厚かましい妹の言掛りがウザ……酷いので、家族総出でお仕置きしてみた。

百谷シカ

文字の大きさ
1 / 13

1 妹の喚き

しおりを挟む
「はあ!? 本当に自分が愛されてるとでも思ってるの? その顔とその性格で? 同じ母親から生まれたのに、お姉様って本当にがさつで野蛮で馬鹿で、下衆な性格がすっかり顔に出てるじゃない。ディーン様が私を見てどう思ったかわかる? 『うわぁ! なんて美しい令嬢なんだ! 姉のほうとは大違いだ! カルロッテなんかと婚約しちまったよ! 失敗した!!』……な・の・よ! キャハハハハ! 残念でしたぁ~! ディーン様は私を愛しているのよ!!」


 慣れてはいるけど、やっぱりムカつく。


「それ、毎日言ってて飽きない?」

「はあ? 私を馬鹿にしてるの? 当たり前の事を理解できないのはお姉様の問題で、私のせいじゃないわ。何度教えてあげたって、自分は間違ってませんって顔して図々しく居座ってるから、言ってあげてるの」

「居座るってねぇ。私の家よ」

「違いますぅー! ここはお父様の家ですぅー! ほぉ~ら馬鹿ぁ~♪」


 たしかに、年子の妹エヴェリーナは、両親が私で実験して妹で成功したんじゃないかってくらい私とはあんまり似ていない、超絶美少女だ。強いて言えば顎の骨格と、後頭部の形、あと鼻が似てる。

 部屋が隣なので、身支度の音がうるさいとかメイドとの会話がうるさいとか言掛りをつけては度々こっちに乗り込んできて、喚き散らす毎日。

 
「そして結婚に失敗してそのうち追い出されるのよ。いい気味! たった1才しか違わないのに姉だからって威張り腐ってきたツケだわ。恨まないでね、お姉様。プッ」

「あっそう。御心配どうも。でも私は結婚に失敗しませんからお構いなく」

「はあ? なんでそうなるの? 誰もお姉様の心配なんてしてないんですけどぉー」

「あーはいはい! 結婚してお父様の家を出るわよ!」


 あんたも私の部屋から出て行ってよ。
 ほんとに。うざい。

 その奇跡的な美貌によってライル侯爵令息アルヴィン・クーパー卿から求婚されてからというもの、この2ヶ月、ただでさえ性格に難ありだった妹は超絶図に乗っている。絶好調だ。喜んだのも束の間、母はストレスで痩せた。


「なに勝ち誇ったように言ってるの? お姉様みたいに血筋しか取り柄のない女どもは所詮ちんけな政治の道具! 図に乗らないで!」

「ディーンと私はラブラブよ」


 つい口が滑った。
 妹が目を剥いて唾を飛ばした。


「はあ!? 頭がおかしいんじゃない? 結婚なんて諦めて修道院にでも入ったらぁ!?」


 この女……
 なにを言えば、私の部屋から出て行ってくれるのかしら。

 ムカつくわ。
しおりを挟む
感想 75

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした

由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。 無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。 再び招かれたのは、かつて母を追放した国。 礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。 これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした

ゆっこ
恋愛
 豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。  玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。  そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。  そう、これは断罪劇。 「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」  殿下が声を張り上げた。 「――処刑とする!」  広間がざわめいた。  けれど私は、ただ静かに微笑んだ。 (あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

許すかどうかは、あなたたちが決めることじゃない。ましてや、わざとやったことをそう簡単に許すわけがないでしょう?

珠宮さくら
恋愛
婚約者を我がものにしようとした義妹と義母の策略によって、薬品で顔の半分が酷く爛れてしまったスクレピア。 それを知って見舞いに来るどころか、婚約を白紙にして義妹と婚約をかわした元婚約者と何もしてくれなかった父親、全員に復讐しようと心に誓う。 ※全3話。

9時から5時まで悪役令嬢

西野和歌
恋愛
「お前は動くとロクな事をしない、だからお前は悪役令嬢なのだ」 婚約者である第二王子リカルド殿下にそう言われた私は決意した。 ならば私は願い通りに動くのをやめよう。 学園に登校した朝九時から下校の夕方五時まで 昼休憩の一時間を除いて私は椅子から動く事を一切禁止した。 さあ望むとおりにして差し上げました。あとは王子の自由です。 どうぞ自らがヒロインだと名乗る彼女たちと仲良くして下さい。 卒業パーティーもご自身でおっしゃった通りに、彼女たちから選ぶといいですよ? なのにどうして私を部屋から出そうとするんですか? 嫌です、私は初めて自分のためだけの自由の時間を手に入れたんです。 今まで通り、全てあなたの願い通りなのに何が不満なのか私は知りません。 冷めた伯爵令嬢と逆襲された王子の話。 ☆別サイトにも掲載しています。 ※感想より続編リクエストがありましたので、突貫工事並みですが、留学編を追加しました。 これにて完結です。沢山の皆さまに感謝致します。

侯爵家に不要な者を追い出した後のこと

mios
恋愛
「さあ、侯爵家に関係のない方は出て行ってくださる?」 父の死後、すぐに私は後妻とその娘を追い出した。

処理中です...