学パロ‼︎月下彼岸

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第八話:テスト週間

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 月読学園の春の中間テストは約二週間後。八宵は慌てた様子で毎日生徒会室に篭って自習を始めた。
「あのさ、ここ(生徒会室)は自習室じゃあないんだよね。勉強したいんだったら図書室行くか塾でも行くかして欲しいんだけど」
 月乃はやや蔑んだ眼差しをして八宵を見つめる。
「そんな事言わなくたっていいじゃんかぁ~!僕、図書室とか塾とかのピリピリした雰囲気好きじゃないんだもん。家は家で集中できないしさぁ!」
 八宵は月乃に軽く抗議しながら倫理の問題集と教科書を開いている。八宵の成績ははっきり言って芳しくない。特に暗記科目は苦手で、いつも赤点か赤点ギリギリなのである。実は放課後にこっそりとカフェでバイトしているのが主な原因であるが、まだ月乃はそのことは知らない。
 八宵は月乃の注意も構わず自習を続ける。
「うーんと。人身受け難し?ねぇ、せんせー!これどうゆう意味ですかー?!」
 月乃は呆れて溜息をついている。
「……人間として生まれてくることは非常に難しい。生まれがたい人間に生をうけて良かった。……授業でやったろ?」
「ふーん。なるほどなるほど……難しいね、倫理って」
 今度は八宵が溜息をつく。月乃はそんな八宵を横目で見ながら
「分かってるとは思うけど……赤点なんてとろうもんなら……」
「わー!わー!分かってる!分かってるから!!いちいち言わなくて大丈夫だから~!」
 八宵は両手で両耳を塞ぎ聞こえていないフリをした。

 それからしばらくは八宵は問題集と格闘することとなった。静かにペンの走る音だけがする。カリカリと自習中、ふと八宵が側で本を読んでいる月乃に声をかけた。
「ねぇ、先生……。あのさ、前に僕の手首にキスしたよね?あれってなんでキスしたの?」
 八宵は手元の問題集を眺めている。ふと月乃が口を開いた。
「……そうしないと霊力が分けられないから」
 冷ややかに落ち着いたトーンで、こちらを見ようとしない。
「……じゃあさじゃあさ!口にしてくれたら~~もっとすんごい力発現できるかも」
 八宵はあくまで無邪気に言い放つが。
「阿呆、そんなことできるわけないだろ」
 月乃はまたも冷ややかに答える。ちぇっと小さく悪態をついた八宵はまたしても問題集に向き合う。
 八宵は調子よく問題集に書き込んでいく。
 しばらく自習をしていると、生徒会長のミコトが生徒会室にやって来た。
 禅門寺ミコト。黒髪でショートヘアの少年は頭に猫耳の帽子を被っている。
「あ、八宵さん!来てたんだ!」
 ミコトは優しく八宵に話しかける。
「え?あぁ確か生徒会長のミコト君……ですよね?確か同い年!」
「そうそう、よろしくね?同い年なんだからタメでいいよ。ごめんね、生徒会。人手不足なんだ。それに月乃、厳しいでしょ?ルイからも色々聞いてるよ~!なんだか面白そうな子だなって!テスト終わったらさ、八宵さんの歓迎会もしようね」
 ミコトは八宵の手をとり握手をしている。無邪気な表情で人懐っこい笑顔を見せている。
「あ、ありがとう。これから、よろしくね……って言っても、僕中間テストピンチなんだよね」
 八宵はぽりぽりと頬を指でかきながら目を逸らしている。
「大丈夫大丈夫……年度最初のテストなんて簡単簡単!お互い頑張ろうね~」
 ミコトは挨拶もそこそこに何か荷物を取りに来たようだ。月乃に声をかけ、受け取ると足早に生徒会室を出て行ってしまった。
「お前も、そろそろ帰れよ」
 月乃は八宵に声をかけた。
「う、うん。分かってる!」
 帰り際に八宵は思い出したかのように
「そういえばさ、ミコトって猫耳キャップ被ってるけど。なんかズルくない?校則違反じゃないの?」
 と月乃に問いかける。
「……あいつは実家がボンボンだから。てゆうかお母さんはこの学校の理事長やってる。そんなことも知らないのか?」
「え、初めて知ったよ。そんなこと。てゆうか……そんなのえこひいきじゃん!ずるいずるい!」
「あいつ、あれで成績優秀。学年トップだからな」
「うへぇ……」
 八宵は顔を歪ませながら、手元を片付けだす。
「じゃあ、僕帰る……」
「はい。気をつけて」
 月乃はまだ生徒会室に残るようだが、八宵はとりあえず帰宅することにした。

 ――
 テスト当日。
(なんとか赤点でないように勉強して来たけど……後は運だ……)
 八宵は頭の中で祈るように念じる。
(赤点とりませんよーに)

 
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