私を罵った皆様、お元気かしら。今、辺境伯が私への愛を叫んでいます。

百谷シカ

文字の大きさ
1 / 15

1 やらかしました

「君みたいな頭のおかしい女とは結婚できん! 怪しすぎる!!」

「あ、いえ。私はいいんです。あたなのうしろに不機嫌そうなおばぁ様が……」

「ふざけるな! 君は不気味だしッ、わけのわからない事を言うしッ、理解し難い事をできると言い出すしッ、もううんざりだ!!」

「あ」

「またそうやって何もない場所をジッと見て! やめろ!!」

「モンターニョ様、わかりましたから答えてください。モンターニョ様のおばぁ様かご親戚に、イニェスタという方はいらっしゃいますか?」


 呪われてるみたいですけど。


「黙れ! この狂人が! それとも君自身が悪魔憑きかなんかじゃないか!? ああっ? それとも僕を騙して笑おうっていう趣味の悪い魔女か!?」

「落ち着いて。このクリスタルを……」


 パシンっ。


「あ!」


 割れた。
 曾祖母のティアラを分解して、とってもホーリーなクリスタルだけ首飾りにして持ち歩いていたのだけど……紐が、切れて、モンターニョ様の一撃で落下して砕けた。

 ガーン……
 やばい、どうしよう。


「やっと状況が理解できたのか? そうだ! 君との婚約は破棄するって話をしてるんだよ!! せいぜい婚期を逃して老いさらばえて自分が幽霊になるまで寂しく生きていくんだな! ああ! 違うか! 君には見えない友達がたくさんいるだろうから平気だね! フンッ!!」


 モンターニョ様からの婚約破棄より、クリスタルよ。
 お守りだったのに……

 泣きながら欠片を集めたわ。
 
 それで、しばらくして、姉のクリスタとお茶をして慰められていたら、唐突に、入って来た。

 
「!」

「今度はなに? スティナ、悪ふざけはよして」


 ────お姉様だけ、ずるい…………

 私が一生懸命説明しても誰も信じてくれない。
 私が自分らしく生きようとしても、誰も受け入れてくれない。
 
 親に笑われ、姉に呆れられ、婚約者には棄てられた。

 悲しい……

 辛い……

 だけど……っ



「神様の……ご意思なの! ほらっ、神様のっ、声が……聞こえるわ!」

「聞こえない、聞こえない」

「本当に私を愛してくれているのは、サロモン様よッ!」

「うん、違うと思う」

「はあっ!? 神様を疑うの!? お姉様、地獄行き決定~♪ プププッ!」

「サロモン、御意見は?」

「俺が愛しているのはクリスタだけだ。スティナ、目を覚ませ」


 モンターニョ様にクリスタルを壊されて加護が弱まった関係で、よくわからない悲恋の乙女の浮遊霊に憑りつかれちゃって、姉の婚約者に迫りました。

 アチャー☆彡

 すぐ剥がれたけど、これはアウト!
感想 6

あなたにおすすめの小説

侯爵令嬢はざまぁ展開より溺愛ルートを選びたい

花月
恋愛
内気なソフィア=ドレスデン侯爵令嬢の婚約者は美貌のナイジェル=エヴァンス公爵閣下だったが、王宮の中庭で美しいセリーヌ嬢を抱きしめているところに遭遇してしまう。 ナイジェル様から婚約破棄を告げられた瞬間、大聖堂の鐘の音と共に身体に異変が――。 あら?目の前にいるのはわたし…?「お前は誰だ!?」叫んだわたしの姿の中身は一体…? ま、まさかのナイジェル様?何故こんな展開になってしまったの?? そして婚約破棄はどうなるの??? ほんの数時間の魔法――一夜だけの入れ替わりに色々詰め込んだ、ちぐはぐラブコメ。

ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります

奏音 美都
恋愛
 ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。  そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。  それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。

ハイパー王太子殿下の隣はツライよ! ~突然の婚約解消~

緑谷めい
恋愛
 私は公爵令嬢ナタリー・ランシス。17歳。  4歳年上の婚約者アルベルト王太子殿下は、超優秀で超絶イケメン!  一応美人の私だけれど、ハイパー王太子殿下の隣はツライものがある。  あれれ、おかしいぞ? ついに自分がゴミに思えてきましたわ!?  王太子殿下の弟、第2王子のロベルト殿下と私は、仲の良い幼馴染。  そのロベルト様の婚約者である隣国のエリーゼ王女と、私の婚約者のアルベルト王太子殿下が、結婚することになった!? よって、私と王太子殿下は、婚約解消してお別れ!? えっ!? 決定ですか? はっ? 一体どういうこと!?  * ハッピーエンドです。

婚約破棄された令嬢は、“神の寵愛”で皇帝に溺愛される 〜私を笑った全員、ひざまずけ〜

夜桜
恋愛
「お前のような女と結婚するくらいなら、平民の娘を選ぶ!」 婚約者である第一王子・レオンに公衆の面前で婚約破棄を宣言された侯爵令嬢セレナ。 彼女は涙を見せず、静かに笑った。 ──なぜなら、彼女の中には“神の声”が響いていたから。 「そなたに、我が祝福を授けよう」 神より授かった“聖なる加護”によって、セレナは瞬く間に癒しと浄化の力を得る。 だがその力を恐れた王国は、彼女を「魔女」と呼び追放した。 ──そして半年後。 隣国の皇帝・ユリウスが病に倒れ、どんな祈りも届かぬ中、 ただ一人セレナの手だけが彼の命を繋ぎ止めた。 「……この命、お前に捧げよう」 「私を嘲った者たちが、どうなるか見ていなさい」 かつて彼女を追放した王国が、今や彼女に跪く。 ──これは、“神に選ばれた令嬢”の華麗なるざまぁと、 “氷の皇帝”の甘すぎる寵愛の物語。

妹に婚約者を奪われたので、田舎暮らしを始めます

tartan321
恋愛
最後の結末は?????? 本編は完結いたしました。お読み頂きましてありがとうございます。一度完結といたします。これからは、後日談を書いていきます。

ついで姫の本気

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。 一方は王太子と王女の婚約。 もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。 綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。 ハッピーな終わり方ではありません(多分)。 ※4/7 完結しました。 ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。 救いのあるラストになっております。 短いです。全三話くらいの予定です。 ↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。 4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。

妹に命じられて辺境伯へ嫁いだら王都で魔王が復活しました(完)

みかん畑
恋愛
家族から才能がないと思われ、蔑まれていた姉が辺境で溺愛されたりするお話です。 2/21完結

わたしと婚約破棄? では、一族の力を使って復讐させていただきますね

ともボン
恋愛
 伯爵令嬢カスミ・リンドバーグは、第二王太子シグマとの婚約お披露目パーティーで衝撃的な告白をされる。 「カスミ・リンドバーグ! やはりお前とは結婚できない! なのでこの場において、この僕――ガルディア王国の第二王太子であるシグマ・ガルディアによって婚約を破棄する!」  理由は、カスミが東方の血を引く“蛮族女”だから。  さらにシグマは侯爵令嬢シルビアを抱き寄せ、彼女と新たに婚約すると貴族諸侯たちに宣言した。  屈辱に染まる大広間――だが、カスミの黒瞳は涙ではなく、冷ややかな光を宿していた。 「承知しました……それではただいまより伯爵令嬢カスミ・リンドバーグではなく、ガルディア王国お庭番衆の統領の娘――カスミ・クレナイとして応対させていただきます」  カスミが指を鳴らした瞬間、ホール内に潜んでいたカスミの隠密護衛衆が一斉に動き出す。  気がつけばシグマは王城地下牢の中だった。  そこに現れたのは、国王バラモンと第一王太子キース――。  二人はカスミこそ隣国との戦争で王国を勝利へ導いたクレナイ一族の姫であり、シグマの暴挙は王家にとっても許されぬ大罪だとしてシグマとの縁を切った。  それだけではなく、シグマには想像を絶する処罰が下される。  これは婚約破棄から生まれる痛快な逆転劇と新たなラブストーリー。