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2 出会い
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王都は賑わっていた。
それもそのはずで、今月は国王様の68才を祝うお祭りが催されている。
「お祝いムードだわ」
私はお祝いされない残念な出来事のあとだけど、国王様の長寿と国の繁栄を願っている。教会で祈りを捧げて、市場をぶらぶらと歩いて、楽団の演奏会を聴いて、有意義に過ごしていた。
お天気もいいし。
可愛い気球が飛んでいる。
「急がなきゃ! パレードが始まっちゃう!」
「最前列で見たいわ!」
「え? ちょっと恐いわ。馬が通るのよ?」
「だから何よ!」
令嬢2人組が燥ぎながら通り過ぎていく。
私も凱旋パレードを見に行くつもりでいた。国を支える強力な軍隊の、功績を讃える華々しいパレードらしい。この数年は大きな戦争の話は聞いてないけれど、地続きで4国に囲まれているのに平和が続いているのだから感謝しかない。
城門へと流れる人の波に乗って、のんびりと歩いていく。
ひどい混雑だ。これなら最前列で見たいという気持ちもわかる。ただでさえ男女の身長差があるのに、この人だもの。運が悪ければ、見あげたって前の男性の頭しか見えないだろう。
私は遠目でいい。
凱旋ルートを見渡せそうな階段に回った。この白い階段を上がり切ると、博物館と美術館が集まった大きな公園がある。私と同じ事を考えた人たちが、階段を座席に見立てて座っていた。上の広場では食べ物が売っているらしい。まるでピクニックだ。
期待で笑顔になっていた。
階段の一角に座って見下ろすと、少し遠いけれど視界はバツグンで満足した。
人々が騒ぎ出して、パレードが始まったのがわかった。
その時、背後で凄い声がした。
「きゃああぁぁっ!」
「!?」
歓声ではなく悲鳴。
振り向くと、食べ物を提供する屋台の屋根が斜めに転がり落ちそうになっている。
「え?」
けっこう大きな屋台だ。階段ギリギリまで、パレードが見えるようにと移動して来てしまったのだろうか。わからないけれど、樽は転がってくるし、食べ物も降ってくるし、かなりの惨事になっている。そのうえ動く小屋みたいな屋台の屋根が落ちてきたら、大変だ。
見物客のうち、男性の何人かが慌てて駆け寄って支えた。でも、年配者だったりひょろっとしていたり、体力自慢という感じの男性が運悪くまったくいない。恰幅のいい女性が何人か駆けつけたけど、その方がまだ逞しいくらいだ。
「うそ……」
倒れはしないけれど、ズルッ、ズルッと斜めになった屋根がついに滑り出した。
「危ない! どけぇ!」
男性が叫び始めた。
パレードを見ようと集まった人たちもそれに気づき、階段下から非難していく。私を含め、階段で座ってみようとしていた人たちも左右に掃けて、呆然と事の成り行きを見守る事しかできない。
「!」
果物を踏んだ。
屋根より先に、私が階段から落ちた。後ろ向きに、真っ逆さまだ。
頭が真っ白になった。
「!」
そのとき、私の胴体をぐいと強い力が引き上げた。次の瞬間、私は馬の頭の後ろを見て座っていた。
それもそのはずで、今月は国王様の68才を祝うお祭りが催されている。
「お祝いムードだわ」
私はお祝いされない残念な出来事のあとだけど、国王様の長寿と国の繁栄を願っている。教会で祈りを捧げて、市場をぶらぶらと歩いて、楽団の演奏会を聴いて、有意義に過ごしていた。
お天気もいいし。
可愛い気球が飛んでいる。
「急がなきゃ! パレードが始まっちゃう!」
「最前列で見たいわ!」
「え? ちょっと恐いわ。馬が通るのよ?」
「だから何よ!」
令嬢2人組が燥ぎながら通り過ぎていく。
私も凱旋パレードを見に行くつもりでいた。国を支える強力な軍隊の、功績を讃える華々しいパレードらしい。この数年は大きな戦争の話は聞いてないけれど、地続きで4国に囲まれているのに平和が続いているのだから感謝しかない。
城門へと流れる人の波に乗って、のんびりと歩いていく。
ひどい混雑だ。これなら最前列で見たいという気持ちもわかる。ただでさえ男女の身長差があるのに、この人だもの。運が悪ければ、見あげたって前の男性の頭しか見えないだろう。
私は遠目でいい。
凱旋ルートを見渡せそうな階段に回った。この白い階段を上がり切ると、博物館と美術館が集まった大きな公園がある。私と同じ事を考えた人たちが、階段を座席に見立てて座っていた。上の広場では食べ物が売っているらしい。まるでピクニックだ。
期待で笑顔になっていた。
階段の一角に座って見下ろすと、少し遠いけれど視界はバツグンで満足した。
人々が騒ぎ出して、パレードが始まったのがわかった。
その時、背後で凄い声がした。
「きゃああぁぁっ!」
「!?」
歓声ではなく悲鳴。
振り向くと、食べ物を提供する屋台の屋根が斜めに転がり落ちそうになっている。
「え?」
けっこう大きな屋台だ。階段ギリギリまで、パレードが見えるようにと移動して来てしまったのだろうか。わからないけれど、樽は転がってくるし、食べ物も降ってくるし、かなりの惨事になっている。そのうえ動く小屋みたいな屋台の屋根が落ちてきたら、大変だ。
見物客のうち、男性の何人かが慌てて駆け寄って支えた。でも、年配者だったりひょろっとしていたり、体力自慢という感じの男性が運悪くまったくいない。恰幅のいい女性が何人か駆けつけたけど、その方がまだ逞しいくらいだ。
「うそ……」
倒れはしないけれど、ズルッ、ズルッと斜めになった屋根がついに滑り出した。
「危ない! どけぇ!」
男性が叫び始めた。
パレードを見ようと集まった人たちもそれに気づき、階段下から非難していく。私を含め、階段で座ってみようとしていた人たちも左右に掃けて、呆然と事の成り行きを見守る事しかできない。
「!」
果物を踏んだ。
屋根より先に、私が階段から落ちた。後ろ向きに、真っ逆さまだ。
頭が真っ白になった。
「!」
そのとき、私の胴体をぐいと強い力が引き上げた。次の瞬間、私は馬の頭の後ろを見て座っていた。
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