【完結】四ばあちゃん、二度目の人生

大江山 悠真

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海の魔物がどうした 2

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俺はこのルベンの街で生まれ育ち漁師になった。親父も海の漁師だ。
強くたくましい親父に憧れて同じ漁師になった。
息子も俺をキラキラした目で見ながら、父ちゃん俺も漁師になると言ってくれた。
12で親父の漁についていくようになってから、時化の日以外は海に出ない日はなかった。

それがだ、ここ数週間、漁に出れねえ。一角クジラの化け物みたいにでっけいやつを見て慌てて舟を港にあげた。
そして後ろの海を見ると、どうだ一角クジラのバケモンとクラーケンが戦ってやがる。目を剥いた。
勿論、海を見ていた奴全員が口開け目を剥き立っていた。
俺たちの記憶の中、海の魔物が近海に現れたことがない。
初めてだ、こんなおとぎ話でしか聞いたことのないような魔物を見るなんて。共倒れしちまえ!と叫んでいた。
その日は、お城から兵隊がきて警備していた。遠浅の海だから上陸はしねえけど念のためだろうな。
翌朝、2匹の姿が見えねえから大丈夫と思い漁に出たら、次は海竜だ。
こいつも一角クジラと同じような大きさだ。一体全体どうなってやがる。
それからは、3匹がお互いを食い合おうと戦うか、餌を追って泳ぎ回りやがる。
おかげで、こちとら誰も漁に出られねえ。
漁業組合から、ギルドに討伐依頼がだされ、ナイプの街にいるAクラスの冒険者パーティーが2組討伐に出ていった。どうなるかと思ったら、三日後、半死半生で岸に流れ着いていた。
魔物の餌にならずによかったが、討伐出来なかったらしい。
海の上じゃバランスをとるのも難しい。まして、それで戦うなんて長年漁師をしている俺たちでもなかなかできねえ。
漁に出れないため、食べる物の値が上がってきた。
ご領主様も何とかしようと、ギルド本部に依頼を出してくれたそうだ。

そんな時、ギルドにキングスネーク2匹討伐して持ち込んだパーティーがあると噂が流れた。キングスネークだと。
キングスネークはSクラス冒険者が2,3の合同パーティーを組んで初めて倒せるもんだ。本当かその話、与太話じゃねえか。
その話を聞いた翌日、ギルマスしている幼馴染のブルウィックに浜に来いと呼ばれた。また、朝早い時間に呼び出しやがって。
ブルウィックが言うには、ご領主様からもSクラス冒険者パーティーに討伐依頼をだされたそうだ。
今回はSSクラスとSクラスのみの冒険者パーティーで、これでだめなら魔物が外洋に出ていくか、共倒れするまで何も出来ないという。
冗談じゃないぞ!俺たちに飢え死にしろというのかと思わず怒鳴ってしまったが、考えてみればそうなる。
戦っても勝てなきゃどうすることもできねえ。頼む、俺たちのためにも何とかしてくれ!

オイ!ブルウィックお前、SS・Sクラス冒険者パーティーって言ったよな?
じゃ、あの小娘はなんだ?ちっちゃい体に、ほそっこい腕でなにができんだよ?
横の男どもはわかるが、あれはなんだ?
はぁ~、あれがSSクラス、嘘だろう、冗談言うなよ。
黙ってみてろてか、お前も不安なのか、そうかそうだろうな。


ド・ドガーン!!

腰抜かすかと思うような雷が海に落ちた。海の上になにか浮かんでる。魚じゃないか!
なに、拾いに行け?拾っていいのか?あいつらがなんかしたんじゃないか。あいつらのものだろう。
気にするな、兵士もみんな慌てて魚を拾いに行っている。
あいつらが風をおこして、浮いた魚を浜に引き寄せている。拾ってもいいんだな!
分かった。、俺も遠慮なく拾わせてもらうぞ!
おい、お前ら気にせず拾えってよ、構わねえ遠慮するな~拾え~!


さっきの音に驚いた奴らが浜に見に来て慌てて魚を拾ってる。良かった今日はメシが食えるな。
喜んでいたら、海からなにか泳いでくる音がする、なんだ。
振り返るとクラーケンがすごいスピードでこちらに来る。拾った魚は持って逃げろ~

崖の上にいた嬢ちゃんがクラーケンの触手2本、切ったぞ。すげえな。
浜にいた、若い二人が剣を抜いて、あれ?剣になにか纏わりついてるように見えるが…俺の目がおかしいのか?
おかしくない、ブルウィックお前にも見えるのか。そうか、安心した。
オイ、ここからじゃ剣なんかとどくわけないだろう、何してんだ?
あれ?クラーケンの足2本空を飛んだぞ?なんでだ。また、3本吹っ飛んでいったがどうなっていやがる。
クラーケンが沖に逃げようとしているぞ。残り3本の足じゃ速くは進めないがどうするんだ。おや、3本の足が浮いてる。
体だけになっちまったのか、哀れだななんか。風で浜に流されていやがる。あ~こっちに来るぞ。




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