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3 当然の結果ですね
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「御迷惑をおかけして申し訳ありませんでした、お父様」
煮え切らない婚約破棄から1ヶ月弱。
解決した。
「うむ。数回やり取りして、ディディエ伯爵から違約金の申し出があったが断った。くだらん連中と関わるだけ時間の無駄だ」
「当たり前だ。『なんか違う』ってなんだ」
長兄デヴィッドが小声で悪態をついた。
次兄フレデリックは母と旅行中。帰ってきたら別の殿方と婚約しているだろうから、ふたりの驚いた顔が目に浮かんでつい微笑んでしまった。
「いい笑顔だ。フランシーヌ、すべて白紙に戻すという事で話はついた。気にせず次の相手を待ちなさい」
「わかりました、お父様」
「次に求婚者が現れたら私が調査しますよ。フランシーヌ、勝手に返事するなよ?」
「黙れ、デヴィッド。フランシーヌはまともだ。今回の相手も、相手が愚か者だっただけだ。物静かな者同士うまくいくかと楽観視したのは私だ。フランシーヌにぞんざいな口を利くな」
みんな私が大好き。
「では、お父様、お兄様。おやすみなさい」
私は部屋に戻って、髪を梳かして、次の出会いに胸を躍らせながら穏やかで優しい眠りについた。
さて、その出会いはすぐにやってきた。
「まあまあまあ! お嬢様! これ幸いとばかりに殿方が群がってきますわねぇェェヘヘヘヘヘッ!」
「ありがとう、メリザンド。でも落ち着いて」
「気分がいいですわ! 有望そうな殿方が次から次にお嬢様に寄ってきて、あれやこれやとお嬢様を讃美して、そして期待の眼差しで去っていく……爽快です!!」
「ええ。気持ちいい初夏よね」
「爽やかな恋! 甘酸っぱい恋! イエスッ!!」
メリザンドといると、楽しい。
今日はカルネ伯爵主催の昼食会に参加している。屋外での昼食会で、殿方は狩にも繰り出したりして、とても活気にあふれた楽しい昼食会だ。運動が挟まるので、殿方たちの雄々しい姿を眺める事ができるのも、とてもいい。
「では私あちらへ行ってますわ、お嬢様。私がいたら殿方が警戒しますものホッ。傍で見てますわッハハンッ♪」
ああ、メリザンド。
大好き。
私は手を振って彼女を3メートルほど見送り、そしてプチフールに手を伸ばした。
「レディ・フランシーヌ」
「はい」
返事をしつつプチフールのパブロバを摘まむ。
駄目よ。食べたいの。離さない……。
「ああ、失礼。食べて」
その紳士は、精悍な顔つきを少年のように煌めかせて笑い、私を促した。
私はお言葉に甘えて食べた。
「美味しい?」
「……、……はい」
「俺はどうも甘いのは嫌いで。でも、婦人がお茶と焼き菓子を囲んで楽しそうに話しているのを見るのは好きですよ。微笑ましい」
「そうですか。あちらにサンドウィッチが」
「食いました。美味かった」
なんというか、若い豹とか、こどもの狼みたいな人。
やや粗暴ではあるものの、正直で気のいい青年という感じ。
快活って、素敵。
「申し遅れました。俺はロイク・オドラン。フェドー伯爵令息です」
「ご丁寧にどうも。私は」
「知ってます。レディ・フランシーヌ」
粗暴だわ。
でも、私と話せたのが嬉しいって笑顔で見つめられると、悪い気はしない。
煮え切らない婚約破棄から1ヶ月弱。
解決した。
「うむ。数回やり取りして、ディディエ伯爵から違約金の申し出があったが断った。くだらん連中と関わるだけ時間の無駄だ」
「当たり前だ。『なんか違う』ってなんだ」
長兄デヴィッドが小声で悪態をついた。
次兄フレデリックは母と旅行中。帰ってきたら別の殿方と婚約しているだろうから、ふたりの驚いた顔が目に浮かんでつい微笑んでしまった。
「いい笑顔だ。フランシーヌ、すべて白紙に戻すという事で話はついた。気にせず次の相手を待ちなさい」
「わかりました、お父様」
「次に求婚者が現れたら私が調査しますよ。フランシーヌ、勝手に返事するなよ?」
「黙れ、デヴィッド。フランシーヌはまともだ。今回の相手も、相手が愚か者だっただけだ。物静かな者同士うまくいくかと楽観視したのは私だ。フランシーヌにぞんざいな口を利くな」
みんな私が大好き。
「では、お父様、お兄様。おやすみなさい」
私は部屋に戻って、髪を梳かして、次の出会いに胸を躍らせながら穏やかで優しい眠りについた。
さて、その出会いはすぐにやってきた。
「まあまあまあ! お嬢様! これ幸いとばかりに殿方が群がってきますわねぇェェヘヘヘヘヘッ!」
「ありがとう、メリザンド。でも落ち着いて」
「気分がいいですわ! 有望そうな殿方が次から次にお嬢様に寄ってきて、あれやこれやとお嬢様を讃美して、そして期待の眼差しで去っていく……爽快です!!」
「ええ。気持ちいい初夏よね」
「爽やかな恋! 甘酸っぱい恋! イエスッ!!」
メリザンドといると、楽しい。
今日はカルネ伯爵主催の昼食会に参加している。屋外での昼食会で、殿方は狩にも繰り出したりして、とても活気にあふれた楽しい昼食会だ。運動が挟まるので、殿方たちの雄々しい姿を眺める事ができるのも、とてもいい。
「では私あちらへ行ってますわ、お嬢様。私がいたら殿方が警戒しますものホッ。傍で見てますわッハハンッ♪」
ああ、メリザンド。
大好き。
私は手を振って彼女を3メートルほど見送り、そしてプチフールに手を伸ばした。
「レディ・フランシーヌ」
「はい」
返事をしつつプチフールのパブロバを摘まむ。
駄目よ。食べたいの。離さない……。
「ああ、失礼。食べて」
その紳士は、精悍な顔つきを少年のように煌めかせて笑い、私を促した。
私はお言葉に甘えて食べた。
「美味しい?」
「……、……はい」
「俺はどうも甘いのは嫌いで。でも、婦人がお茶と焼き菓子を囲んで楽しそうに話しているのを見るのは好きですよ。微笑ましい」
「そうですか。あちらにサンドウィッチが」
「食いました。美味かった」
なんというか、若い豹とか、こどもの狼みたいな人。
やや粗暴ではあるものの、正直で気のいい青年という感じ。
快活って、素敵。
「申し遅れました。俺はロイク・オドラン。フェドー伯爵令息です」
「ご丁寧にどうも。私は」
「知ってます。レディ・フランシーヌ」
粗暴だわ。
でも、私と話せたのが嬉しいって笑顔で見つめられると、悪い気はしない。
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