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婚約破棄

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「義理妹いもうとと浮気して子供が出来たから婚約破棄にこの家を出ていけと」

私は確認のために、父にもう一度聞き直すが。

「そうだ、お前は前々から生意気で可愛いげがない、本当に俺の子供なのか疑わしいしこの家はエリーとエリーの新しい婚約者が継ぐから問題ない、さっさと出て行け」

結果は変わらなかった。
私がこの家を出るという事を本当に理解しているのかしら。

「分かりました、ですが一ついいですか」
「なんだ、金なら渡さないぞ」

ため息を吐きたいがぐっと我慢して、懐から1枚の紙を取り出す。

「私と貴方達とは絶縁をするために、これにサインして下さい、私のサインはここにしてありますから」
「んっ……なんだ、用意がいいなぁ褒めてやる」

カキカキッと書き終わり、紙がスーッと消える。
狼狽える元父は本当に滑稽だ。

「なっ、なっなんで勝手に消えた」
「…契約証明や大切な書類は国の機関が保存し機密は絶対に守られ、一部の人しか確認は出来ません、コレは本日をもって私はメッサジェッロディーオ家の者ではありませんわ、そして私がこの家から絶縁するという事は本日をもって公爵家はお取り潰しになりましたわ」

元父は意味が分からないのか、真っ赤な顔をして怒っているけれど。
元父はコレから大変ですわよ。

「何を馬鹿な事を言っているんだ、公爵家当主の私が居るのだからお取り潰しになどなるものか」

あららっ、やっぱり忘れているのね。
私への態度が糞なハズよね。
貴方は婿養子、つまりは正式な公爵家当主は前当主の娘である私なのよ、私が未成年だから今は国王や王佐に宰相が書類などの行政をチエックしてくれている。
本来は身内がやることなんだけれど、私の家庭はちょっと特殊だから。
祖父母は外国にいるし、母の妹は隣国に嫁ぎ王妃だしね。
母は元父が好きでこの国の男爵の四男だった元父と結婚したけれど、母の両親も公爵家の事はお飾りというか、ただこの国に縛り付けられているか面倒くさっているんだよね。
時々、母や母の妹の様な人が出るから家を購入しただけなのにね。

「まぁ、私にはもう関係ないので」

この国はいい人が多いから気に入っていたけれど、おば様の国に預ければいいよね。
「あらっどうしましたか」
「うふふっお久しぶり、もう今日からこっちで暮らすわ」

吃驚した顔をしながらも嬉しそうに微笑む。

「まあまあ、天白様も煌雅様に天雅様達も喜びますわ」

天白は祖母の名前で煌雅は祖父の名前そしてこの国の王であり母の弟の天雅おじさん。

「きゃーっ、本当だわ聖獣や神獣達が先日からソワソワしているし精霊達もざわざわしていると思ったら」
「お久しぶりです、お祖母様」
「きゃーっ久しぶりに可愛い孫に会えたわ」

ぎゅっと抱き付いてくる祖母、会ったのは母が亡くなる前。
ここに居る人は人ではなく神の力を持っている正真正銘神様なんだ、だけど創立神が人間と番った事で時々神力が弱すぎて人間界でないと生きられない神が出てきてしまった、創立神はその者を神の使い、愛し子として安心できる国に預けたのが始まり。
母とおば様は神の能力が弱かったから人間界に、私は人間界で産まれたが神の能力が使えたしかなり強い力を持っていたが創立神にお願いして封印をして貰っていた、母と離れたくないから。

神の能力が弱かった神は人間界で育てるが、子供と離れたくない神が多く出たために能力を一時的に封印する事は結構多い、それに世界の管轄をしていると降りてチエックする事もあるしね。
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