【完結】四ばあちゃん、二度目の人生

大江山 悠真

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シュナイダ砦

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「ベルナッドお呼びにより参りました。同じくキルゲール魔法団長も参ってございます。」

「ベルナッドとキルゲールか、呼んだのは確認したいことがあってな。」

「ハッ、なんでしょうか伯爵様。」

「ウム、騎士団と魔法師団は最近シュナイダ砦参りで多忙だと噂になっておると聞く。実際はどうなのだ?」

「伯爵様、魔法師団はサトウ様の魔法の使い方を学ぶためシュナイダ砦に出向いております。事実魔法師団の実力も随分と上がっておると自負しております。」

「ほう、ベルナッドに聞くがキルゲールの言葉に違いはないか。」

「そうですな、少なくとも今は大狼ごときに2,3人でかからねば討伐出来ないということはございません。勿論、わが騎士団においても剣と魔法を組み合わせ大狼1匹位は騎士一人で十分に倒せるようになっております。」

「それほどか。以前と随分違うな。」

「「はい。団を預かるものとして、今のマコリッド伯爵領の戦力は国の3本の指に入ることができると思っております。」」

「すごい、自信ですね。でも、父上。私も騎士団や魔法師団と一緒に訓練しておりますが実力は上がっていると思います。以前のように父上に無様に負けるとは思わないでください。」

「ジョゼリッペ様がおっしゃるように、サトウ様やシュナイダ砦の民たちの魔法の使い方は違うのです。学ぶべきことが多いですし、力が付きます。魔法使いたちは随分変わりましたよ、私を含めてですが。」

「そうだな。キルゲール魔法団長、お前の言うとおりだと思う。」

「そうか。それ程言うならシュナイダ砦が送ってきた招待状には儂自ら出席しよう。」

「父上、私が父上の名代として喜んで出席いたします。父上はお忙しいでしょうから。」

「ジュゼリッペ様が行かれるなら護衛として私と騎士団から何名か選抜して同行させます。許可して頂けますか。」

「お前たち、やはりえらく熱心だな。そう思わんかキルゲール。」

「そうですね、私も出来れば出席したいと思いますが。」

「お前もか。理由を聞こうか。」

「シュナイダ砦の食事が素晴らしいのです。毎回行くごとに皆が食事が楽しみでして。クジラの揚げ物や肉のステーキ、特にワイバーンのステーキは美味しかったですし、訓練後の冷えたエールがまた美味しいです。
最近、砦で作られる菓子という物も疲れた時など疲れが取れる気がします。」

「菓子は土産に買って帰ったが、妻と娘が喜んでな。」

「ベルナッド騎士団長も奥様に買われたのですか?」

「ジュゼリッペ様も買われたことがおありですか。」

「母上に買ってかえり、たいそう喜ばれました。」

「「それで、茶会を開かれたのですな。妻が茶会のお菓子が美味しかったと話しておりました。」」

「お前たちは、儂が知らぬ間にやけに良い思いをしていたようだな。」

「父上は海竜のはく製で、お忙しくされていたではないですか。」

「うーむ、そうだった。そう言えばベルナッド、お前奥方とシュナイダ砦に泊まったとか聞いたが本当か?」

「そんなこともお聞きですか。実は訓練中にアクトとロイがやたら自慢しましてな。シャワーが楽しみとか、サトウ様とこんなに気持ちがいいものかと思ったとか、まあ、いろいろ言われまして。説明しろと迫ったところ、奥方を連れて泊りに来い。泊りに来た時、妻とサトウ様とが一緒に風呂に入るようにしろと言われたのです。
一緒に風呂に入るという意味がよくわからなかったのですがとにかく言うとおりにすると、これが驚きました。私も今では妻と一緒にシャワーを使うのが楽しみで、これほど妻とナニするのが気持ち良いものだとは今の今まで知りませんでしたわ。」

「ベルナッド騎士団長、その楽しいことをもっと具体的に教えてください。」

「ジュゼリッペ様、奥方様のいないあなた様にはチト酷ですわ。女性がすべてしてくれるわけでもないですしな、私もこの年で初めて経験したのですぞ。若いうちから経験している奴らが羨ましいやら悔しいやらですが。
ですから、結婚されていないジョゼリッペ様にお教えするわけにはまいりません。心を鬼にして堪えます。」

「ほう、なれば儂には教えてくれるのであろうな、ベルナッド。」

「伯爵様は奥方様とご一緒にシュナイダ砦に泊まりなさいませ。さすれば奥方様はサトウ様と一緒に風呂に入られるはずでございますれば。」

「わかった、ではシュナイダ砦には儂と妻と娘とが参る。魔法師団は警護につけ。ジョゼリッペは儂の代行をし、城の守備はベルナッドに任せる。ただし、魔法師団は騎士をつける。護衛を5名選抜しあとで名簿を見せろ。」

「賜りました。城とジュゼリッペ様を守護いたします。後程随行の騎士5名選抜いたしまして名簿を届けます。」

「父上、代行拝命いたします。サトウ様にお会いできず残念ですと必ずお伝えくださいね。」

こういうわけで、シュナイダ砦に付いていけないからマリエッタ頼んだよ、お土産のケーキ。
ハイと素直にうなずいてくれる妹が可愛い思った。


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