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冒険の始まり
夢
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カラン、と店の扉についたベルがなり、カレンタは商品の置時計から目を離した。
「いらっしゃい…あら、トーマじゃない」
トーマは片手を上げて、よう、と笑った。
その格好を見てカレンタが顔をしかめる。
「どうしたの、服が砂だらけ…」
「いや、ちょっと大通りを走ってきたもんだから。ちょっとこのリンゴの芯捨てていい?」
どうぞ、と店のゴミ箱を指差し、カレンタはため息をついた。
「まったく…店が汚れたらお父様に叱られるわ。もうじき隣町から帰ってくるんだから」
ごめん、掃除しとくよ、と言った後、トーマは店の棚に目をやって顔を輝かせた。そこには、異国の布や木で出来た置物など、様々な商品が並んでいる。
「いつ見てもすげぇや…本当にこれ全部、センカさんが仕入れてくるのか?」
「そうよ。なんたって、バレ村唯一の貿易商だもの」
「いいなぁ…俺もいつか、センカさんみたいに世界を旅してえ」
「まだそんなこと言ってるの?外は危ないからダメだって、村の大人たちにも散々言われてるでしょう」
「分かってるよ、でも…俺、この目で見たいんだ。誰も知らない土地に行って、誰も知らない植物や動物や…《獣人》にも会ってみたい」
「え、嫌よ、《獣人》なんて。人を食べるんでしょう?そもそも実在するのかどうか…」
「だから、会ってみなきゃわからないだろ?人と獣のミックスなんてカッコイイよな、見てみたいぜ」
「もう…」
その時、店の外から聞きなれた馬具の音が聞こえてきた。そして、店の扉が開く。
「お父様!」
「いらっしゃい…あら、トーマじゃない」
トーマは片手を上げて、よう、と笑った。
その格好を見てカレンタが顔をしかめる。
「どうしたの、服が砂だらけ…」
「いや、ちょっと大通りを走ってきたもんだから。ちょっとこのリンゴの芯捨てていい?」
どうぞ、と店のゴミ箱を指差し、カレンタはため息をついた。
「まったく…店が汚れたらお父様に叱られるわ。もうじき隣町から帰ってくるんだから」
ごめん、掃除しとくよ、と言った後、トーマは店の棚に目をやって顔を輝かせた。そこには、異国の布や木で出来た置物など、様々な商品が並んでいる。
「いつ見てもすげぇや…本当にこれ全部、センカさんが仕入れてくるのか?」
「そうよ。なんたって、バレ村唯一の貿易商だもの」
「いいなぁ…俺もいつか、センカさんみたいに世界を旅してえ」
「まだそんなこと言ってるの?外は危ないからダメだって、村の大人たちにも散々言われてるでしょう」
「分かってるよ、でも…俺、この目で見たいんだ。誰も知らない土地に行って、誰も知らない植物や動物や…《獣人》にも会ってみたい」
「え、嫌よ、《獣人》なんて。人を食べるんでしょう?そもそも実在するのかどうか…」
「だから、会ってみなきゃわからないだろ?人と獣のミックスなんてカッコイイよな、見てみたいぜ」
「もう…」
その時、店の外から聞きなれた馬具の音が聞こえてきた。そして、店の扉が開く。
「お父様!」
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