私を虐げて追い出した家族。その生殺与奪の権をどうやら私は握っているようです!

けろり

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第14話

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「そういえばどうしてこの女はうちの使用人頭が失踪したことを知っていたのでしょうかな?」
 父は畳みかけます。

「それは、夢で見たそうですが……」
 オッドの言葉に力がない。

「まだそんなことを信じているのですか? この女が盗賊団に使用人頭を拉致させたのですよ。その理由も分かる」

「……どうして拉致させたのでしょう?」

「この女がうちを追い出されたのは、使用人頭を誘惑した上に彼に罪をなすりつけようとしたからなんです。なので逆恨みして盗賊団に復讐を頼んだのでしょう。おそらく使用人頭はもう死んでいる。かわいそうに」

「ひどい! 使用人頭さんはすごくいい人だったのに!」
 ミアが怒りを込めた目で私を睨みつける。


「そんなこと……やってません……」
 私は過呼吸を起こしそうになりながら、かろうじて言葉を絞りだしました。

「黙れ!!」
 父が怒鳴る。
「お前は盗賊団と一緒に縛り首になるべき悪党だ!!」
 言葉が、もう、出ない。

「違う!!」
 叫んだのはオッドです。
「ヒリング家襲撃の具体的な日程を私に伝えたのはメラニーです。この事実をどう説明します? ヒリングさん、あなたの説は根本的に間違っています」

 オッドに詰め寄られても父は平然と肩をすくめました。
「やれやれですな。具体的な日程を知っていた時点で完全に黒なのに」

「し、しかし、それを私に」

「それはですな。計画の途中で心変わりをしたのですよ。この女は仲間の盗賊団さえ裏切ったのです」

「え……?」

「部隊長さん、どうもあなたはメラニーのことをいたく気に入っておいでのようだ。ずっと一緒に住んでいれば情も湧くでしょうしな」

「えっ、いや、それは今……」

「関係あります。メラニーはそれに気づいて、自分にとって一番得な選択は何かを考えたのです」

「ど、どういうことです?」

「私達への復讐を成し遂げても、この女にとってその先はありません。盗賊団の中にいてもいつかは捕まる。今は良くとも縛り首になる未来しか見えない」

「…………それで?」

「それなら立派なお仕事をされている部隊長さんに取り入って、いずれは嫁にでもしてもらえれば将来に渡って安泰ではないですか? そう考えたに違いないんだ」
            

 父は自分の推理に酔ってでもいるかのように胸を張ってふんぞり返りました。
「だから仲間を売ってあなたに手柄を立てさせた。どこまでも利己的な女です。吐き気がする!」

 オッドは小刻みに震えだしました。
「そっ、そんなはずはない! メラニーは改心したんです! 悔い改めたからこそ、私に襲撃のことを教えてくれたんだ!」

 オッド!
 その擁護はズレてるよ!
 それじゃ、まるで私が……。

「弁明は裁判でやって下さい。早くその女を捕まえるんだ!」
 父が怒鳴ると同時に、私はミアの手を振りほどいて駆けだしました。

 捕まったら本当に罪を着せられる。
 嫌だ、嫌だ、助けて!

「逃げたぞ! やっぱり私の言う通りだったんだ!」
 背中で父の声。

 違う、違う!

「本当にあんな子、産むんじゃなかった!」
「すぐに殺して! あいつが逃げ延びたら安心して生活できないよ!」
 母とミアのわめき声。

 全力疾走する私を大勢の人達が追いかけてくる。
 だんだん距離が縮まる。
 捕まってしまう。

 私……縛り首に……。

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