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王族専用医師
しおりを挟む「『我ルーディーアとの死が互いを放さない限り護と誓う』」
「うー」
訳がわからないうちにパーッと魔方陣が消える。
ドクンッと体が熱くなり、真っ黒な巨大な力を感じる。
一気に体が熱くなり重くなり、気を失ってしまう。
「『しまったーっ、我が主人にはまだ早かったか………早く目を覚まし我に名前を与えてくれ』」
スーッと結界が解けて姿を主人以外には分からない様に隠れる。
「ルーディーア………最近はハイハイを覚えたから、何処でも行っちゃうわ…ルーディーア……ルーディーアーっルーディーアーっっ誰かーっ誰か来てーっ」
「ーっどうかなさいましたか」
悲鳴に誓い声にドタドタバタバタと兵士達が部屋の中に踏み込んでくる。
「……どっ、どうなさりました」
「分からないわっ」
「おい、早く医者を」
「はいっ」
ドタドターッとバタバタと騒がしくなる廊下。
兵士の一人がルーディーアを抱き上げて部屋のベットに寝かさせる。
「兎に角、王妃様は別室でお待ちください」
「王妃様行きましょう」
サディーがフルフルと体を震わせながら、メイと護衛の一人と共に部屋を出るのを確認し。
『おいっ、毒はないぞ』
「そうか…………警戒をしてくれ」
『了解』
兵士が使い魔を出し部屋を汲まなく探す。
そんな時パタリと足音が、扉の前で途絶える。
「医師を連れてきました」
「入れ」
老人と40代の男性が二人で部屋の中に入ってくる。
「はぁはぁはぁはぁーっ、年寄りは労るもんじゃよ……………はぁはぁーっでどうしたものや」
「先生、ルーディーア様の様子が」
城の専用医者が息を乱しながら、護衛を見据えベットにしゃがむ。
「ルーディーア坊………ん…ふむっ」
40代の男性がカチャリと医療具を床に置きいつでも老人の指示が聞けるように、耳を澄ませる。
「王の執務は何時までじゃ」
「はぁ……本日は22時かと」
「間に休憩は、至急じゃ連絡を取ってくれ」
兵士はぶつぶつと唱える。
「一時間後なら可能かと」
「む……今は何をしとる」
「……はい、はーっ……会議中との事です、教育関係の」
老人は吐息を付き、ルーディーアにスーッと氷をオデコに当てる。
「ルーディーア坊は熱だ、安静にしていれば良いだろう……王に会議を少しだけ中断させろ」
「………無茶苦茶ですね、相変わらず…一応聞いてみますが、難しいと思われます」
青い顔をしたルーディーアに氷が溶けない魔方をかける40代の男性。
「一日三食此を飲ませるのじゃ、一時間分じゃ」
「はい」
老人は先程とは違い、ゆっくりと歩き出す、その後を兵士が追おう。
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