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眠り
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「私はもう永遠にこのままだろうか……」
オオカミの着ぐるみの声が泣き声に変わります。さっきまでのいきいきとした面持ちはどこかに消え去り、ボロボロの着ぐるみに戻ってしまいました。
窓の外から見える月が雲に隠れます。倉庫の中に暗闇が広がります。
「私は、影ですからあなたのお役に立てるようなことはできません……」
影はゆっくりとオオカミの着ぐるみを見つめました。
オオカミの着ぐるみの目に悲しみが浮かび上がります。
「……ですが、私たちには死にゆく者に安らぎを与える役目があります。あなたにあたたかい夢を見せてあげましょう。これは話を聞かせてくれたお礼です」
影はそっとオオカミの着ぐるみにささやきました。それは、包み込むようにやさしい声でした。
そのとたん、オオカミの着ぐるみの目が穏やかになりました。
「おや、なんだかとても懐かしい気分になってきたな……」
オオカミの着ぐるみはふっと息をつきました。先ほどまでの悲しい気持ちがすっきりと消えていきます。まるで、春の光に照らされているようでした。
「私の話、聞いてくれてありがとう。私はなんだか眠くなってきたよ。
仕方ないね、年寄りだからね。だからもうおやすみさせてもらうよ。また目が覚めたときに、話を聞かせてあげるよ」
オオカミの着ぐるみは、そう言って静かに眠りにつきました。
とても深い深い眠りでした。
オオカミの着ぐるみの声が泣き声に変わります。さっきまでのいきいきとした面持ちはどこかに消え去り、ボロボロの着ぐるみに戻ってしまいました。
窓の外から見える月が雲に隠れます。倉庫の中に暗闇が広がります。
「私は、影ですからあなたのお役に立てるようなことはできません……」
影はゆっくりとオオカミの着ぐるみを見つめました。
オオカミの着ぐるみの目に悲しみが浮かび上がります。
「……ですが、私たちには死にゆく者に安らぎを与える役目があります。あなたにあたたかい夢を見せてあげましょう。これは話を聞かせてくれたお礼です」
影はそっとオオカミの着ぐるみにささやきました。それは、包み込むようにやさしい声でした。
そのとたん、オオカミの着ぐるみの目が穏やかになりました。
「おや、なんだかとても懐かしい気分になってきたな……」
オオカミの着ぐるみはふっと息をつきました。先ほどまでの悲しい気持ちがすっきりと消えていきます。まるで、春の光に照らされているようでした。
「私の話、聞いてくれてありがとう。私はなんだか眠くなってきたよ。
仕方ないね、年寄りだからね。だからもうおやすみさせてもらうよ。また目が覚めたときに、話を聞かせてあげるよ」
オオカミの着ぐるみは、そう言って静かに眠りにつきました。
とても深い深い眠りでした。
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