残念魔王とロリ邪神は移動図書館で異世界を巡る

日野 祐希

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筋肉養成屋敷

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 色々な意味で熱烈な歓迎を受けた俺とセシリアは、アイラさんに客間へと通された。
 ちなみにこの客間、ホテルのスィートルームかと思わせるくらいに豪奢なんだが。
 天井超高いし、シャンデリアまで付いているし!
 ぶっちゃけ、この世界に来る前にオレが住んでた部屋の二倍くらいある。
 くっ!
 金持ちめ、うらやましい……。

「きゃっほーい! 見るのじゃ、ヨシマサ。すごく跳ねるぞ、このベッド!」

 早速二台あるベッドのうちの一台に飛び乗り、トランポリンにし始めるセシリア。
 まったく子供は元気だね。

 ――って!

「ひゃほーい! わほーい!」

「ちょっ! おまっ! 跳ねすぎだろう!?」

 なんかこのお子様、いつの間にか二メートルくらい跳ねあがってんですけど。
 何、このベッド!
 どんな強力なスプリング入れてるわけ!?
 つか、これじゃあベッドじゃなくてトランポリンだ。

「夕食は六時からとなりますので、時間になりましたらお迎えに上がりますね」

「え! アイラさん、この光景スルーですか! セシリア、そろそろ天井に手が届きそうなんですが!」

 あらあらうふふ、と楚々とした笑顔のまま立ち去るアイラさん。
 え? 何これ。驚いている俺の方が変なの?

「どうしたのじゃ、ヨシマサ。お主もやるか? 天井に手が届くぞ」

「やらんわ! というか、お前もいい加減危ないから下りてきなさい!」

 とりあえず一喝し、セシリアにもベッドから下りさせる。
 セシリアは「え~!」とか「ブーッ!」とか不満を垂れた後、最終的に「ガウッ!」と噛みついてきたが、一応言うことを聞いてベッドから下りてきた。

 そして今更気づいたんだが、この部屋、調度品が一々トレーニング器具になっている。(水差しとか、片手で持てないくらい重いし。何これ、ダンベル?)
 宿泊客の健康まで考慮した要らん気遣い満載だな、この部屋。
 さすがあのおっさんが主人で、アイラさんがメイドをしている屋敷だけはある。
 一週間くらいここに留まっていたら、体が超鍛えられること請け合いだろう。

「ハハハ……。俺ら、すんごい人たちと関わり合いになっちゃった気がする……」

「まあ、そう言うな。おかげでこうして、久しぶりに羽を伸ばせるのじゃからな」

 どっと疲れた俺とは対照的に、セシリアはとっても上機嫌だ。
 元々こいつ、魔王城とかいうよくわからん城に住んでいたみたいだからな。
 昔でも思いだしてエンジョイしているんだろう。
 まあ、妙な我が儘を言われるよりよっぽどマシだし、好きにさせておくか。
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