私を虐げて追い出した家族。その生殺与奪の権をどうやら私は握っているようです!

けろり

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第15話

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 走る私の視界の隅にぽうっと小さな明かりがともりました。
 それがふらふらと私の顔の横に並んで飛んでくる。
 えっ、何?

 突然、声が聞こえました。
「どう? 今度は幸せ?」

 驚いて振り向くと、妖精が宙に浮かんでいる。
 二度夢に見た、あの妖精。

 どういうこと?
 どういうこと?

「ねぇ、今度は幸せだった?」
 言葉を失う私に妖精は再度問いかけました。

「し……」
 私の目から涙がこぼれ落ちる。
「幸せなわけないじゃないっ!!!」
 走りながら思わず大声を張り上げてしまいました。

 妖精は私の顔をじっと見つめる。
「そう……。それなら、また……」

「また?」

「もう一度。何度でも、君が……」
 妖精の声が遠くなる。
 目の前が暗くなっていく。
 いったい何が起こっているの。
 ふいに体が浮遊するような感覚を覚えました。




 気がつくと私は路上にいました。
 お金を入れてもらう器を前に置いて、道端に座っている。
 季節は屋敷を追い出された頃に戻っています。

 夢を、見ていた?
 長い長い長い夢を。
 物乞いしながらうとうとして?

 …………。
 この違和感は何?

 おかしい。
 二度の別々の未来の記憶が私の中にはっきりと残っている。
 夢の記憶にしては細部まで鮮明に。

 きっとこの後起こることは……。


 誰かが近づいてくる足音が聞こえてきました。
 私の前で立ち止まる。
「ん? メラニ族か?」

 逃げ出した私をカロンは追ってきました。
 捕まって揉み合う。

「おいっ! 何をしている?」
 オッドの声。
 ああ、オッド……。

 夢の記憶通りに事は進んで、私はオッドの家に住むことになりました。
 もしかしたら私は人生をやり直しているのでしょうか。
 これで三度目の。
 そうだ、前の二つの推移は夢なんかじゃない。
 そう思えてきました。


 平穏な日々が続く。
 私とオッドの心の距離が日に日に縮まっていくことを実感する。
 その速度は前よりも早い。
 だって私はオッドの好みをよく知っているのですから。
 オッドは盗賊団の被害に心を痛めているけれど、私はそれを全力で癒してあげる。

 高利貸しが盗賊団に襲われました。
 やっぱりです。
 そうなるだろうことは分かっていたけど、私は何も言わなかった。
 言うと、私が追い詰められてしまう。
 気の毒だけど仕方がありません。
 オッドはまた防げなかったと落ち込んでいます。
 あなたのせいじゃない……。


 次に狙われるのは私の家。ヒリング家。

 もちろん私は何も言わない。
 ただ無為に日々は過ぎていく。
 その日が近づく。
 私は何も言わない。
 心は静かです。
 だって、こうするしかないのだから。
 もう選択肢はない。


 運命の日がきました。
 朝、オッドはいつものように仕事に出掛けていく。
 いってらっしゃい、と私は送り出す。

 家の中で一人、私は時が過ぎていくのを待つ。
 何も考えない。考えてはダメ。


 ヒリング家が襲われるはずのその夜。
 オッドはいつまで経っても仕事から帰ってきませんでした。

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