正体隠して俳優に

夜ト

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プロデューサー

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「……おはようございます、宜しくお願い致します」
「おはようございます……芸名と役名と所属先を言いなさい」

島さん、に言われて慌てて言い直す。
言い直しと言っても、自己紹介を足すだけなんだけどね。

「溝呂木湊徒です、草薙蘭役をやらせて頂きます、シークレットーに所属しています、宜しくお願い致します」

風間さんが、にっこりと笑いながらパチパチッと手を叩く。
すると、周りのスタッフも手を叩いてくれる。

僕は今、金髪と青瞳だが茶色に色を変えている
、学生服はかなり雰陰気が違うので、新鮮な気持ちで着ている。

「……宜しくね、湊徒くん」
「こちらこそ宜しくお願い致します、不手際もあるかと思いますが精一杯、全身全霊で蘭くんをやらせて貰いますから」

クスックスッ笑う風間さんに近場にいた現場監督さんにカメラマンさん。

「最近は子供らしさがない、子役が多いが、君はなんだか洗練されているね」
「そんな事ないです、一応生徒会役員ですから、それらしいだけです」

僕の発言に驚いたのか風間さんが驚愕の顔をしている、風間さんとはあの撮影以外にも雑誌の撮影などやインタビューや番宣でご一緒させてもらっていたんだよね。

「嘘っ、あの学園って結構有名な進学校だよね」
「偏差値70からの入学だったかと思いますよ、80が当たり前の学園なので」

このドラマのプロデューサーががっくりとしていれのは何故だろうか。

「どうかしましたか、寺脇さん」
「娘が今度その……学園に受験するんだが、65なんだよ……間に合うかなぁ……良かったら家庭教師してくれないか」

ぶっぶっぶっと独り言を言っている、寺脇さんが閃いたとばかりに、僕に詰め寄る。

「………えっ、12歳とかですよね」
「…そうだね、12だ」

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