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のちのちザウルス

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“青い森”。
テラの中央、のちのちザウルスが暮らす聖域。木や植物、花やそれに止まる蝶すら青々と輝き、水すらも透明度が高すぎて青く煌めく、何もかもが一面ブルーの空間。体が水色ののちのちザウルスが一度森に入れば、自然と地形がその体躯を森に擬態させていく。700mの体をどこに擬態させるのか、大き過ぎて擬態出来ないのでは?そんな声を嘲笑うかのように、森を形作る木の高さは100mを超えようかと天高くそびえ立ち、木は下から見上げる者からのちのちザウルスの姿を隠す。そして、大地を覆い隠すほどの木が埋め尽くしていても、穏やかな陽の光は何故か地上まで届いている。なんとも不可思議な空間だ。
かの龍種、のちのちザウルスは、普段は青い森の中央で生活している。だが、時折エサを求めてテラの浜辺まで移動する時がある。それはのちのちザウルスの擬態が解ける僅かな瞬間、千載一遇の時。今日はまさにその日であった。そして――。

「あ、あの野郎……!のんきに釣りしてやがる……!!」

絶好の釣り日和だ。波も穏やかで天気も良い。
のちのちザウルスはどこでそんなものを手に入れたのか、体長700mの自身よりもさらに巨大な釣り糸を垂れ、獲物がかかるのをニコニコと背びれを揺らしながら待ちわびていた。しかし、こんな巨大な釣り針に一体何がかかると言うのだろう。
どちらにせよ好機。我々が船で接近しているにもかかわらず、やつはなんの警戒もなく釣りを続けている。確かに、700mサイズから見れば、我々など足元をたくさんのアリが巣に向かって歩いているのと大差ないのだろう。だが、今更気付いてももう遅い。アリにも獰猛な種類がいることを、この強すぎる龍は知らないのだ。

「レンジャー1、配置に着きました」
「レンジャー2、同じく」
「レンジャー3、配置良し」
「よし。各隊、ブラックドラグタイト徹甲弾の準備はいいか?ここまで来たんだ、覚悟を決めて戦え!200mm16連装ミサイルランチャー、構え!」
「「「構え、よし!!」」」

200mm16連装ミサイルランチャー、強大なブラックドラグタイト徹甲弾を16連発×4連射=最大64発撃つことができる、コリアントチャイナ国の歩兵兵器。これを3部隊×10人×64発=約200発の一斉射撃。今なら元勇者パーティ、シオンのバフ付きだ。

「我々の未来のため、やつを……のちのちザウルスを捕獲する!200mm16連装ミサイルランチャー、放てええええええええええ!!!!」

ドドドドドドドドド!!!!!!
轟音と共に、総数200発の炸裂弾がのちのちザウルスに放たれる!魔力強化によってその威力は上がり、ついには厚さ1m以上の鉄板すらも貫通する圧倒的な弾丸の嵐!!!

ドドドドドドドドド!!!!!!
連射連射連射!!繰り返される砲撃の暴風雨!!隙を与えるな!反撃の暇を作り出すな!!今ここで全てをかけて攻撃するんだ!!!

ドドドドドドドドド!!!!!!
爆炎が立ち込める。しかし止むことのない砲撃音。ヤツこそ世界最強の龍、慢心することなかれ。この程度で捕獲できる相手ではない!

ドドドドドドドドド!!!!!!
最後の連射。各隊員が自分たちで更なる魔力強化によるバフを重ねがけする。まだヤツは生きている!油断こそが敵!まだ終わりじゃない!!!

「気を抜くな!!200mmリニアレールキャノン、全弾発射ああああああああ!!!!」
トドメの超電導加速装置によるブラックドラグタイト徹甲弾の超連射!!数十発の着弾音と共に、巻き起こる爆炎!!爆風!!!
――そして、砂煙が晴れていく。



「の   ち」

のちのちザウルスが、こちらを振り向いた。
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