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第一話 ~春~ 再就職先は地獄でした。――いえ、比喩ではなく本当に。
可愛らしい方々が出てきました。
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「――つまり去年の忘年会で、酒に酔った獄卒達が出来心で図書館をピタゴラ装置にしてしまったと……。その上、あまつさえ装置を作動させてしまったと言うのですね」
「はい……。仰る通りです……」
図書館の前で仁王立ちする私に、顔面を男前に変形させた閻魔様が土下座したまま答えました。
大王の威厳、丸つぶれですね。情けない。
ちなみに兼定さんは、「ハァハァ……。ハードなご褒美、ありがとうございます……」などとほざきつつ、廊下の隅にモザイクが掛かった姿で転がっています。
「……で、閻魔様はこれを私にどうしろとおっしゃられるのですか?」
「えーと、最初の仕事として、お片付けをお願いしたいかな~、なんて……」
廃墟と化した元図書館を指さしつつ聞くと、閻魔様は気色悪い愛想笑いを浮かべながらそう返してきました。
ハッハッハッ!
何を言い出すかと思えば、このヒゲは……。
「閻魔様、この部屋の惨状がちゃんと目に入っていますか? 非力でか弱い私だけで、片付けできるわけがないじゃないですか」
「いや、さっき儂らをしばいた馬鹿力があれば、これくらい造作もない気が……」
「おや、気のせいでしょうか? 不愉快なワードが聞こえた気がするのですが?」
「オー、ソーリー! 儂、言い間違いしちゃった。てへっ! 儂のウッカリさん!」
何か失礼なことを言われた気がしたので血の滴る釘バットを持ち上げてみたら、閻魔様は慌てて謝りました。
うん、わかれば良いのです、わかれば。
「冗談はさておき、最初から君一人でこの図書館を片付けろと言うつもりはなかったんだ」
「ほう……? と、言いますと?」
私が首を傾げると、ゴリラは得意気な顔で「まあ待ちなさい」と階段の方を振り返りました。
なんかムカつきますね、あのドヤ顔。もう一回お灸を据えておきましょうか。
と、私がどうお仕置きしてあげようか考えていた、その時です。
パンパンと閻魔様が手を叩いて、階段の上に向かって呼び掛け始めました。
「おーい、子鬼君達。こっちに来て、ご挨拶なさい!」
「は~い!」
「へ~い!」
「ほ~い!」
呼び掛けに応えて階段の上から現れたのは、三つのカラフルなボール――いえ、連続でんぐり返りをする謎の生き物でした。
「おお、来たな。――って、君達! 何をやって! あぶな――ぐへっ!」
絶妙のタイミングで階段から跳ねたその生き物は、閻魔様の首と鳩尾と股間にストライクしました。
本当にもう狙っていたんじゃないかと思える程、綺麗に決まりましたね。見事な手際です。
(ふむ。私が手を下すまでもなかったようです)
ところで、閻魔様にぶつかったこの生き物は何なのでしょう。閻魔様は『子鬼君達』とか言っていましたが……。
――おや? にょきっと手足が生えてきましたよ。
「と~ちゃく!」
「いえ~い!」
「たのしかった~!」
蹲る閻魔様の隣ではしゃぎ始めたのは、それぞれに赤青黄色の服とトンガリ帽子を身に付けた、三人の小人さん達(?)でした。
身長は五十センチくらいで三頭身。顔は三人とも判子を押したように、まんまるお目々が愛らしいスマイリーフェイス。本当に超そっくり。おかげで服の色以外では見分けがつきません。
はて? このおとぎ話から抜け出してきたような三人組は、いったい何者なのでしょうか?
閻魔様は脂汗をかいてピクピクと痙攣を続けていますので、彼らについて聞くこともできませんし……。――まったく、使えないヒゲです。
仕方ありません。直接聞いてみることにしましょう。
「はい……。仰る通りです……」
図書館の前で仁王立ちする私に、顔面を男前に変形させた閻魔様が土下座したまま答えました。
大王の威厳、丸つぶれですね。情けない。
ちなみに兼定さんは、「ハァハァ……。ハードなご褒美、ありがとうございます……」などとほざきつつ、廊下の隅にモザイクが掛かった姿で転がっています。
「……で、閻魔様はこれを私にどうしろとおっしゃられるのですか?」
「えーと、最初の仕事として、お片付けをお願いしたいかな~、なんて……」
廃墟と化した元図書館を指さしつつ聞くと、閻魔様は気色悪い愛想笑いを浮かべながらそう返してきました。
ハッハッハッ!
何を言い出すかと思えば、このヒゲは……。
「閻魔様、この部屋の惨状がちゃんと目に入っていますか? 非力でか弱い私だけで、片付けできるわけがないじゃないですか」
「いや、さっき儂らをしばいた馬鹿力があれば、これくらい造作もない気が……」
「おや、気のせいでしょうか? 不愉快なワードが聞こえた気がするのですが?」
「オー、ソーリー! 儂、言い間違いしちゃった。てへっ! 儂のウッカリさん!」
何か失礼なことを言われた気がしたので血の滴る釘バットを持ち上げてみたら、閻魔様は慌てて謝りました。
うん、わかれば良いのです、わかれば。
「冗談はさておき、最初から君一人でこの図書館を片付けろと言うつもりはなかったんだ」
「ほう……? と、言いますと?」
私が首を傾げると、ゴリラは得意気な顔で「まあ待ちなさい」と階段の方を振り返りました。
なんかムカつきますね、あのドヤ顔。もう一回お灸を据えておきましょうか。
と、私がどうお仕置きしてあげようか考えていた、その時です。
パンパンと閻魔様が手を叩いて、階段の上に向かって呼び掛け始めました。
「おーい、子鬼君達。こっちに来て、ご挨拶なさい!」
「は~い!」
「へ~い!」
「ほ~い!」
呼び掛けに応えて階段の上から現れたのは、三つのカラフルなボール――いえ、連続でんぐり返りをする謎の生き物でした。
「おお、来たな。――って、君達! 何をやって! あぶな――ぐへっ!」
絶妙のタイミングで階段から跳ねたその生き物は、閻魔様の首と鳩尾と股間にストライクしました。
本当にもう狙っていたんじゃないかと思える程、綺麗に決まりましたね。見事な手際です。
(ふむ。私が手を下すまでもなかったようです)
ところで、閻魔様にぶつかったこの生き物は何なのでしょう。閻魔様は『子鬼君達』とか言っていましたが……。
――おや? にょきっと手足が生えてきましたよ。
「と~ちゃく!」
「いえ~い!」
「たのしかった~!」
蹲る閻魔様の隣ではしゃぎ始めたのは、それぞれに赤青黄色の服とトンガリ帽子を身に付けた、三人の小人さん達(?)でした。
身長は五十センチくらいで三頭身。顔は三人とも判子を押したように、まんまるお目々が愛らしいスマイリーフェイス。本当に超そっくり。おかげで服の色以外では見分けがつきません。
はて? このおとぎ話から抜け出してきたような三人組は、いったい何者なのでしょうか?
閻魔様は脂汗をかいてピクピクと痙攣を続けていますので、彼らについて聞くこともできませんし……。――まったく、使えないヒゲです。
仕方ありません。直接聞いてみることにしましょう。
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