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何でも屋をやってみる!
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「はあ……。ひどい目に遭った……」
守備兵の詰所から解放された俺は、疲れ切ったまま万桜号にもたれかかった。
詰所で過ごした三日三晩は、本当にひどいものだった。
とりあえずセシリアの魔王&邪神コンビ宣言により、俺たちは魔王軍の残党との嫌疑をかけられることになった。(意外と知名度あってビックリだ)
一応言っておくと、本物の魔王と邪神とは信じてもらえなかった。
この点については、不幸中の幸いだったな。おかげで王宮の方にある近衛騎士団とかは呼ばれなかったし。
ただ、信じてもらえなかったことに腹を立てたポンコツがいたわけで……。
「ええい、わらわたちは魔王軍の残党ではない。魔王軍そのものじゃ!」
なんて、いらんことをのたまいまくってくれた。
ハッハッハ!
ホント、うちのロリ神様は余計なことばかりしてくださって。
……今日から三日間メシ抜きだ、あのクソガキ。
ともあれ、このセシリアの発言は小さい子の妄想全開イタイ子発言ということで流し(当の本人から噛みつかれたが……)、俺の魔王というのも「生まれた土地の名前がマオウといいまして~」とか適当なことを言ってごまかした。
ついでに万桜号についても、ここから遠く離れた土地の古代遺産ということにして乗り切った。
俺、本当に頑張った。
例の隊長さんからはえらく疑われたが、二人揃って土下座(ここでもセシリアから噛まれた。このガキ、本当に人の気も知らないで……)とかして一応は信じてもらえた。
隊長さんの心の広さに感謝だな。
でまあ、これにて疑いは晴れて、一先ず解放してもらえそう……という雰囲気になったんだけど、ここでまたうちのポンコツロリ邪神がやらかしてくれまして……。
「まったくこんなところに一日もわらわたちを閉じこめおって。身のほどを弁えよ、このハゲが!」
と、捨て台詞。
この言葉に、隊長さん大激怒。
連帯責任というか保護者責任で俺もまとめて二日間お説教を食らう羽目となったのだ。
ちなみに、漏れ聞こえた兵隊さん達の話を聞く限り、隊長さんはここ最近薄毛に悩んでいるらしい。おかげで、『髪』という言葉を聞くだけで敏感に反応してしまうお年頃とのことだった。
セシリアめ、ピンポイントで余計な勘を働かせおってからに……。
ともあれ、こうして二日ほど余計にのびたお勤めを無事に終え、俺たちはようやくヴァン王国の領内に入ることができたのだった。
「国に入るだけでこれだけ苦労するとは思わなかったぜ。まったく、とんだ災難だ」
「まったくじゃ」
助手席で、うんうんと頷くセシリアちゃん。
うん。
今回の件の半分以上は、お前が余計なことを言ったのが原因だからね。
被害者面してふんぞり返ってないで、まずは俺に謝ろうか。
「――あ! そう言えば拘留中ずっと気になってたんだけどさ……」
「ん? なんじゃ?」
「俺、何でここの人たちの言葉がわかって、文字が読めるの?」
そう。兵隊さんたちの言葉が聞き取れることはもちろん、俺の言葉も通じるし、書かれた文字まで読めるのだ。
書かれた文字が日本語でないのは一目瞭然だったので、拘留中からずっと気になっていたんだよな。
元の世界では英語さえおぼつかなかった俺が、何でこの世界の言葉がわかるのか。
うう~ん、ミステリー。
「そんなの簡単じゃ。わらわがお前をこの世界に呼んだ時、この世界の言語を頭に叩き込んでおいたのじゃ。会話から読み書きまで、問題なく行えるはずじゃぞ」
「おお、そうだったのか。サンキュー、セシリア。お前、ただのポンコツロリ邪神じゃなかったんだな。たまには役に立つじゃんか」
一応こいつなりに、呼び出すにあたって俺への配慮はしてくれていたらしい。
人に無許可でこの世界に呼び出した件は置いとくとして、この点は感謝しておいてやろう。
――と思ったのだが。
「せっかく人が気を利かしてやったというのに、何じゃいその態度。わらわはいつだって超役に立つぞ。役に立たなかったことなど、これまで一度もないからな」
なんかお気に召さなかったようだ。
うちのお姫様はツーンと唇を尖らせて、そっぽ向いてしまわれた。
うーん、少女の思考回路はよくわからん。
まあ、仕方ない。まずないとは思うが、こいつの機嫌を損ねてこの言語能力を没収されても敵わんからな。
役に立たなかったどころか迷惑かけられ放題だとかは一先ず横に置いといて、ここは――。
「そんなことねえって。マジ感謝してるから。セシリアは気が利く超絶美少女だ。よっ! 美少女オヴァノール代表。マジ最高! その上、(ちんまいから)持ち運び便利で、(胸も)薄くて頑丈、超安心!」
「にゃはは。そうか、そうか。苦しゅうないぞ、もっと褒めい!」
適当に褒めてみたら、あっさり機嫌を直しやがった。
単純なやつめ。
さて、そうこうしている内にヴァン王国の市場街についたな。
セシリア曰く、何でも屋をやるにはここがベストだそうだ。
王国の繁栄のため、余程いかがわしいものやサービスを売らない限り、無許可で店を開いていいらしい。(なので、露店とかの場所も早い者勝ちだ)
つまるところ、身分証も何もない俺たちには打ってつけの市場というわけだ。好都合にもほどがある。
てなわけで、とりあえず立ち並ぶ露店の端っこに車を止めて、外に出る。
「おお! すっげえ賑わってんな」
「当然じゃ。ここらで一番大きな市場じゃからな」
大通りの両脇には大小様々な店が並び、人の往来も半端ない。
しかも、どこかしこからいいにおいが漂ってきて……。
「ヨシマサ、わらわは腹が減ったぞ」
「激しく同感だが、先立つものがない」
そう。今の俺たちは無一文。
寝泊まりする場所は万桜号があるからいいとして、食べ物を買うには金を稼ぐしかない。
でないと、三食すべてここから十キロばかり先にある川で獲った川魚(調味料もないので素焼きのみ)だ。
「ともかく、店を広げてちゃっちゃと稼ぐとするか」
「おーっ!」
こうして、新米魔王とポンコツ邪神による初めてのお店経営が始めましたとさ。
さてはて、どうなることかね。
守備兵の詰所から解放された俺は、疲れ切ったまま万桜号にもたれかかった。
詰所で過ごした三日三晩は、本当にひどいものだった。
とりあえずセシリアの魔王&邪神コンビ宣言により、俺たちは魔王軍の残党との嫌疑をかけられることになった。(意外と知名度あってビックリだ)
一応言っておくと、本物の魔王と邪神とは信じてもらえなかった。
この点については、不幸中の幸いだったな。おかげで王宮の方にある近衛騎士団とかは呼ばれなかったし。
ただ、信じてもらえなかったことに腹を立てたポンコツがいたわけで……。
「ええい、わらわたちは魔王軍の残党ではない。魔王軍そのものじゃ!」
なんて、いらんことをのたまいまくってくれた。
ハッハッハ!
ホント、うちのロリ神様は余計なことばかりしてくださって。
……今日から三日間メシ抜きだ、あのクソガキ。
ともあれ、このセシリアの発言は小さい子の妄想全開イタイ子発言ということで流し(当の本人から噛みつかれたが……)、俺の魔王というのも「生まれた土地の名前がマオウといいまして~」とか適当なことを言ってごまかした。
ついでに万桜号についても、ここから遠く離れた土地の古代遺産ということにして乗り切った。
俺、本当に頑張った。
例の隊長さんからはえらく疑われたが、二人揃って土下座(ここでもセシリアから噛まれた。このガキ、本当に人の気も知らないで……)とかして一応は信じてもらえた。
隊長さんの心の広さに感謝だな。
でまあ、これにて疑いは晴れて、一先ず解放してもらえそう……という雰囲気になったんだけど、ここでまたうちのポンコツロリ邪神がやらかしてくれまして……。
「まったくこんなところに一日もわらわたちを閉じこめおって。身のほどを弁えよ、このハゲが!」
と、捨て台詞。
この言葉に、隊長さん大激怒。
連帯責任というか保護者責任で俺もまとめて二日間お説教を食らう羽目となったのだ。
ちなみに、漏れ聞こえた兵隊さん達の話を聞く限り、隊長さんはここ最近薄毛に悩んでいるらしい。おかげで、『髪』という言葉を聞くだけで敏感に反応してしまうお年頃とのことだった。
セシリアめ、ピンポイントで余計な勘を働かせおってからに……。
ともあれ、こうして二日ほど余計にのびたお勤めを無事に終え、俺たちはようやくヴァン王国の領内に入ることができたのだった。
「国に入るだけでこれだけ苦労するとは思わなかったぜ。まったく、とんだ災難だ」
「まったくじゃ」
助手席で、うんうんと頷くセシリアちゃん。
うん。
今回の件の半分以上は、お前が余計なことを言ったのが原因だからね。
被害者面してふんぞり返ってないで、まずは俺に謝ろうか。
「――あ! そう言えば拘留中ずっと気になってたんだけどさ……」
「ん? なんじゃ?」
「俺、何でここの人たちの言葉がわかって、文字が読めるの?」
そう。兵隊さんたちの言葉が聞き取れることはもちろん、俺の言葉も通じるし、書かれた文字まで読めるのだ。
書かれた文字が日本語でないのは一目瞭然だったので、拘留中からずっと気になっていたんだよな。
元の世界では英語さえおぼつかなかった俺が、何でこの世界の言葉がわかるのか。
うう~ん、ミステリー。
「そんなの簡単じゃ。わらわがお前をこの世界に呼んだ時、この世界の言語を頭に叩き込んでおいたのじゃ。会話から読み書きまで、問題なく行えるはずじゃぞ」
「おお、そうだったのか。サンキュー、セシリア。お前、ただのポンコツロリ邪神じゃなかったんだな。たまには役に立つじゃんか」
一応こいつなりに、呼び出すにあたって俺への配慮はしてくれていたらしい。
人に無許可でこの世界に呼び出した件は置いとくとして、この点は感謝しておいてやろう。
――と思ったのだが。
「せっかく人が気を利かしてやったというのに、何じゃいその態度。わらわはいつだって超役に立つぞ。役に立たなかったことなど、これまで一度もないからな」
なんかお気に召さなかったようだ。
うちのお姫様はツーンと唇を尖らせて、そっぽ向いてしまわれた。
うーん、少女の思考回路はよくわからん。
まあ、仕方ない。まずないとは思うが、こいつの機嫌を損ねてこの言語能力を没収されても敵わんからな。
役に立たなかったどころか迷惑かけられ放題だとかは一先ず横に置いといて、ここは――。
「そんなことねえって。マジ感謝してるから。セシリアは気が利く超絶美少女だ。よっ! 美少女オヴァノール代表。マジ最高! その上、(ちんまいから)持ち運び便利で、(胸も)薄くて頑丈、超安心!」
「にゃはは。そうか、そうか。苦しゅうないぞ、もっと褒めい!」
適当に褒めてみたら、あっさり機嫌を直しやがった。
単純なやつめ。
さて、そうこうしている内にヴァン王国の市場街についたな。
セシリア曰く、何でも屋をやるにはここがベストだそうだ。
王国の繁栄のため、余程いかがわしいものやサービスを売らない限り、無許可で店を開いていいらしい。(なので、露店とかの場所も早い者勝ちだ)
つまるところ、身分証も何もない俺たちには打ってつけの市場というわけだ。好都合にもほどがある。
てなわけで、とりあえず立ち並ぶ露店の端っこに車を止めて、外に出る。
「おお! すっげえ賑わってんな」
「当然じゃ。ここらで一番大きな市場じゃからな」
大通りの両脇には大小様々な店が並び、人の往来も半端ない。
しかも、どこかしこからいいにおいが漂ってきて……。
「ヨシマサ、わらわは腹が減ったぞ」
「激しく同感だが、先立つものがない」
そう。今の俺たちは無一文。
寝泊まりする場所は万桜号があるからいいとして、食べ物を買うには金を稼ぐしかない。
でないと、三食すべてここから十キロばかり先にある川で獲った川魚(調味料もないので素焼きのみ)だ。
「ともかく、店を広げてちゃっちゃと稼ぐとするか」
「おーっ!」
こうして、新米魔王とポンコツ邪神による初めてのお店経営が始めましたとさ。
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