今日も僕らは日常を着飾る 〜契約から始まる他校の王子様系女子とのヒミツなカンケイ〜

柿本紬樹

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10月-8 最近の焼き芋メーカーはすごい

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「焼き芋、作らない?」

「絶対に嫌です」

「え~ケチ、この時期の焼き芋すごい美味しいらしいから食べたいの~」

俺の身体を揺さぶってくる。

こんな行動をしたとしてもやはり顔やスタイルはいいのでたじろいでしまう。

俺が断固拒否している理由はというと、七瀬の親友である木暮潤羽に俺のことを伝えられたのとクレープの件で前科があるからだ。
あの件からまだ1ヶ月も経ってないので食べ物関連の自粛はもう少し伸ばした方がいいと思ったのだ。

しかし、

「一緒に作ってくれないなら駄々こねちゃう!」

なんと高校生が、しかも年頃の女子おなごが情けない。
もう七瀬は駄々をこねる気でベンチに寝転がっている。

そうやって甘やかしちゃう俺もどうかと思うし契約だとは言えやはり男として見られてないのではという複雑な気持ちが絡み合ってしまっていた。

結局、許諾してしまった。

君なら許すと信じてたと言わんばかりに炭火を取り出した。

「焼き芋するって言ってなかったっけ?」

「ここの公園は一応火気大丈夫だけどやっぱり焚き火だとけっこう煙出るし、簡単に作れる器具も揃ってるからね」

「ああなるほど。それでいつもと違う公園に来たわけだ。」

「それで、今回の主役たちはこちらになります」

ごとんと机の上に置かれたのはさつまいもと……カプセル状の……何あれ。

「これはね、このカプセルの中にさつまいもを入れて遠赤外線でじっくり焼くとホクホクの甘い焼き芋が出来る便利な道具なんだ」

どうやら俺がそういうのに触れてない間に焼き芋界隈は大きく変貌を遂げていたようだ。

いや~食への執念は恐れ入るね。

俺が関心の目を向けていると七瀬はいつの間にか焼き芋を作る準備を済ましていた。

「今日は前回の反省も踏まえて、流石に1人1個ずつにしたよ」

「当たり前です」

つい即座に反応してしまった。
すると七瀬はあまりにも俺が真剣な顔をしていたのがツボに入ったのかクスクスと笑い出してしまった。
いや、ほんとに前回の悪夢は起こしたくないからな。

「よし…じゃあ焼き芋、完成させちゃいますか」

一旦七瀬が落ち着くまで待ってから調理を開始した。

「手順としては簡単で、カプセルを開けて中にさつまいもを入れる。入れたらカプセルを閉じて40分ほどじっくり焼くよ。もっと短めでもいいんだけれど、食べるなら手間がかけて美味しいものにしたいからね」

「なるほどね。やはり食は世界を救うということか」

「?う、うーん……そういうことかな?」

俺たちは焼き芋の味を想像しながら楽しい40分を過ごした。

~そして40分後~

「さあお待ちかね、実食のお時間だよ」

ワクワクしながらお互いカプセルを持って、
そしてーー

充満する焼き芋の芳醇な匂いが周囲に漂う。
鼻の奥にまで届きお腹を刺激してくる。

俺は我慢できず焼き芋にかぶりついた。

「あっ!っっっつい!!」

出来立てだからやっぱり熱かった。
舌を火傷したかもしれないが、そんな些細なことは気にせず今度は味を確かめるようもう一度かぶりついた。

ああ、甘い。
ぎゅうっと濃縮された蜜が口内を駆け巡り、体全身が満たされているのを感じる。
甘いお陰かねっとりしているけど焼き芋であるならば食べやすい食感だ。

食欲の秋、万歳!!

あちら側もほうけたような顔をしているので焼き芋は正解だったようだ。

「ねえ七瀬、やっぱ食べ物っていいね」

「そうだね、ユリ。でも食べ過ぎはちょっとあれかな……」

食べ物が美味しいのはいいことだが、七瀬も気にしちゃうんだなと思いつつやはり食の誘惑には逆らえず焼き芋を食べ終えた後も近くのコンビニでスイーツを買ってしまうのだった。

















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