人外食堂

夜ト

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人間界のパン定食屋さんオープン

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「いらっしゃいませ、クロワッサンが焼きたてですよ」

ガチャンとドアを開けると、リンリンと涼しげな鈴の音色が室内に響くのと同時にぶわりっと焼きたての甘く香ばしい香りが鼻腔に届き、身体中から食欲旺盛に包まれる気がする。
同じ事を思ったのか、パン屋さんの香りは開けた扉から歩いて来た人の足を止めて次々と入店してくる。

「こんな場所にパン屋さんなんて、あったかしら」
「本日開店なんですよ、通常の価格より全商品安く成っていますからね、後10個お買い上げ成った方には次回500円の割引券が付いていますからお得です」

困った様にお年寄りは顎に手を添える。

「年寄りには10個はちょっと」
「一口サイズ30円からでも割りは引き対象商品ですし、普通サイズをお買い上げに成られても冷凍商品に交換させていただきますよ、今回限りにつきましては」

お年寄りはまだ悩んでいる様子だ。
今日開店出来たのは、勿論父神様の能力のお陰だ、働くスタッフは皆僕の眷属であり、僕の眷属だから治癒能力が優れている。
僕の本来のパン定食屋さんで働いていたスタッフでもある為に成れているからすんなりいつもと同じパンが作れている。

流石にパン以外のレパートリーは準備が足りなかった為にやらないが、一階部分はパンなど販売している。
二階と三階は食事を取れる様に成っている。
パンを自分で選び、食事をするなら定食にする、持ち帰りならパン以外も一応メニューを見て貰い販売している。
今は夕食の代わりに食べてくれる人でそれなりに席が埋まっている。

「でも、小さいなら良いわね」
「此方が30円のコーナーに成ります、隣から50円、70円、90円、100円になります」

30円のコーナーは何も入って居ない丸パン、プレーン味、チョコ味、バニラ味がある。
50円のコーナーは果物のフレーバーがかかっている丸パンで、バニラ味、チョコ味、抹茶味がある。
70円のコーナーは野菜が上に乗っている。
90円のコーナーは総菜パンで色々な種類がある。

そして、100円のコーナーは焦げてしまったり、形が歪な廃棄処分する分を見切り品として提供している。
30円から90円の小さなコーナーも生地の量から要らなく成った生地を小さく丸めて焼き上げたモノが始まりだが店内の全ての味を一口サイズにして味見が出来ると好評の為に作った場合だ。

「あらあら、可愛らしいわ」
「小さいだけで、味も美味しいですよ」

何が出るかなボックスもあり、1箱300円と500円、700円、900円、千円、各の10個入りのモノと。
10個入っていて値段別の各3個入った1020円のモノが販売されている。
個人なら300円のモノを買う人が多くいるが、各種類3個ずつ入った方が断然人気がある。

「この1020円の方にするわ」
「お買い上げありがとうございました」
「あっ、お紅茶と野菜もあるのね」
「はい、パン定食ですから」

少し驚いた顔をしながらも紅茶と野菜スープに
ジャムも購入してくれた。

「ありがとうございました」
「クスクス此方こそ親切にありがとう」

一人一人不快な思いを感じない様に最新の注意を持って接するのがパン定食屋の義務だ。
だから、混まない様にレジにはセルフがある、セルフと言ってもカゴを専用の窪みに置けばレジが自動で会計をしてくれるシステムだ。
一個一個袋入り販売間から衛生的だし、バーコード付の袋に入っている為にレジも普通のパン屋さんよりは早い。

定食を食べる人は定食専用のレジに成らんで貰うが、今のところ順調だ。
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