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愛しい子

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「あーあーうっ」
「あらら、お外が気になりますか」

乳母が抱き上げて外を見せる、窓には防御魔法が張ってあるために少しなら安心なのです。

「うわっあーあーあははう」

僕はレオンです。
不本意んながら飽きました、赤子たからベットの中ですよ。
元日本人……転生者としては大体この世界の事は理解できましたよ。
僕は知の国訳して知国の双子の王子として産まれたが、知国では禁忌の忌み子だったから始末された。
だが知国のみらしいんだよね、今だに古めかしい仕来たりを重んじているのは。
その証拠にこの大国である流星国では赤子から子供まで大切に育てられるし、子供の内は精霊や精獣に好かれやすいため早めに仲良くなる可能性があるのだ。
って事で、今始めての中庭ですよ。

「あうっ、きぁっキャキャ」

そう僕は物凄く動物が好きだ、もふもふ大好きだ。
もふもふに囲まれたいと、常々思っていた事を早々に後悔……ちょっと困っています。

「あらっまぁ、精獣様がこんなに」
「愛し子様は本当に凄いんですね」

護衛が乳母と微笑ましそうにしながらも、驚きの表情をしながらもレオンを見守る。

「……うえっうーっひっくひっく」
「あっ、大丈夫ですか」

精獣に埋もれていたレオンを抱き上げる、が精獣がペロペロとレオンの顔を舐めまくる。

「うきゃっ」

にへらにへらし始めるレオンにぽわっぽわっとぼんやりとした光が沢山集まってくる。

「うっ」

次第に大人達は真っ青に成ってきた、精霊や精獣は滅多に契約者以外には姿を見せないものなのに、レオンの周りに居るのは心地いいのか集まる集まる。

「これは……凄いですね」
「ええっ、結界を張っていて良かったわ坊ちゃまの誕生からこれだけの歳月の意味が分かりますわ」

通常、運命の番は10年前後の年齢の差で産まれてくるのだが。
殿下は……100年以上経っても現れることはなく、殿下は次第に運命の番を諦めるように成ってきた。
そして、忘れてきた頃、レオンという赤子を連れてきたのだその腕で大切そうに慈しみように。

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