婚約破棄に義理の妹が元婚約者の子供を身籠ったから私に出ていけって父は言うが立場分かっていますか、まぁいいかぁ。この国に未練なんて無いし。

神界

今日からお世話になります」
「ええっ、もういいのね」
「…母様は来ましたか」

祖母は顔を振るう、天国（天界）と地獄は神の部下で国だが、神が彼方側には行けるが彼方側からは神のいる神界には渡れない。

「母様は天界に」
「ええっ、父神様なら分かるかも知れないけれど、あの子神界で産まれた子というだけで本当に神界に馴染めなかったし、肉体が在ったから」

神の子なら肉体はなく魂として産まれる、創立神が人間界でも生活出来るように創った物に入れば人間として生活出来る。
神の子でも肉体として産まれた者は神力がなく人間界に行く。

「……それに、今度こそは私達の娘神として生まれてくる可能性があるわ」

ゆっくりとお腹を撫でる祖母に私は驚愕な顔をしていたのか、周りの精霊達がうるさい。
精霊や妖精は本来なら精霊の国や妖精の国に居るのだが、ここで産まれた子は違う神の眷属なのだ。
つまり、神が産み出した化身と言ってもいい、神様だって火ノ神や水ノ神が居るように、火之神が創った妖精や精霊は火の属性を使える。
神獣は神が産み出した動物だから、当然神界にいる。
神の代わりに神力を持たない我子を助けるために産まれたのが始まりなんだけど、今では神獣達は１神に付き５匹はいるんだよね。

そして、勿論モフモフ好きな私は３０匹はいる。 まぁ、今一緒に居るのは５匹なんだけどね、流石に私の力で産み出した動物だけあり自由なんだよね。

「大祖父神様にご挨拶に行きますわね」
「あらあら、父神様も喜ぶわ……貴方は最高神の力を授かった唯一の神だもの」

そうなんです、私……創立神様の最高傑作なんです。
祖父と祖母も創立神が産み出した子で、兄妹なんですが神に血縁なんて関係ありませんから、結婚したら母が出来き、おば様も授かりましたがどちらも手元に置いて育てることが出来ませんでした、だから泣き叫び。
子を思った祖父母の気持ちに答え、創立神は力を与えましたが、手違いで母の方に入ったんですの。
子が頑丈に神の力を授かり最高の神になれるようにと。
まぁ、その結果……私という神の力を授かった唯一の力を神の血を引くだけの人間に与えたら肉体がズレるというもの、母は私を宿したせいで早死にした原因でもあるんです……あれっ。

「お祖母様脅しましたか」
「ふふっ、だって父神様の責任でもあるもの、リアもユアは仕方ないわでも、私のお腹に宿る神をリアのお腹に入れたのは私は納得していないんだもの」

あーですよね、神は神でも創立神の力で産み出された神は兄弟、親子なんです、お腹で大切に育てられた神だから。
それ以外の神は私達が力を注いで創った神だから、私達に逆らえないの。
あっ、創立神は違うよ。創立神は元々何もない場所で一人勝手に産まれた者だから。
創立神は全ての神の頂点に立つ者だから、その次が最高位で次が王、そして創立神の血を引く神々になる。
最高位は５人しかいない、創立神が全力で一番始めに創った神ナギと二番目に創った神ルルに三番目に創ったハクに四番目に創ったマヒロ……そして私。

「あっ、本当に帰ってきてるわ」
「マジかよ」
「エレンーっ」

ナギおば様とルルおば様に抱き締められる、ハクおじ様は吃驚していらっしゃるわね。

「きゃーユキったらエレンの事教えてくれてもいいでしょう」
「そうよ、そうよ薄情だわユキったら」
「うっ、お姉様私も今さっき知ったのよ」
「あー天白、お前……ーっお腹に」

ハクおじ様姉の暴走を止めてくださいよ、妹であるお祖母がのお腹に力を感じているからって、あのおば様達は誰も止められないんですから。

「天白ちゃんどうしたの」
「あらっ、マヒロちゃん」

お祖母よりもマヒロおじ様の方が後に産まれた神、この神界にもこの上位の階には創立神の血縁者しか存在出来ない、中位階には私達が創った神々が存在し、低位階には私達が創った神がまた創った神が存在する。
勿論、ここにも中位が来る事もあるが一時間も居られないんだよね。
上位より上の最高位の階に創立神がいる。

「エレンちゃんのママの魂を父神様が煌雅の力を注いで定着させた……」
「あらあら、煌雅が最近真っ青な顔をしていると思ったら」

創立神の力を注いでしまったら最高位になってしまう、そうならない為にお祖父様の力を注いで定着させたのかぁ。
お母様が妹になるのも複雑なのに後輩になるのも余計に複雑ですものね。

「煌雅は天白ちゃんの為なら火の中水の中も平気そうだ」
「あらあら、兄様をそんな風にいってはダメよマヒロちゃん」
「マヒロはいつまでも煌雅に天白取られたと怒っているんだ、もういい加減諦めなさい」