取り替えっ子

夜ト

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宰相

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10年前

「ーっユーグレイ殿下どうーっっ」

ぶわっと威嚇される王子に龍人兵士は真っ青な顔し膝を付く。

「この子は」
「ハッ」
「孤児という事か……私の運命の番」

ぎゅっと指を握る赤子を優しく抱き締める。
何百年運命の番を待ったか分からない。
こんなにも愛おしいとは思わなかった。

「キャキャ~れーちれーち」
「れーち……というのか」
「殿下彼女の名前だと」

亡骸を指差す、侍女の名前を呼ぶという事は侍女を雇える家柄という事だ。
一年間探したが行方不明の届けは出ていない、何かしらの事情で出せない状態なのではという意見から、精霊を使い調べたが結果は残念な形になり。
王族の次期王に一番近い皇太子殿下の彼の運命の番だとしても身分が必要になる為、宰相が父となる手続きをした。
そして、更に月日は流れ。

「ユーチェ」
「殿下……うはっ」

宰相である父と共に毎日城に出勤しているが、いまだになれない。

「ゴホンッ我が子に親の目の前で何を始める気だ」
「ゲッ居たのか」
「私は最初から居ましたとも、ユーチェ今日は剣術と帝王学の勉強が予定していますよね、急ぎなさい」
「あっ、いけない父様行ってきます」

パタパタッと廊下を走り出す、そして宰相の父はユーチェに怒鳴る。

「廊下を走るなーっ」
「ひゃっ、ごめんなさい」

頭を下げるがまた走り出すユーチェにユーグレイは宰相を睨み付ける。

「私との時間が恨むぞ宰相」
「影を三人も付けていますね、一人多くなりましたが何かありましたか」
「今の可愛らしい姿を余すことなく撮すために一人増やしたのだ」

宰相は溜め息を付く。
んっ、何やら騒がしいですね。

「宰相様ーっ殿下ーっまずいですっ」

パタパタぱたと慌てる兵士と真っ青な顔をした王妃に憤慨している王に首を傾ける。

「なにかありましたか」
「母上どうかしましたか」
「ーっ二人とも何を呑気なーっハッユーチェはどこです」

攻め立てる王妃にユーグレイは苛立ちを宰相に向けながらも王妃にいう。

「どうしたのですか、ユーチェなら剣の稽古に行っていますよ」
「あぁーっ、なんて事なの直ぐに此処に厳重に連れてきなさい」

ユーチェは訳が分からないまま王間に付き頭を下げるが王妃に抱き締められる。

「あぁーっ良かったユーチェ、ユーチェまだ幼い貴女には悪いけれど今すぐに婚姻しなさい」
「えっ」
「いいわね、貴方」
「あぁ、勿論だ」

魔法で婚姻の書に名を書く、良く分からないが結婚は嬉しい事だ。

「お待ちください、ユーチェに告白してから」
「お待ちください、まだ幾らなんでも早すぎ」

殿下と宰相はお互いに言い分は違えど止める。

「ユーチェも13になる、まだまだ子供だけれど誘拐され死にかけた時に龍心を入れたのだからもういつ結婚しても同じだろう」

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