3 / 9
③ページ目
しおりを挟む
少年の精一杯の言葉を無視し、生き物は少年に近付いた。
少年は震える足を何とか動かし、後退ったが、すぐに大きな木にぶつかり逃げ道は絶たれてしまった。
生き物は少年の目の前までその歩みを進めた。
少年の小さな身体を見下ろすと、その顔に獰猛な笑みを浮かべた。
『ひっ…!!』
少年の恐怖はピークに達し、その身体は大きくガタガタと震えた。
それと同時に、周囲に独特の臭いが広がった。
「小僧、お前、漏らしたのか?」
生き物は、恐怖のあまり失禁した少年を見つめ、嘲笑した。
だが、嘲笑されようとも少年はそれどころではなかった。
通常であれば恥ずかしさが込み上げるのだろうが、今の少年は恐怖に支配されており、恐怖以外の感情を持てるはずがなかったのである。
「小便臭いガキめ…」
生き物は嘲笑いながら身体を屈ませ、少年の匂いを嗅ぎ始めた。
――なにをしているの…?――
少年には、目の前の生き物がなぜ自分の匂いを嗅いでいるのか理解できなかった。
ひとしきり少年の匂いを嗅いだ生き物は、少年に問いかけた。
「この匂い、小僧、お前 "まだ" だな?」
目の前の生き物がニヤリとした表情を浮かべながら問いかけたその意味が、少年には分からなかった。
「ま、まだって何ですか…?」
震えながら、少年は蚊の鳴くような声で問い返した。
「分からぬか。まぁいい。それはそれで楽しみ甲斐がある」
生き物はその顔に獰猛な笑みを浮かべた。
そして、腰に下げた革袋から一粒の小さな黒い玉のような物を取り出した。
「小僧、これを飲め」
生き物は少年にそれを差し出した。
――なにこれ…?こんなの飲みたくない…――
少年は動けなかった。その様子に、生き物は苛立ちを示した。
「小僧、痛い思いをしたいのか?したくないのならば飲め!」
その言葉に、少年は震える手で差し出されたものを受け取り、恐る恐る口に入れた。
「飲み干せ」
生き物の言葉に、少年は涙をこぼしながらその玉を飲み込んだ。
玉は苦くも酸っぱくも、もちろん甘くもなく、少年の喉を通り過ぎていった。
「それでいい」
生き物はまたニヤリと笑った。
少年は当然自分が飲まされたものが何なのか分からず、ただただ困惑した。
「人間っていうのはな…血肉はもちろん美味いが、それだけではすぐに終わってしまうからな…」
生き物の言葉に、困惑していた少年の頭は恐怖に引き戻された。
「血肉以外に長く楽しめる方法があるのだ」
生き物はニヤリとしながら舌舐めずりをし、それを見た少年は震え上がった。
――怖い…!怖い…!助けて…誰が助け………?――
頭の中で助けを求めていた少年だったが、突然視界がぼやけ始め、強烈な眠気に襲われた。
――なに…?なにこれ…?なんでねむ…く………――
少年の身体は糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。
それを見た生き物は満足そうな笑みを浮かべ、
「効いたか。では楽しませてもらうぞ」
そう言って、倒れ込んだ少年の両腕を同時に片手で掴み、軽々と持ち上げ、少年の体は宙にぶら下がった。
少年は震える足を何とか動かし、後退ったが、すぐに大きな木にぶつかり逃げ道は絶たれてしまった。
生き物は少年の目の前までその歩みを進めた。
少年の小さな身体を見下ろすと、その顔に獰猛な笑みを浮かべた。
『ひっ…!!』
少年の恐怖はピークに達し、その身体は大きくガタガタと震えた。
それと同時に、周囲に独特の臭いが広がった。
「小僧、お前、漏らしたのか?」
生き物は、恐怖のあまり失禁した少年を見つめ、嘲笑した。
だが、嘲笑されようとも少年はそれどころではなかった。
通常であれば恥ずかしさが込み上げるのだろうが、今の少年は恐怖に支配されており、恐怖以外の感情を持てるはずがなかったのである。
「小便臭いガキめ…」
生き物は嘲笑いながら身体を屈ませ、少年の匂いを嗅ぎ始めた。
――なにをしているの…?――
少年には、目の前の生き物がなぜ自分の匂いを嗅いでいるのか理解できなかった。
ひとしきり少年の匂いを嗅いだ生き物は、少年に問いかけた。
「この匂い、小僧、お前 "まだ" だな?」
目の前の生き物がニヤリとした表情を浮かべながら問いかけたその意味が、少年には分からなかった。
「ま、まだって何ですか…?」
震えながら、少年は蚊の鳴くような声で問い返した。
「分からぬか。まぁいい。それはそれで楽しみ甲斐がある」
生き物はその顔に獰猛な笑みを浮かべた。
そして、腰に下げた革袋から一粒の小さな黒い玉のような物を取り出した。
「小僧、これを飲め」
生き物は少年にそれを差し出した。
――なにこれ…?こんなの飲みたくない…――
少年は動けなかった。その様子に、生き物は苛立ちを示した。
「小僧、痛い思いをしたいのか?したくないのならば飲め!」
その言葉に、少年は震える手で差し出されたものを受け取り、恐る恐る口に入れた。
「飲み干せ」
生き物の言葉に、少年は涙をこぼしながらその玉を飲み込んだ。
玉は苦くも酸っぱくも、もちろん甘くもなく、少年の喉を通り過ぎていった。
「それでいい」
生き物はまたニヤリと笑った。
少年は当然自分が飲まされたものが何なのか分からず、ただただ困惑した。
「人間っていうのはな…血肉はもちろん美味いが、それだけではすぐに終わってしまうからな…」
生き物の言葉に、困惑していた少年の頭は恐怖に引き戻された。
「血肉以外に長く楽しめる方法があるのだ」
生き物はニヤリとしながら舌舐めずりをし、それを見た少年は震え上がった。
――怖い…!怖い…!助けて…誰が助け………?――
頭の中で助けを求めていた少年だったが、突然視界がぼやけ始め、強烈な眠気に襲われた。
――なに…?なにこれ…?なんでねむ…く………――
少年の身体は糸が切れたようにその場に倒れ込んだ。
それを見た生き物は満足そうな笑みを浮かべ、
「効いたか。では楽しませてもらうぞ」
そう言って、倒れ込んだ少年の両腕を同時に片手で掴み、軽々と持ち上げ、少年の体は宙にぶら下がった。
0
あなたにおすすめの小説
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
守り守られ
ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師
患者 瀬咲朔
腸疾患・排泄障害・下肢不自由
看護師
ベテラン山添さん
準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん
木島 尚久 真幌の恋人同棲中
二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)
MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。
かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。
44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。
小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。
一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。
ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?
【短編集】こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる