと胸を撫で下ろす。

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