全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家

文字の大きさ
45 / 79
2章 帝国編

45話 ローザの覚悟

しおりを挟む
「正直、色々と考えてはいるのだが決めかねていてな。戦争になって負けないにしても砦は確実に落ちる。王国側は勇者がいないとはいえ、相当な戦力だからな」

「皇帝にはまだこの話はしていないんですよね?」

「あぁ、皇帝に連絡をいれて、兵を集めさせて戦うでもいいんだが…砦にいる兵士達だけで砦を守るのはちと厳しい。かといって今から帝都にいる兵士たちを呼び寄せても準備と移動がある。1ヶ月じゃとてもじゃないが間に合わない。遅れてついたとしても砦は落とされて、街は壊滅している頃だろう。なにせ今回はいきなりだからな」

確かに今からじゃ遅いな。俺みたいに飛行を使えるわけでもないし…

「それで色々ある案の中、やる可能性が高いのはなんですか?」
「私が単独で行って戦争を止めるというのが最善かの。私一人なら今から行っても間に合うし、最も被害が少なくて済む」

なるほど、被害が少なく戦争を止められるならそれでいいかもしれないが、ローザさん自身はどうなる。
ローザさんは俺からみても相当強い。だがそれでも戦争で命を落とす確率が高いのは俺でもわかる。一人で何千人もの人間を相手にできるはずがない。だとすると…

「死ぬ気ですか…?」

俺はトーンを下げてローザさんに問いかける。

「まぁタダでは死ぬつもりはないよ。それに長年生き続けたこの命、帝国を守れるなら悔いはないよ」

なるほど、ローザさんは平和なこの国が好きでしょうがないのか。だから自分を犠牲にしてまで守ろうとする。
俺にはそこまではできないな。まぁ守りたいものがないって言った方がいいのか。
ここからは俺が関わっていい問題なのかはわからない…普通なら助ける義理はないと切り捨てるのかもしれない…だけど目の前で死のうとしている人を俺は放ってはおけない。せっかく乗りかかった船だもう一つぐらい手伝ってみるか。

この人に心を動かされてしまったな

「では、俺からもう一つ案があります」
「なんだい?」

「俺と一緒に戦争を止めるという案です」
「それはどういうことだね?」
「なに、簡単なことですよ。俺と一緒に、戦争を止めないかということですよ。正直俺一人でも負ける気はしないですし、それに俺なら一日で砦につきますから。」
「!?…だがしかしお主はどこの国にも所属していない旅人の身、さすがにそこまでしてもらうわけには…」

「いえ、俺からしたら暗殺も、戦争も同じようなもんですよ。乗りかかった船です、最後まで手伝いますよ。それにローザさんには死なれては困ります。貴女はこの国の、いやこの世界の重要人物でしょう?他に異能者の過去を伝える役目が果たせるとは思いませんし、魔女というのは世界に5人しかいない、そんな人間を見捨てることは出来ませんよ」

正直、立場とかは完全に建前だ。
ただ俺は目の前で死のうとしている人間を放ってはおけないのだろう。だから助ける、俺がなんとかできる問題ならなんとかしよう。それが俺の性分だ。

「そうか…」

そう言ってからローザさんは考え込んでしまった。どう返答すればいいのかわからないのだろう。

「この話を聞いてしまった以上拒否しても俺が勝手にやりますので。できれば協力してくれた方が楽です」

「ありがとう。では戦争のこともお願いしてもいいか?」
「だから言ってるじゃないですか。いいですよ」

俺は強引にローザさんを納得させ、次の話へ入った。

「では、どうするかを話し合いましょう」
「ああ」

「正直に言うと俺一人で戦争を止められるから、、、ローザさんは戦争までに王国の目的を探ってください」
「目的か…わかったそれはこちらで調べてみよう。だが本当に一人で大丈夫か?」
「そんなに心配なら戦争の時、傍で見ていますか?」
「ああ、ではそうするとしようかの」

え?あれ?その返しは意外だったな。あんまり信用されてないのか?まぁいいか。

「あ、そうだ。お主通信魔法は使えるか?」
「使えますが…」
「それなら魔力を登録しておかないか?その、あれだ、いちいちギルドまで来て連絡を取るのもあれだし…これから何かと連絡を取ることが増えると思うからな」
「ええ、いいですよ」

そう言って俺とローザさんはお互いの通信魔法に魔力を登録をした。

「それでは、暗殺と戦争の件よろしく頼む」
「はい。随時連絡は入れます。それじゃ」

そう言って俺はマスター室を後にした。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~

サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。 ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。 木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。 そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。 もう一度言う。 手違いだったのだ。もしくは事故。 出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた! そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて―― ※本作は他サイトでも掲載しています

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...