人外食堂

夜ト

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鬼門

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「うんーっ」
「あらあら、どうしたのですかみずなちゃん」

リビングのテーブルで唸っていると、なずなくんのお母さんが顔色を覗き込んでくる。
おでことオデコがくっ付けお互いの熱が感じられる。

「・・インターネットで全国展開する事を視野にいれているんだけれど、よく分からなくって」
「あらあら、パパに任せちゃいなさい後で色々な事を学びなさいパパから、知識はあるだけ搾り取りなさい、あればあるだけ自分自身の力になるわ」

なずなくんの母の言葉はかなり衝撃だ、こんなに発展しているなら、七光りに成ってしまったり欲や傲慢な事はあれど貪欲にまだ高みを目指すなど、良く出来た人間だ。

こんな母親がいるから、なずなくんの人格もスレなく自然体でいるのかもしれない。

「ふふふっ、なずなちゃんも私に似て頭が良いから悪ぶって居るけれど、みずなちゃんはパン屋さん一択よね・・医学部を中々志望しないのは長男が継げばいいと思っているからよね」

なずなくんのお母さんの話しは僕は関係ない、なずなくんが病院を職場に選べばなずなくんは数日で死亡するだろう、本人もわかっているから本能的に病院を避けるのだが。
なずなくんの他に子供は居ない、なずなくんはプレッシャーだったろう。

「なずなくんと将来の話しはしないけれど、お母さんまだ若いんだから、弟欲しいなぁ」
「あらあら、まぁまぁ」

なずなくんのお母さんは頬を軽く桃色に染めて笑う。
そんな姿はまるで、少女の様に可愛らしく、高校生の子供が居るようには見えない。
なずなくんの体質は治らない、防衛は出来るだろうが、人間には毎日長時間ずっと結界を維持は出来る筈もなくやがて力尽き身体は弱り、死は免れなくなる。
それは、避けたい。
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