上 下
4 / 7
プロローグ-出会い-

-4- 『召喚、……ね??』

しおりを挟む
 「というわけで異世界決定!!バンザーイ!!バンザーイ!!」
 「……(ボソッ)リアル猫娘に会えるってことなのか!!」
 「……モロバレだよ??」
 「な、何も言ってないけど??」
ヒューヒュー口笛拭きながらとぼけてみる。そんな様子をアスは「……聞かなかったことにしてあげるね…」とジト目付きで言われたが、有難かった。
 「…ところで要望ある??」
 「要望??」
 「えぇっと……転生したらこうがいいとか。ああがいいとか。」
 「いや、特にないが……」
すると、「え?いやいや!何かあるでしょう……??」とビックリした感じで言われ、何も答えずにいると「……ね??」と威圧的に言われたので「ちょ、ちょっと時間を……!」と慌てて頼んだ。うーん……そうだな。なら、アレとアレとできればアレかな??
 「……っていうか、いいのか??本当に??」
 「いいよ。君にはそれ相応の偉人になる予定だったんだ。」
 「い、『偉人』って……
……じゃあ、3つでもいいのか??」
 「内容とあと現実的に可能であれば。」
 「じゃ、じゃあ、1つ目!ちょっとパーツがいい感じのモブ顔がいい。」
 「ぱ、パーツがいい感じのモブ顔……??」
 「あー、中の上くらいの顔が欲しいってこと。」
 「ふーん。上の上のイケメンじゃなくて??」
 「イケメンなおかげでハーレムとかになったりしたら、確かにロマンだけど……何かと面倒臭そう。」
 「……素直だねぇ。君。」
 「ちなみに、ちょっと肌が焼けてて手先がキレイで黒目黒髪に長い前髪、スっとした鼻筋に切れ長の目って感じがいい。」
 「……細かいんだね。って結構それイケメンになりそうだけど??」
 「うーん、そうか……じゃあ、しゃーないからちょっとくらいなら多少は許すが、あくまで中の上くらいまでにして欲しい。」
 「りょーかい。2つ目は??」
 「眉毛あたりに古傷が欲しい。」
 「え?どゆこと??」
 「片方の眉毛に亀裂が入るような目に届いて失明しちゃわないような小さな古傷の跡のような跡が欲しいってこと。」
 「お、おぉ……なんか、柳の趣味バレそう……っていうか、そういうことなら2つ目のヤツ、1つ目の要望と合わせてやるよ。だから、もう2個目考え直して。」
 「え?えぇっと……あ、ありがとう……」
礼を突然のことで戸惑いながらも言ったら、「どういたしまして!」を満面の笑み付きで言った。
良い奴だよな。
 「そうだなぁ………うーん……うーん……んじゃ……2つ目はIQ高くして。」
 「IQ!専門用語キターーーーー!!」
 「嬉しいのかそれ??つーか、専門用語なのかそれ??」
 「どっちとも知らん。」

 知らんのかい!

 「とりあえず、IQ160くらいで。」
 「おぉ!OK。」
 「3つ目は……魔法あるんだよな??その世界に。なら、あれば光魔法と闇魔法の両属性全魔法使えるようになりたい。」
 「……随分欲張ったんだな。最後。」
 「む、無理か??」
 「いや、いいよ!
……ただ、闇魔法は危険だから乱用しないように。あと、その世界で闇魔法は先天的にじゃなくて後天的にでしか得られないことになってるんだけど、後天的に得られる方法は闇魔法を授かる儀式で生贄を使って生贄の命を殺すしかないんだよ……だから、信頼できる人にしかなるべく明かさないで……って言っても、俺がいるからまあ多少ならいいんだけど。」
 「……そうなのか……分かった。」
 「あ、そういや、あとで召喚する時に行く異世界の常識とかが分かる流れる映像流すからそれ見て覚えて。多分IQ160もあったら出来そうな気がする……まあ、それ以外のことは俺の口から直接聞きな??あと『ご都合上』その世界で起きたらの隣に俺いないけど、俺の目が覚めたらすぐ転移使って柳の隣まで飛んでくるわ。」
 「ありがとうな。」
 お礼を言ってみたら満面の笑みニヤをされた。
 「んじゃ、柳のこと転移されるわ。
……パチン《転移》」
 アストレアは指パッチンをしながら、《転移》と言った。すると俺の意識がそこで途切れた。
しおりを挟む

処理中です...