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海の魔物がどうした
しおりを挟むマコリッド伯爵の夕食会に行くための服を誂えようと買い物を提案したがスルーされた。現在の手持ちで良いからと言い張る。軍資金も一杯あるだろうにと思っていると欲しいものがあるそうだ。
アクトが言うには、リベトさんがキングスネークの牙で作ろうとしている剣をみんな手に入れたいのでお金を貯めているところなんだって。
キングスネークの牙から作れる剣は水魔法に強く毒耐性もあるらしい。滅多なことでは手に入らないそうだ。
1本、1本、異なる剣が出来るのでみんな期待してると。アクトも狙っているのね。分かった。
夕刻、マクリッド伯爵邸に伺う。
「マコリッド伯爵より招待いただきました、サトウと5人のパーティーでございます。」
アクトが手慣れたように、口上を述べる。
「マコリッド伯爵の執事を任されております、ジェームズと申します。こちらにどうぞ、ご案内いたします。」
少人数の集まりに使う客室に案内された。そこには男性2人に女性2人がいた。
「こちらでございます。伯爵様、サトウ様と5人のパーティーの方々がお見えになりました。」
「うむ、どうぞこちらに。私が辺境伯を賜っているボルトウィック・フォン・マコリッドだ。そちらが妻のアーマダイナと長男のジョゼリッペ、娘のマリエッタだ。次男と三男は現在王都の学園にいるのでここにはいない。」
「お招きいただきありがとうございます。シズ・サトウと申します。サトウとお呼びください。」
「Sクラス冒険者のアクト、ロイ、ジイ、ラッド、エドと申します。本日はお招きいただきありがとうございます。」
「マコリッド伯爵が妻のアーマダイナ・フォン・マコリッドでございます。皆様をお迎えできて幸せです。」
「息子のジョゼリッペです。本日は”祝福の女性”であるサトウ様をお迎えできて光栄です。また、Sクラスのパーティーの皆様方にお会いできる幸運を喜んでおります。」
「娘のマリエッタです。」
「伯爵様、ご用意がととのいました。」
「そうか、食堂にどうぞ。」
食堂は、私たちに配慮したのか家族用の食堂のようだ。
「狭い部屋で、すまんな。家族用のほうがくつろいで頂けるかと思いこちらにしたのだ。」
「ご配慮ありがとうございます。ゆっくり食事ができそうです。」
答える私にアーマダイナ様は嬉しそうに微笑んでくれた。
伯爵は、キングスネークの討伐についてアクトやロイと話がはずんでいる。
エドとラッドとジイはジョゼリッペ様と冒険や剣の使い方について話している。
アーマダイナ様とマリエッタ様は、私の相手を仰せつかっているのかな。マリエッタ様は5人の夫とどう暮らしているのか興味あるようで聞いてくる。
「娘は王太子の第1側妃と第2の夫は王都騎士団長と決まっております。ただ、王都での生活が不安なのか落ち着かないようです。」
「お母さまはお分かりにならないのです。お父様お一人でよかったのですから。私は、二人の夫が決まっています。どう生活するのでしょうか不安です。」
「マリエッタ様はお二人にお会いしたことはないのですか?」
「ございます。お父様と何回かお城に伺いお会いしましたので、その時お会いしました。」
「お二人にお会いしてどうでしたか?」
「立派な方々でございましたわ。」
「信ずるに足る方ですか?」
「信ずるに足るとは、どういうことでしょう?」
「私は冒険者ですので、例えるなら夫に背中を預け戦えるかどうかが判断となりました。死ぬかもしれぬ場面で夫たちは私の隣と後ろに控え離れずに居てくれました。そのことが、きっかけでしたね。一緒にいようと思うには十分な理由です。」
話を小耳にはさんだか、ジュゼリッペが聞いてくる。
「死ぬかもしれない場面とは不穏ですが、それはどういう場面だったのですか?」
「キングスネークが大口開けて突っ込んで来る場面ですわ。」
「それは、持ち込まれたキングスネークの討伐でのことかな?」とマコリッド伯爵
「いいえ、その1か月以上前にもキングスネークの襲撃がありましたの。その時のことですわ。」
「伯爵、ついでに言えば、そのキングスネークは昨日持ち込んだのより2倍近く大きかったですよ。」とジイ。
「そうです、あの時シズがいなければ、集落全員と俺たちはキングスネークの腹の中でしたね。」ロイも付け加える。
「だから、シズはSSクラスなんですよ。」とエド。
「シズは優しいし、思いやりがある。あの時シズは集落となんの縁もゆかりもなかった。けど、みんなのために戦ってくれた。」
ラッド、まだ気にしてるの。
「それほどの力をお持ちか。フーム。ギルドのブルウィックからこの街の状況を聞かれたか?」
「聞きましたよ。3匹の大型の魔物が海で暴れて漁場を荒らしているから漁ができないと。」アクトが答える。
「我々の力では、到底無理なのだ。前回のパーティーは運よく海岸に流れ着いたが。下手をすると海の藻屑だか魔物の餌だ。出来れば、君たちに依頼したいのだ。情けないが、我々の武術は陸の、しかも人間向きでしかない。魔物の相手は分が悪いのだ。部下の命も領民の生活も大切にしたいが我々には力がない。守るべき女性がいる君たちに頼むのは心苦しいが、頼まれてくれないだろうか?」
「私たちは冒険者ですよ、伯爵。依頼するなら報酬が必要です。報酬を提示してください。」ロイ頑張れ。
「確かにそうだな。ギルドからの討伐報酬が金貨300枚。儂から金貨150枚と望みを1つ叶えよう。儂の手におえるものならばな。望みを言うとよい。」
「シズ、これで受けるか?」アクトが聞く。
「了解。受けるよ。」
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