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第三章 わだつみの娘と海の国の物語
5、護衛隊々長の憂鬱と言うには生易しい、怒れる日々<後>
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王城にて護衛されるべき王妃シーアと、王城の警備を一任されているグレイ。
カリナがひどく不安そうな表情で一連の様子に固唾を飲むなか、痩身のグレイのまわりに殺気が立ち込めた気がした。
そんな二人を前にカリナは気が遠くなるのを感じる。
気絶出来たらどんなに良いか。残念ながら北方の山岳地帯で羊飼いの娘として育まれた彼女の神経は、そこで都合よく倒れられるほどは弱くはなかった。
「わりぃ、邪魔する」
グレイは精肉屋の店主らしき恰幅のいい中年の男に声を掛け店の奥に入る。
本来、飲食をする店ではない。
従業員用の簡素な机で、まるで店主の身内だとでも言うかのように馴染んでいる姿に苛立ちと憎悪しか抱けなかった。
「よぉ。仕事上がりか? ご苦労さん。お前も飲むか?」
酒の入ったカップを掲げながら、この国の王妃は笑顔でそんなことを言った。
「姐さん、あんたのいい男かい?」
からかうように声を張る店主にシーアは肩をすくめて見せる。
「残念ながら好みじゃないそうでね。振られてるんだ」
店主は大笑いした。
「兄さん、女は顔じゃねぇぜ? この姐さんは見てくれはともかく、気立ては悪くねぇ。嫁さんにするならこんな姐さんの方が絶対いいって。も一回考えてやんな。まぁ、この間あんなお妃様見た後じゃ考えられんか」
さすがは「海の国の黒真珠」と呼ばれるだけはある、そう店主は嬉しそうに唸った。
グレイは盛大に頬を引きつらせ、シーアは全く聞こえていないかのような素振りで通りのカリナに笑顔で手を振った。
「気をつけて帰りなよ。親父さんによろしく」
大丈夫だから、気にせず帰りな。
地味顔であるにもかかわらず人を惹きつける笑顔がそう語っていた。
仏頂面でグレイはシーアの前に座り、店主が寄越してきた酒を受け取る。そうしないとカリナが帰れないと思ったからだ。
本当に気のいいやつだ。
そんなグレイの様子にシーアはにやにやとした笑みを浮かべる。
「一杯飲んだら帰るぞ」
グレイはシーアの前に座ると押し殺した声で言った。
「まあまあ、おごるからさ。遠慮なく飲めよ」
シーアは悪びれもせず楽し気に笑う。
ふざけるな。当然だ。
グレイは射殺さんばかりの目で相手を睨んだ。
また職場に逆戻りだ。
せっかく今日は早番だったのに。
ここ数か月、国王の挙式などという大きな節目に巻き込まれた彼はほとんど休みを取れていなかった。正確には与えられていた貴重な休みも、自発的に出て来ていたのだが。
家人達も急きょ帰りが遅くなる事は心得ているので食材が遅くなっても問題はない。
文句の一つや二つ言わねば損とばかりに言われるだろうが、そんなものは「家族」のやり取りの範疇であり、深刻な不満もない。
結局グレイは、シーアが「夫」への土産に焼いた肉を購入するのにもしっかり付き合わされ、そう言えば時々朝のうちに執務室に入ると肉の残り香など食事の匂いを感じる時があったなと思い出す。
「どうせあの女が持ち込んだのだろう」とあまり気にも留めていなかったが、ここが出所だとしたら話は違ってくる。ゆゆしき問題であった。
認めるのは不本意だが、この女は自分のなすべき仕事はこなしている。
仕事人間なのだから当然といえば当然ではあるが、仕事だからといって務められる肩書ではない。
冗談だとしか思えないがこの国の王妃である。
レオンは確かに言っていた。
大抵の事は仕込んでいる、と。
レオンが仕込んだという礼儀作法や帝王学。
そして海姫として培った技術や知識。
話術や腹の探り合い。
国家間の勢力情勢も、国という機関のしくみや政治、法についても通じていた。
あのオズワルドが『今までどこでどんな仕事をしてきたのか。まったく想定以上だよ』そう困惑したほどだ。
国としてはあまり知られたくない部分もある。
それなのにいつの間にか彼女はつかんでいて、気がつけば暗い部分まで見据えている。
とんでもない人間を妃に据えてしまったのかもしれない。
『まあ正式に王妃の座に就いてしまったのだから、今更言っても仕方ない』
そうオズワルドは笑うしかない。
王妃としてはいささかおかしな方面に突出して有能過ぎる部分のある人間だが、彼女がレオニーク・バルトンを裏切る事はない。
そう断言できるのが、グレイにしてみればせめてもの救いだった。
海姫は意外な事に妻としての役割もこなしているとグレイは思う。
こうして差し入れなどの気遣いも忘れない。
挙式後しばらく寝室が別だった上に寝室に呼ぶ事も、王妃の寝室を訪れる事もしなかったレオニーク・バルトン。
そんな夫に激昂した彼女が王の寝室に踏み込もうとして衛兵とひと悶着もふた悶着も起こしたという、頭痛のするような報告も受けた。
「てめぇなんざ、とっとと海に逃げ帰っちまえばよかったんだよ」
連れ立って歩きながら、腹立ちまぎれにグレイは小さく吐き捨てた。
「何言ってんだ、お前が諦めろって言ったんじゃないか」
シーアは呆れただけで、無責任だと責めるような事はしなかった。
自分で選んだのは重々承知している。
ただ一つだけ言える事がある。
「あの時はひと仕事終えた後だったからさ。ちょっと頭に血が登って冷静な判断が出来なかったんだよ」
シーアは心底辟易した様子で嘆息とともにこぼす。
頼むからそれはレオンには言わないでやってくれ。
水を向けておきながらグレイは思わずそう懇願したくなった。
かつてレオンは彼女の事を「ハナから諦めている」と言った。
今なら分かる。
あれはまわりを謀るための嘘だ。
はじめから、あの男は彼女を手に入れようとしていた。
腹心である自分まで欺いて。
それなのにこの女はいつもつれない。
進水式の式典から数日後、冷静になったシーアは焦った。
往生際悪くなんとかレオンへの返答を覆せないものかと画策した。
『国王なら他の国のお姫様もらって国のために尽くすのが道理じゃないか?』
そう言ってみたが、思惑はすぐに悟られた。
この期に及んで何を言う。約束を反故にする気か。
見目麗しい国王は口にこそしなかったが、表情にありありと出ていた。
『だったらこの国に現在有益になる外交相手がいたら教えてもらいたいもんだな』
冷たい目で言われたシーアは、諸外国に関する知識をもって何人かの候補を出した。
議員辺りが聞けば、諸手をあげて歓迎するであろう好条件の候補者ばかりである。
しかしレオニーク・バルトンは鼻で笑った。
『海姫ほどの価値はないな』
内陸の国ならば政略結婚が妥当であった。
しかしながらこの国は西側のソマリと、北側の北の台地としか国境を隣接しない「海の国」である。2つの隣国に適当な未婚の王族はいなかった。
『そんな相手がいたらとっくに婚姻を結んでいると思わないか?』
レオンは勝ち誇る様な笑みを浮かべた。彼がはじめから対象を国内に限定していたのはシーアも知っていた。
オーシアンの港を利用する国は多い。
おいそれと他国の姫君と婚約しようものなら別の国が面倒を言ってくる可能性もあり得たのだ。
レオンはそんな問題をあえて抱え込む気はなかった。
それよりも海や流通に関する知識と経験の塊である海姫。その価値は、貿易相手国の姫君よりもずっと貴重なものであった。
聡い彼女だからこそ、そう言われれば反論は出来ない。
能力と価値があるからこそ己の居場所を失ったくらいなのだから。
やっぱ気が変わってはくれないか。シーアは内心嘆息する。
『諦めるんだな』
妻となる想い人のその姿に美麗な国王は実に楽しそうに、それは満足そうに笑ったのだった。
降りかかる火の粉の可能性は否定できない。
けれどそれを打ち払う自信が、レオニーク・バルトンにはあった。
「まぁ、どうにもならなくなったら潔く身を引くからさ。そこは安心していいぞ」
相変わらずずいぶんと残酷な事をさらりと言うシーアにグレイは不穏な予感がして押し黙る。
そして本当に、この女は素直じゃない。
今日の様子からしてカリナも、その養父も以前からこうして王妃が出歩いている事を知っていたに違いない。
彼等が知っているくらいだ。妻を溺愛しているあの男が知らない筈はない。護衛とも目付とも言える人間の一人もつけている可能性が高いとは思うが。
王城を囲む城壁の門へ帰れば、門番達は「おつかれさん、お目当ては見つかったかい?」とシーアをいともたやすく入城させた。
この頃になると、中枢以外の人間には地味顔のシーアは完全に王妃「海の国の黒真珠」の小間使いだと思われていたのである。
━━信じらんねぇ。
グレイは血管の切れそうな顔をしながらも、あえて訂正も説教もしなかった。
門番に言うのは筋が違う。
山岳地帯の平民出身ながら護衛隊隊長の座に就いた仕事の出来る優秀な男は大元を絞める気であった。
こうして王城に戻った護衛隊長グレイは不本意ながらまた怒声を張る羽目になる。
この日は国王もその対象であった。
カリナがひどく不安そうな表情で一連の様子に固唾を飲むなか、痩身のグレイのまわりに殺気が立ち込めた気がした。
そんな二人を前にカリナは気が遠くなるのを感じる。
気絶出来たらどんなに良いか。残念ながら北方の山岳地帯で羊飼いの娘として育まれた彼女の神経は、そこで都合よく倒れられるほどは弱くはなかった。
「わりぃ、邪魔する」
グレイは精肉屋の店主らしき恰幅のいい中年の男に声を掛け店の奥に入る。
本来、飲食をする店ではない。
従業員用の簡素な机で、まるで店主の身内だとでも言うかのように馴染んでいる姿に苛立ちと憎悪しか抱けなかった。
「よぉ。仕事上がりか? ご苦労さん。お前も飲むか?」
酒の入ったカップを掲げながら、この国の王妃は笑顔でそんなことを言った。
「姐さん、あんたのいい男かい?」
からかうように声を張る店主にシーアは肩をすくめて見せる。
「残念ながら好みじゃないそうでね。振られてるんだ」
店主は大笑いした。
「兄さん、女は顔じゃねぇぜ? この姐さんは見てくれはともかく、気立ては悪くねぇ。嫁さんにするならこんな姐さんの方が絶対いいって。も一回考えてやんな。まぁ、この間あんなお妃様見た後じゃ考えられんか」
さすがは「海の国の黒真珠」と呼ばれるだけはある、そう店主は嬉しそうに唸った。
グレイは盛大に頬を引きつらせ、シーアは全く聞こえていないかのような素振りで通りのカリナに笑顔で手を振った。
「気をつけて帰りなよ。親父さんによろしく」
大丈夫だから、気にせず帰りな。
地味顔であるにもかかわらず人を惹きつける笑顔がそう語っていた。
仏頂面でグレイはシーアの前に座り、店主が寄越してきた酒を受け取る。そうしないとカリナが帰れないと思ったからだ。
本当に気のいいやつだ。
そんなグレイの様子にシーアはにやにやとした笑みを浮かべる。
「一杯飲んだら帰るぞ」
グレイはシーアの前に座ると押し殺した声で言った。
「まあまあ、おごるからさ。遠慮なく飲めよ」
シーアは悪びれもせず楽し気に笑う。
ふざけるな。当然だ。
グレイは射殺さんばかりの目で相手を睨んだ。
また職場に逆戻りだ。
せっかく今日は早番だったのに。
ここ数か月、国王の挙式などという大きな節目に巻き込まれた彼はほとんど休みを取れていなかった。正確には与えられていた貴重な休みも、自発的に出て来ていたのだが。
家人達も急きょ帰りが遅くなる事は心得ているので食材が遅くなっても問題はない。
文句の一つや二つ言わねば損とばかりに言われるだろうが、そんなものは「家族」のやり取りの範疇であり、深刻な不満もない。
結局グレイは、シーアが「夫」への土産に焼いた肉を購入するのにもしっかり付き合わされ、そう言えば時々朝のうちに執務室に入ると肉の残り香など食事の匂いを感じる時があったなと思い出す。
「どうせあの女が持ち込んだのだろう」とあまり気にも留めていなかったが、ここが出所だとしたら話は違ってくる。ゆゆしき問題であった。
認めるのは不本意だが、この女は自分のなすべき仕事はこなしている。
仕事人間なのだから当然といえば当然ではあるが、仕事だからといって務められる肩書ではない。
冗談だとしか思えないがこの国の王妃である。
レオンは確かに言っていた。
大抵の事は仕込んでいる、と。
レオンが仕込んだという礼儀作法や帝王学。
そして海姫として培った技術や知識。
話術や腹の探り合い。
国家間の勢力情勢も、国という機関のしくみや政治、法についても通じていた。
あのオズワルドが『今までどこでどんな仕事をしてきたのか。まったく想定以上だよ』そう困惑したほどだ。
国としてはあまり知られたくない部分もある。
それなのにいつの間にか彼女はつかんでいて、気がつけば暗い部分まで見据えている。
とんでもない人間を妃に据えてしまったのかもしれない。
『まあ正式に王妃の座に就いてしまったのだから、今更言っても仕方ない』
そうオズワルドは笑うしかない。
王妃としてはいささかおかしな方面に突出して有能過ぎる部分のある人間だが、彼女がレオニーク・バルトンを裏切る事はない。
そう断言できるのが、グレイにしてみればせめてもの救いだった。
海姫は意外な事に妻としての役割もこなしているとグレイは思う。
こうして差し入れなどの気遣いも忘れない。
挙式後しばらく寝室が別だった上に寝室に呼ぶ事も、王妃の寝室を訪れる事もしなかったレオニーク・バルトン。
そんな夫に激昂した彼女が王の寝室に踏み込もうとして衛兵とひと悶着もふた悶着も起こしたという、頭痛のするような報告も受けた。
「てめぇなんざ、とっとと海に逃げ帰っちまえばよかったんだよ」
連れ立って歩きながら、腹立ちまぎれにグレイは小さく吐き捨てた。
「何言ってんだ、お前が諦めろって言ったんじゃないか」
シーアは呆れただけで、無責任だと責めるような事はしなかった。
自分で選んだのは重々承知している。
ただ一つだけ言える事がある。
「あの時はひと仕事終えた後だったからさ。ちょっと頭に血が登って冷静な判断が出来なかったんだよ」
シーアは心底辟易した様子で嘆息とともにこぼす。
頼むからそれはレオンには言わないでやってくれ。
水を向けておきながらグレイは思わずそう懇願したくなった。
かつてレオンは彼女の事を「ハナから諦めている」と言った。
今なら分かる。
あれはまわりを謀るための嘘だ。
はじめから、あの男は彼女を手に入れようとしていた。
腹心である自分まで欺いて。
それなのにこの女はいつもつれない。
進水式の式典から数日後、冷静になったシーアは焦った。
往生際悪くなんとかレオンへの返答を覆せないものかと画策した。
『国王なら他の国のお姫様もらって国のために尽くすのが道理じゃないか?』
そう言ってみたが、思惑はすぐに悟られた。
この期に及んで何を言う。約束を反故にする気か。
見目麗しい国王は口にこそしなかったが、表情にありありと出ていた。
『だったらこの国に現在有益になる外交相手がいたら教えてもらいたいもんだな』
冷たい目で言われたシーアは、諸外国に関する知識をもって何人かの候補を出した。
議員辺りが聞けば、諸手をあげて歓迎するであろう好条件の候補者ばかりである。
しかしレオニーク・バルトンは鼻で笑った。
『海姫ほどの価値はないな』
内陸の国ならば政略結婚が妥当であった。
しかしながらこの国は西側のソマリと、北側の北の台地としか国境を隣接しない「海の国」である。2つの隣国に適当な未婚の王族はいなかった。
『そんな相手がいたらとっくに婚姻を結んでいると思わないか?』
レオンは勝ち誇る様な笑みを浮かべた。彼がはじめから対象を国内に限定していたのはシーアも知っていた。
オーシアンの港を利用する国は多い。
おいそれと他国の姫君と婚約しようものなら別の国が面倒を言ってくる可能性もあり得たのだ。
レオンはそんな問題をあえて抱え込む気はなかった。
それよりも海や流通に関する知識と経験の塊である海姫。その価値は、貿易相手国の姫君よりもずっと貴重なものであった。
聡い彼女だからこそ、そう言われれば反論は出来ない。
能力と価値があるからこそ己の居場所を失ったくらいなのだから。
やっぱ気が変わってはくれないか。シーアは内心嘆息する。
『諦めるんだな』
妻となる想い人のその姿に美麗な国王は実に楽しそうに、それは満足そうに笑ったのだった。
降りかかる火の粉の可能性は否定できない。
けれどそれを打ち払う自信が、レオニーク・バルトンにはあった。
「まぁ、どうにもならなくなったら潔く身を引くからさ。そこは安心していいぞ」
相変わらずずいぶんと残酷な事をさらりと言うシーアにグレイは不穏な予感がして押し黙る。
そして本当に、この女は素直じゃない。
今日の様子からしてカリナも、その養父も以前からこうして王妃が出歩いている事を知っていたに違いない。
彼等が知っているくらいだ。妻を溺愛しているあの男が知らない筈はない。護衛とも目付とも言える人間の一人もつけている可能性が高いとは思うが。
王城を囲む城壁の門へ帰れば、門番達は「おつかれさん、お目当ては見つかったかい?」とシーアをいともたやすく入城させた。
この頃になると、中枢以外の人間には地味顔のシーアは完全に王妃「海の国の黒真珠」の小間使いだと思われていたのである。
━━信じらんねぇ。
グレイは血管の切れそうな顔をしながらも、あえて訂正も説教もしなかった。
門番に言うのは筋が違う。
山岳地帯の平民出身ながら護衛隊隊長の座に就いた仕事の出来る優秀な男は大元を絞める気であった。
こうして王城に戻った護衛隊長グレイは不本意ながらまた怒声を張る羽目になる。
この日は国王もその対象であった。
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