俺の弟が一番かわいい

ー結月ー

文字の大きさ
上 下
60 / 68

呪いと恨み

しおりを挟む
「ファントムからは僕が話をする、ただの気まぐれだろうが許される事じゃない」

「待ってくれ!それをしたら歩夢が危ない目に遭う!それだけはダメだ」

「安心しろ、歩夢は事が終わるまで俺が傍にいて守る…梓馬のぶんもな」

「それに僕はファントムの監視生だ、ファントムが悪さをしないように見張るのも僕の役割だ」

二人は逞しいくらいに頼りになるが、俺の問題なのに任せっぱなしの自分が嫌になる。

魔力じゃないと解決出来ない問題は当然今の俺は足手まとい以外の何者でもない。

二人に「頼みます」と頭を下げると二人に大丈夫だと言われた。

そして次は俺の傷についての話になって、もう誤魔化す事は出来ない。

これを言った時の二人の反応を想像して、苦笑いする。

そして、俺の想像は当たり…小さな騒ぎになった事は言うまでもない。

俺がレオンハルトとナイトの立場だったら今すぐにでも傷付けた奴らを殴りに行くからな。

今すぐに行きそうな二人の腕を掴んでそう思った。

「梓馬、君は今魔力が使えない…だから学校に行かないでくれ」

「いや、そんなわけには…」

「生徒会にも狙われているなら俺もそれがいいと思う」

俺が悪かったけど、友人二人と一緒にいるからいいだろ?と説得した。

しかし二人はただの魔導士に任せられないと言っていた。

二人がいたら生徒会も襲ってくる奴もいなくなると思うんだけどな。

騒ぎになるのは誰だって嫌だろうし、勝てる勝てないではなく人数の問題だ。

それでもダメだというなら、ナイトの足元にいた白猫を抱き上げた。

白猫は俺の腕の中で『何すんだ!離せ!』と暴れていた。

「この子も一緒だから大丈夫だって、な?な?」

「リーシャか」

「神獣がいれば、少しはマシだが…生徒会は強い」

「力が戻るまで生徒会には絶対に付いて行かないから!この子に誓って!」

白猫を顔の前に持ってきてゴリ押しすると、まだなにか言いたげだったが黙らせた。


こんな情けない理由で休みたくない、歩夢にも会えないなんて耐えられない。

白猫が手から逃れて、そのままナイトの足元に隠れてしまった。

学校の魔力を使う授業をどう切り抜けようかと考えながら食堂を出るとナイトが俺の肩を掴んでもたれかかってきた。

身長はナイトの方が少し上だから、普通によろける。

さっきまで放置していたからか、不満そうにしていた。

「梓馬、愛を確かめ合いたい…ダメか?」

「いや、でも…中に出したらナイトの魔力が入るし」

「中に出していいの?」

いや、まぁうん…俺…なんで普通に中に出される想像してるんだろう。

中に出さなければ大丈夫かもしれないだろ、自分の言葉に後悔する。

最後に食堂を出たレオンハルトは俺達がくっついているのを不思議そうに見ていた。

ナイトを見ると、期待した眼差しで俺を見つめていた。

「中に出さないなら」と言うと、少し残念そうにしていたが「梓馬が嫌ならしない」と言ってくれた。

この世界ってコンドーム的なのはあるのか?レオンハルトとは魔力補給だから全部中に出されたから分からない。

「ナイト、梓馬と今日は寝るのか?」

「あぁ、梓馬は俺のものだ」

「…………梓馬」

「ナイトの言葉は気にしなくていいから」

「ナイトと魔力補給してみるか?」

ナイトはレオンハルトにマウントのようなものを取っていたから、レオンハルトを落ち着かせようとした。

レオンハルトは大人で、全然ナイトの事を気にしていなかった。

また穴が開いたらどうしようと思っていたから良かった。

しかし、魔力補給という事は…中に…という意味だよな。

でも、今俺は魔力が使えないがレオンハルトの魔力を持っているから混ざったらいろいろとヤバくないか?

ナイトはよく分かっていないのか、俺をギュッと抱きしめていた。

「試しにナイトの魔力を使ってみるのもいいかもしれない、もしかしたら魔術が使えるかもしれない」

「…でも、雷の俺が氷を出したら変じゃないか?」

「何事も例外はいる、その時はその時考えよう」

レオンハルトも以外と適当だよな、まぁ試してみるのも大事なのは分かってるんだけど…

ナイトの方を見ると、至近距離で目が合ってすぐに逸らした。

美形と好きが合わさると、やっぱりレオンハルトみたいに直視出来なくなるのも困りものだな。

慣れようと思って、再びナイトの顔を見て目を逸らした。

ダメだった、俺には早すぎた世界が広がっていたんだ。

美形の破壊力に常に悩まされている毎日だった。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

Hの経験人数=レベルなので色々な男と寝ようと思います

BL / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:172

BL / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:35

総受け体質

BL / 完結 24h.ポイント:113pt お気に入り:146

【完結】合法ショタの 尚 さん

N2O
BL / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:349

黒猫ちゃんは愛される

BL / 連載中 24h.ポイント:447pt お気に入り:2,485

はちゃめちゃカップルです

BL / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:27

妄想アイドル

BL / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:17

【BL】えろ短編集【R18】

BL / 連載中 24h.ポイント:134pt お気に入り:153

処理中です...