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宴といったら、やっぱりこれだろ!
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早いもので、スコット村に厄介になり始めて一週間。
今日の分で、ようやくギムギの刈り取り作業が終わった。
この後も脱穀やらなんやら、やるべき作業は色々あるんだけど、そこら辺は村人だけでも問題なく行える。
よって、俺たち(というか俺のみ)の仕事はここでおしまい。晴れてお役御免となった。
つまりはこの村で過ごすのも今晩で最後というわけだ。
で、俺たちの旅立ちを前に、ささやかながら村を上げての宴会と相成ったわけで……。
「いや~、この度は本当にありがとうございましたですじゃ。お二人のおかげで、例年にない程スムーズに収穫が行えました。本当に何とお礼を言えばいいか」
「ぬふふ。気にするでない。わらわたちは自らのすべき仕事を成したまでじゃからな」
ペコペコと何度も頭を下げる村長に、セシリアが鷹揚な態度で首をふる。
うん。
お前、一日目以外ずっと遊んでたよね。
働いていたの、ずっと俺だけだったよね。
何、『わらわ、いい仕事した!』的な感じで答えているのかな。
あんまりふざけたこと言ってると、その舌引っこ抜くぞ♪
――と、俺が荒んだ気持ちでセシリアのお仕置き方法を検討していた時だ。
「ヨシマサ、もういなくなっちゃうの?」
「もうご本読んでくれないの?」
子供たちの中でも、特に読み聞かせが好きだった二人が俺のところにやって来た。
「すまねえな、ロイド、セアラ。俺はまた、旅に出なくちゃいけないんだ」
だって、うちのお姫様が駄々こね始めちゃったんだもん。
昨日の夜、「収穫の仕事も飽きたから、次の街に行きたいのじゃ」とか、やってもいねえ仕事のことをほざきながら、ベッドの上で手足バタバタさせて暴れ出しちゃったんだもん。
部屋の中のものポイポイ俺にぶつけ始めちゃったんだもん。
ちなみにそのあとは、恒例の醜い罵り合いに発展。一晩争った挙げ句、俺が負けました。
ポンコツロリ邪神に口で言い負ける俺って……。
「そっか……」
「むう~……」
なんだか二人とも、すっげえ悲しそうな顔してるんだが……。
クッ……。
そんなにも俺の旅立ちを惜しんでくれるのか、子供たちよ。
いやもう、どっかのクソ邪神にもこの子らの爪の垢を煎じて筋肉注射してやりたい気分だわ。痛い上に効くからな、あれ。
というか、本格的にやべえな。この二人、超かわいすぎる。
なんか俺、今この瞬間にも父性に目覚めそうだわ。
正直、隣でいい気になってふんぞり返っているロリ邪神を放り出して、この村に留まりたい気分だわ。
村長はアレだが、それ以外は居心地いいしな、スコット村。
「おいこら、ヨシマサ。お主、今よからぬことを考えておるじゃろう」
……………………。
どうやらうちのお姫様からは逃げられんようだ。ものすごい目で睨んでる。
実に残念だが、仕方ない。大人しく旅立つとしよう。
ガチで呪われたりしたら、いやだし。(この性悪邪神はマジでやる)
とまあ、そんなやり取りのあとは、宴もヒートアップ。
俺はヴァン王国で磨いたエンターテインメント性を如何なく発揮し、お得意の大道芸を披露。
村人たちの度肝を抜いてやった。
フフフ……。
どうだ、村人たちよ。これがヴァン王国を熱狂の渦に巻き込んだスーパーイリュージョンだ。
ファイアドラゴンをグネグネ飛ばしながら悦に浸る。
ああ~……。この感覚、久しぶりだな。超いい気分♪
「はーい! 本日はいつもより多く召喚しております」
興が乗ったのでファイアドラゴンを五匹くらい出してみる。
おお~。初めてやったけど、空が炎で真っ赤っかだ。
「……おい、ヨシマサ。これ、まずくないかのう」
俺の服の裾を引っぱり、我らが女神が冷静なツッコミをしてきた。
……うん。
俺もちょっとやり過ぎちゃったかなと思っている。
なんか村人たちもざわざわし始めちゃったよ?
――あ、やべ。
ドラゴン同士が合体して大きな火の玉になっちゃった。
「……落ちるのう、これ」
再び冷静なツッコミをくれたロリ邪神。
なんだろうな、暑さとは別の意味で汗が止まらない。
「なあ、セシリア……」
「ん?」
「どうしよう……」
冷や汗を滝のように流し、セシリアに助けを求める。
するとセシリアは、黙って『サルでもわかる! レメゲトン』を差し出した。
「悪魔さん、おいでませ~ぃ!!」
速攻叫んだ。
声を裏がらせてマジ絶叫した。
そしたら、すぐに例のマッチョな悪魔さんが現れ……、
「HAHAHA!」
――チュドオオオオオオオオン!
前回同様、悪魔式かめは○波を火の玉の下にぶち当て、お空の彼方に吹っ飛ばしてくれた。
――ズドーン!
夜空を埋めつくすような特大の花火が花開く。
おお~、た~まや~。(←現実逃避)
「……危なかったの」
「…………。うん……」
マジで危なかった……。
あんなん落ちてたら、地図から村が消えるところだった。
「おお!」
「すごかったな、今の。迫力満点だ」
「ええ。本当に落っこちてくるかと思ったわ」
ただ、村人たちは演出と考えてくれたようだ。
よし、結果オーライ!
調子に乗ってミスしたことは黙っておこう。
「おーい、村長~。こやつ、今な~」
「お嬢様、お飲物でもお持ちしましょうか!?」
「お! ご苦労」
ニヤニヤ笑うセシリアに最敬礼しつつ、飲み物を差し出す。
ちくしょう、このクソガキ。こっちの足元見やがって。
結局俺は、宴の間中この性悪邪神に散々こき使われる羽目になったのだった。
今日の分で、ようやくギムギの刈り取り作業が終わった。
この後も脱穀やらなんやら、やるべき作業は色々あるんだけど、そこら辺は村人だけでも問題なく行える。
よって、俺たち(というか俺のみ)の仕事はここでおしまい。晴れてお役御免となった。
つまりはこの村で過ごすのも今晩で最後というわけだ。
で、俺たちの旅立ちを前に、ささやかながら村を上げての宴会と相成ったわけで……。
「いや~、この度は本当にありがとうございましたですじゃ。お二人のおかげで、例年にない程スムーズに収穫が行えました。本当に何とお礼を言えばいいか」
「ぬふふ。気にするでない。わらわたちは自らのすべき仕事を成したまでじゃからな」
ペコペコと何度も頭を下げる村長に、セシリアが鷹揚な態度で首をふる。
うん。
お前、一日目以外ずっと遊んでたよね。
働いていたの、ずっと俺だけだったよね。
何、『わらわ、いい仕事した!』的な感じで答えているのかな。
あんまりふざけたこと言ってると、その舌引っこ抜くぞ♪
――と、俺が荒んだ気持ちでセシリアのお仕置き方法を検討していた時だ。
「ヨシマサ、もういなくなっちゃうの?」
「もうご本読んでくれないの?」
子供たちの中でも、特に読み聞かせが好きだった二人が俺のところにやって来た。
「すまねえな、ロイド、セアラ。俺はまた、旅に出なくちゃいけないんだ」
だって、うちのお姫様が駄々こね始めちゃったんだもん。
昨日の夜、「収穫の仕事も飽きたから、次の街に行きたいのじゃ」とか、やってもいねえ仕事のことをほざきながら、ベッドの上で手足バタバタさせて暴れ出しちゃったんだもん。
部屋の中のものポイポイ俺にぶつけ始めちゃったんだもん。
ちなみにそのあとは、恒例の醜い罵り合いに発展。一晩争った挙げ句、俺が負けました。
ポンコツロリ邪神に口で言い負ける俺って……。
「そっか……」
「むう~……」
なんだか二人とも、すっげえ悲しそうな顔してるんだが……。
クッ……。
そんなにも俺の旅立ちを惜しんでくれるのか、子供たちよ。
いやもう、どっかのクソ邪神にもこの子らの爪の垢を煎じて筋肉注射してやりたい気分だわ。痛い上に効くからな、あれ。
というか、本格的にやべえな。この二人、超かわいすぎる。
なんか俺、今この瞬間にも父性に目覚めそうだわ。
正直、隣でいい気になってふんぞり返っているロリ邪神を放り出して、この村に留まりたい気分だわ。
村長はアレだが、それ以外は居心地いいしな、スコット村。
「おいこら、ヨシマサ。お主、今よからぬことを考えておるじゃろう」
……………………。
どうやらうちのお姫様からは逃げられんようだ。ものすごい目で睨んでる。
実に残念だが、仕方ない。大人しく旅立つとしよう。
ガチで呪われたりしたら、いやだし。(この性悪邪神はマジでやる)
とまあ、そんなやり取りのあとは、宴もヒートアップ。
俺はヴァン王国で磨いたエンターテインメント性を如何なく発揮し、お得意の大道芸を披露。
村人たちの度肝を抜いてやった。
フフフ……。
どうだ、村人たちよ。これがヴァン王国を熱狂の渦に巻き込んだスーパーイリュージョンだ。
ファイアドラゴンをグネグネ飛ばしながら悦に浸る。
ああ~……。この感覚、久しぶりだな。超いい気分♪
「はーい! 本日はいつもより多く召喚しております」
興が乗ったのでファイアドラゴンを五匹くらい出してみる。
おお~。初めてやったけど、空が炎で真っ赤っかだ。
「……おい、ヨシマサ。これ、まずくないかのう」
俺の服の裾を引っぱり、我らが女神が冷静なツッコミをしてきた。
……うん。
俺もちょっとやり過ぎちゃったかなと思っている。
なんか村人たちもざわざわし始めちゃったよ?
――あ、やべ。
ドラゴン同士が合体して大きな火の玉になっちゃった。
「……落ちるのう、これ」
再び冷静なツッコミをくれたロリ邪神。
なんだろうな、暑さとは別の意味で汗が止まらない。
「なあ、セシリア……」
「ん?」
「どうしよう……」
冷や汗を滝のように流し、セシリアに助けを求める。
するとセシリアは、黙って『サルでもわかる! レメゲトン』を差し出した。
「悪魔さん、おいでませ~ぃ!!」
速攻叫んだ。
声を裏がらせてマジ絶叫した。
そしたら、すぐに例のマッチョな悪魔さんが現れ……、
「HAHAHA!」
――チュドオオオオオオオオン!
前回同様、悪魔式かめは○波を火の玉の下にぶち当て、お空の彼方に吹っ飛ばしてくれた。
――ズドーン!
夜空を埋めつくすような特大の花火が花開く。
おお~、た~まや~。(←現実逃避)
「……危なかったの」
「…………。うん……」
マジで危なかった……。
あんなん落ちてたら、地図から村が消えるところだった。
「おお!」
「すごかったな、今の。迫力満点だ」
「ええ。本当に落っこちてくるかと思ったわ」
ただ、村人たちは演出と考えてくれたようだ。
よし、結果オーライ!
調子に乗ってミスしたことは黙っておこう。
「おーい、村長~。こやつ、今な~」
「お嬢様、お飲物でもお持ちしましょうか!?」
「お! ご苦労」
ニヤニヤ笑うセシリアに最敬礼しつつ、飲み物を差し出す。
ちくしょう、このクソガキ。こっちの足元見やがって。
結局俺は、宴の間中この性悪邪神に散々こき使われる羽目になったのだった。
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