【完結】四ばあちゃん、二度目の人生

大江山 悠真

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新しい砦といろいろ

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「砦は何処かな?モリア殿。」

プラトの街から出て2日見えてきてもよい砦が見えない。ルーベンス辺境伯爵の末端に連ならなければ騎士にもなれていないモリアなぞと一緒に来たくはなかったが、主命とあらばやむおえずだ。

「見る限り草原と岩肌が見えるだけだが、モリア殿は確かに主命を伝えに砦に行かれたのだな。」

「そうだ。生意気な平民どものに伝えたわ!」

「しかし、何処に砦があるのかな?」

嫌味を申しても罰は当たるまい。やたら急がさせてベントナを立たしたくせに砦がないとはどういうことだ。

『クソ~、クラークの奴め嫌味をいいおって。本当ならば俺が砦の責任者になってもおかしくなかったんだ。まあ、お前が叔父上の前をチョロチョロせずにすむなら砦に飛ばしてもよいかと考え、うまくいってたものが…なぜ砦がない。どこにあるのだ、おかしい。クラークの奴が言う通りではないか。これでは私の立場がなくなる。』

憮然と黙り込んだモリアを置いといて進んでみればナイプの街に着いてしまった。
ここまで砦の影も形もなかったが、ナイプの代官に聞いてみよう。
代官が言うのには、モリアの言う場所には集落があったらしい。ギルドが援助していた集落らしいが魔物に襲われなくなったようだ。自分は砦など見たことはないと話し、念のためにギルドで問合せたらどうかと自分は年寄りで目の悪いのでと言われた。
「ギルドで確認してみるが良いかな。モリア殿。」

「一体どうなってるんだ、確かに砦はあったのに。」

不貞腐れたようにつぶやくモリアを連れてギルドに行き確認した。
ギルドマスターのウェッジという者が、

「確かにおっしゃる場所近くにギルドの援助で子供と冒険者をやめた奴の集落がありましたよ。魔物の襲撃がここ何度かあったみたいでなくなったようです。何があったんでしょうか、我々にはわからないのですが。もし知っていることがあれば教えていただきたいのですが。」

と逆に聞かれてしまった。

「その、集落になにか御用でも?」

「いや、その集落には用はない。近くに主のいない砦があるとのことでな、わが主が責任者を置くと命ぜられたのだ。」

「伯爵様がその砦をおつくりになったのですか?」

「いや、つくっておらん。」

「では、これから砦を造られる?それなら是非このギルドもご用命を賜りたいと思います。」

「いや、違う。先ほども申した通り主のいない砦があると聞いたのでな。その主のいない砦の責任者として儂が伯爵様より命ぜられたのよ。」

「伯爵様が造られてもいない砦に責任者を置かれるのですか?フームそうなんですね。」
とウェッジという男に言われ、我々は早々に退散したわ。恥をかかせおってモリア・ルーベントめ。
砦もないので経過報告書だけをルーベント伯爵様にするか。
おい、モリアお前はこの茶番の責任をとれよ。




     ◇◇◇◇◇◇
  セリ目線

シズから連絡が入った。まだ来ないのかといわれるかと思いきや、砦の場所が変わったと言ってきたのよね。
前の砦はどうしたと思わず聞いたら、壊しただって。簡単に言うわね。まあ、出来ないことじゃないわ、特にシズは魔力一番高いから。詳細は後で聞くけど、目的地はどこになったか確認したら丁度良かったわ。マコリッド領のルベンっていうじゃない。私たちもマコリッド領に入ったところだし街を回りながらルベンの街を目指すわ。3週間ほどで着くわと言っといた。
ルーベント領よりマコリッド領のほうが景気がいいものね。評判もマコリッド伯爵いいし、あちらよりずっと住みやすいと思うわ。久しぶりに会うシズ変わってるかな、楽しみだわ。



    ◇◇◇◇◇◇


私マリナと申します半蝙蝠族の者でございます。皆様にお会いするのは2度目のございます。
私たちは今、シズ様に聞かれているのでございます。
甘い味や匂いがするものを知らないかと火山か温泉を知らないかと聞かれました。

私は心当たりがございます。旅をしているとき急にお恥ずかしいのですが尿意を覚えまして皆から離れ川沿いに場所を探しました。枯れ木のような草が茂っている場所が見えましたのでこれ幸いと行くと草に白いヒルのようなものが付いておりました。何気に触ったのでしょうか、白いヒルが腕につきましてなかなか取れません。思わず火で焼いてしまいましたの。その時の匂いが非常に甘ったるく気分が悪くなるほどでした。用を足していたので慌ててそこから離れましたが。このような話ですがよろしいでしょうか。え?素晴らしい。いやいや全然素晴らしい体験ではございません。粘々した気持ちの悪いものでした。
その近くの山に白い湯溜まりがあり、鼻が曲がるような嫌な臭いがしておりました。
ええ、さほど遠くない場所です。明日行くから用意ですか?問題はないですけどシズ様は体調大丈夫でしょうか。
大丈夫、甘味のためなら我慢する。いや我慢するくらいなら落ち着かれるか私たちで行きますが。
ダメ。シズ様じゃなくてはわからない。そうですか、わかりました。明日出かけるようにいたします。

翌日、馬車に乗るとシズ様がいらっしゃいました。馬車の御者はジイ様とラッド様が座っておられます。
ロイ様はギルドでの依頼があり、エド様、アクト様はお城で兵士の訓練をなさるということで今日はお二人が付き添われます。ジイ様とアクト様とご一緒出来るなんてアガサたちに羨ましがられますね。
シズ様は現在旦那様方の卵を孕んでおられます。シズ様は孕み頃ですしおかしくはございません。

この新しい砦に来て、ちなみに新しい砦は名前をシュナイダ砦と決まりました。
不思議ですよね、サトウ砦とかになるかと思いましたがサトウ様が砦の前身である集落を作られた冒険者のシュナイダという方に因んで名づけたとお聞きしました。
サトウ様はこれでもわかるように本当に控えめな方でございます。

話がそれましたが、ここの砦に来て驚いたのが、ギース様の奥様のメルトさんとグルレッド様の奥様のルイス様が孕まれました。お二人ともお子様方は14歳なんですよ。今更孕むかと思わず心でつぶやきました。誤解しないでくださいませ。孕まれたのは喜んでおりますがそのお年でも孕まれるのが羨ましいというかなんというか。
お二人とも嬉しそうでした。
たまたま、ギース様とグルレッド様がお話してるのを耳にしましたの。
夜の生活が楽しくてなとかシャワーも妻と一緒だと楽しいよなとかこの年でこんなに気持ちがいいものかと思った、サトウ様に感謝だとか仰っていましたの。どういう意味ですかとこの際ですからシズ様にお聞きしましたわ。
すると、リベトさんとネッドさんに受け入れてもらったら教えてあげると約束してくださいました。
バタバタして告白が遅れてますが、明日させていただきます。頑張りますわマリナ!
    



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