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マナー講師のマナー、ほとんどマイルール説 2
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事の発端はおよそ2週間前に遡る。
テレワークのテスト期間のため、ザザは実家にてカイリキからのNoomを受けていた。
「そんなにやべぇやつなんですか?」
「やべぇやつなんてもんじゃないよ!とにかくネチネチネチネチネチネチネチネチすっごいうるさい人で、自分のルールから逸れた事をしていると全部マナー違反だって騒ぎ出すんだ!!僕も何回刺されたか分かったもんじゃないよ!」
「へえ?とにかく、俺はそいつの暴挙を止めて、二度とギルドの地を踏ませないようにマウント取ればいいんですね?」
「言い方は最悪だけどその通り。うちも、使えないマナー講師に支払うお金はないからね。このタイミングで関係を断ち切りたいんだよ」
と、カイリキは疲弊しきった感じでザザに語った。
今回の概要はこんなあらましである。
この度外部から呼ぶ予定の人間は、中央ギルドの幹部と仲の良い、彼らの息がかかったマナー講師らしい。毎回マナー講習と称して彼女の独壇場を用意するのだが、いかんせん講習には莫大な金銭を請求するとのことだ。
彼女はその辺のマナー講師とは異なり、中央ギルド御用達ということで金額が高い。にもかかわらず、大した内容のマナーは教えてくれないと、講習を受講した人間からは非常に不評であった。しかし、中央ギルド推薦である以上無碍に断ることもできず、渋々高い金を支払い続けているとのことだ。高い金は、そのまま彼女と仲良し幹部のポケットに収まるという構図があるらしく、結局は色んなギルドが中央ギルドへお金を巻き上げられているのが現状である。
さて、ここで登場するのがお金に厳しいザザである。無駄な支出を減らそうと書類を見ていると、明らかに高額な講習が目につくのは当然ともいえた。マナー講習のレベルによってはザザも教える自信があるとカイリキに提案したところ、今回の話が浮上したのである。
――そう、あのマナー講師を引きずり下ろそう、と。
作戦はこうだ。マナーに自信のあるザザがマナー講師をコテンパンにし、講師として不適格であることを全ギルド員の見ている前で示す。結果、すべてのギルドから低評価の烙印を押され、二度と国の機関員に講習をすることは叶わなくなるというわけだ。
「そんなに上手くいくものでしょうか?」
「ザザ君の疑問ももっともだけど、あのマナー講師には他のギルドメンバーも辛酸を舐めさせられてるからね。うちが本気で潰しに行くって言えば、喜んで協力してくれると思うよ」
「一歩間違えれば犯罪なんですが」
「何言ってるんだい!中央ギルドが先に僕たちの資金を巻き上げてるんだよ?これはシステムを隠れ蓑にした横領または不正献金、悪いことだよ。僕たちが何をしようが、悪いことが何もない状態に戻るだけさ」
バチンとウインクをするカイリキ。なるほど、ギルドマスターになるには、やはり一筋縄ではいかないものらしい。こういった見えない部分での駆引きは、まだまだシャバ僧のザザにはできないだろう。
「なるほど、了解です。俺はそういう人間が死ぬほど嫌いですからね、完膚なきまでに叩き潰して差し上げましょう。それに――」
「それに?」
ザザはポリポリと鼻をかいて、少し照れ臭そうに笑った。
「カイリキさんには世話になってますから」
「さあ、ジェンダーフリーの世の中のため、言い方を改めて下さい」
「くっ……」
マナコは焦っていた。ここで迂闊に謝罪をすれば、自分に非があると認めるようなもの。マナー講師であると大々的に名乗っているのに、あろうことかこんな若造に教えを乞うているなど沽券に関わる。なんとかしてやり過ごさなければ。
「そ、そうでしたか。今回は当てられた側が分かりやすいように”男性の方”という風にお話させていただきました。皆さんもそちらの方が分かりやすいでしょう?本当に指名されたのが自分なのか、判断に困る場面もあるかと思います。確かにジェンダー差別に繋がる可能性もございますが、TPOをわきまえて発言すれば問題ないと思います。それでは講義に入りましょう」
マナコは一方的に会話を打ち切り、マナー講習を再開した。ザザは言い方を改めろと再度発言しようかと思ったが、クレーマーになりそうだったので自重する。
講習は長い。まだまだチャンスはこれからだ。
テレワークのテスト期間のため、ザザは実家にてカイリキからのNoomを受けていた。
「そんなにやべぇやつなんですか?」
「やべぇやつなんてもんじゃないよ!とにかくネチネチネチネチネチネチネチネチすっごいうるさい人で、自分のルールから逸れた事をしていると全部マナー違反だって騒ぎ出すんだ!!僕も何回刺されたか分かったもんじゃないよ!」
「へえ?とにかく、俺はそいつの暴挙を止めて、二度とギルドの地を踏ませないようにマウント取ればいいんですね?」
「言い方は最悪だけどその通り。うちも、使えないマナー講師に支払うお金はないからね。このタイミングで関係を断ち切りたいんだよ」
と、カイリキは疲弊しきった感じでザザに語った。
今回の概要はこんなあらましである。
この度外部から呼ぶ予定の人間は、中央ギルドの幹部と仲の良い、彼らの息がかかったマナー講師らしい。毎回マナー講習と称して彼女の独壇場を用意するのだが、いかんせん講習には莫大な金銭を請求するとのことだ。
彼女はその辺のマナー講師とは異なり、中央ギルド御用達ということで金額が高い。にもかかわらず、大した内容のマナーは教えてくれないと、講習を受講した人間からは非常に不評であった。しかし、中央ギルド推薦である以上無碍に断ることもできず、渋々高い金を支払い続けているとのことだ。高い金は、そのまま彼女と仲良し幹部のポケットに収まるという構図があるらしく、結局は色んなギルドが中央ギルドへお金を巻き上げられているのが現状である。
さて、ここで登場するのがお金に厳しいザザである。無駄な支出を減らそうと書類を見ていると、明らかに高額な講習が目につくのは当然ともいえた。マナー講習のレベルによってはザザも教える自信があるとカイリキに提案したところ、今回の話が浮上したのである。
――そう、あのマナー講師を引きずり下ろそう、と。
作戦はこうだ。マナーに自信のあるザザがマナー講師をコテンパンにし、講師として不適格であることを全ギルド員の見ている前で示す。結果、すべてのギルドから低評価の烙印を押され、二度と国の機関員に講習をすることは叶わなくなるというわけだ。
「そんなに上手くいくものでしょうか?」
「ザザ君の疑問ももっともだけど、あのマナー講師には他のギルドメンバーも辛酸を舐めさせられてるからね。うちが本気で潰しに行くって言えば、喜んで協力してくれると思うよ」
「一歩間違えれば犯罪なんですが」
「何言ってるんだい!中央ギルドが先に僕たちの資金を巻き上げてるんだよ?これはシステムを隠れ蓑にした横領または不正献金、悪いことだよ。僕たちが何をしようが、悪いことが何もない状態に戻るだけさ」
バチンとウインクをするカイリキ。なるほど、ギルドマスターになるには、やはり一筋縄ではいかないものらしい。こういった見えない部分での駆引きは、まだまだシャバ僧のザザにはできないだろう。
「なるほど、了解です。俺はそういう人間が死ぬほど嫌いですからね、完膚なきまでに叩き潰して差し上げましょう。それに――」
「それに?」
ザザはポリポリと鼻をかいて、少し照れ臭そうに笑った。
「カイリキさんには世話になってますから」
「さあ、ジェンダーフリーの世の中のため、言い方を改めて下さい」
「くっ……」
マナコは焦っていた。ここで迂闊に謝罪をすれば、自分に非があると認めるようなもの。マナー講師であると大々的に名乗っているのに、あろうことかこんな若造に教えを乞うているなど沽券に関わる。なんとかしてやり過ごさなければ。
「そ、そうでしたか。今回は当てられた側が分かりやすいように”男性の方”という風にお話させていただきました。皆さんもそちらの方が分かりやすいでしょう?本当に指名されたのが自分なのか、判断に困る場面もあるかと思います。確かにジェンダー差別に繋がる可能性もございますが、TPOをわきまえて発言すれば問題ないと思います。それでは講義に入りましょう」
マナコは一方的に会話を打ち切り、マナー講習を再開した。ザザは言い方を改めろと再度発言しようかと思ったが、クレーマーになりそうだったので自重する。
講習は長い。まだまだチャンスはこれからだ。
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